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4月から新たなスタートを切る、お笑い芸人「オダニハジメ」。

「新潟お笑い集団NAMARA」に所属するお笑いコンビ「出来心」。富山県出身のオダニさんと宮城県出身の秋山さんから成るコンビで、アルビレックス新潟ホームゲームのイベントMCや、県内のラジオのパーソナリティを務めるなど幅広く活躍しています。その「出来心」のオダニさんが、来月よりピンでの活動をスタートさせると聞いて、これまで歩んで来た芸人としての道のりや、4月からの活動への意気込みを聞いてきました。

 

 

新潟お笑い集団NAMARA

オダニハジメ Hajime Odani

1995年富山県氷見市生まれ。大学進学を機に新潟に転居。落語研究部に入部し、学園祭のお笑いコンテストをきっかけに「新潟お笑い集団NAMARA」に所属。2017年、同じく「NAMARA」に所属する秋山さんとお笑いコンビ「出来心」を結成。ラジオやイベントなどで幅広く活躍。今年4月よりコンビとしての活動を休止し、ピンでの活動をスタート。

 

新潟への進学をきっかけに、お笑い芸人の道へ。

――オダニさんにお会いできるということで、楽しみにしていました。まずは富山県出身のオダニさんが、新潟で芸人さんになった経緯を聞いてもいいですか?

オダニさん:18歳まで富山県の氷見市というところにいて、大学進学のために新潟に来ました。もともと化学者になりたくて大学受験を頑張っていたんですけど、受かったのが第2志望の新潟にある大学で、しかも化学を勉強できない方の学科だったんですね。

 

――あらら……。それで進学のために新潟に来られたと。

オダニさん:将来の夢が断たれてしまったような状態で大学生活をはじめたんですけど、とりあえず大学4年間はやりたいことをやって楽しく過ごそうと思って。もともとお笑いが好きだったというのもあって、落語研究部に入ってみたんです。

 

――切り替えて、とにかく学生生活を楽しもうと落語研究部に入られたんですね。

オダニさん:高校のときにも「お笑い芸人になりたい」って思ったことはあったんですけど、テレビとかを見ていると「自分はこんなに面白いことはできないな」って勝手に諦めていて。でも落語研究部でお笑いライブとかをやっているうちに「自分って意外と面白いんじゃないかな」と勘違いしたんですね(笑)

 

――自信が出たんですね(笑)。今所属されている「NAMARA」とはどんなふうに出会ったんでしょう?

オダニさん:学園祭のお笑いコンテストがあって、そこで準優勝したんです。それをきっかけにNAMARAの江口代表から「入らないか」って声をかけられました。

 

――へ〜、NAMARAに必要な人材だと思われたわけですね。

オダニさん:かっこよく言うと「ヘッドハンティング」ですね(笑)。でもそのときは誰でも入れるような状態だったので、気軽に「今度お茶しに行こうよ」ぐらいの感覚で誘われたんです(笑)。それが芸人になったきっかけです。

 

県民の孫のように扱ってくれる新潟を、徐々に好きになっていった。

――大学在学中から、「新潟で芸人としてやっていくぞ」っていう決意をされていたんですか?

オダニさん:大学のときは「卒業したら東京で活動したいな」って思っていました。「それなら新潟にいるうちはNAMARAにいてもいいかな」って感じだったんですけど、仕事で新潟をいろいろ回っているうちに、だんだん新潟愛が芽生えてきて。グラデーションの色が変わっていくみたいに「新潟に残ろうかな」っていう気持ちに変わっていきましたね。

 

――新潟に愛着が湧いていったんですね。

オダニさん:NAMARAの「地域のために活動する」っていうスタンスもすごく共感できました。それに新潟はいろいろな場所があって。仕事じゃないとなかなか行かないだろうなっていう神社のお祭りとか、そういうところで「まだ新潟のことをぜんぜん知らないな」という気持ちもあったんですよね。

 

――オダニさんが受ける新潟の人の印象っていかがですか?

オダニさん:新潟の人たちは「排他的だ」とか「外の人に厳しい」って言われることもありますけど、一度中に入ってしまえばすごく優しいなって思います。「よく来てくれたね」って、県民の孫みたいに扱ってくれるんですよね(笑)。そういう人たちのおかげで新潟を徐々に好きになっていきました。

 

 

――「出来心」を結成されてからのことも教えて下さい。秋山さんとおふたりで活動されてきて、印象に残っている仕事ってありますか?

オダニさん:秋になると収穫祭があるじゃないですか。それでいろんな特産品の紹介をするんですけど、「午後から餅の振る舞いがあります」と。地域の人がでっかい臼と杵で餅をついて、500人くらいに振る舞うんです。だから1時間半ぐらいずっと餅つきをしているんですよ。でもその時間帯は餅つき以外のイベントがないので「出来心さん、餅つきを1時間半ぐらい実況してください」って言われて(笑)

 

――餅つきを1時間半実況ですか(笑)

オダニさん:最初の10分は頑張りますよね。「息が合っていて、やっぱり猛練習されたんですかね」みたいなことを言うんですけど、30分を過ぎたあたりから喋ることがなくなってきちゃうんですよね(笑)。もう何を喋ったかぜんぜん覚えていないんですけど、永遠のように感じましたね(笑)

 

――それも地方ならではの仕事ですね(笑)。新潟で芸人さんをやっていて感じる、この仕事の魅力ってどんなところですか?

オダニさん:毎日同じことをやるのが苦手なタイプなんです。例えば、東京に行って月20本ライブをして、毎日同じ漫才をやるとかは続かないタイプなんですよね。でもこっちだと、ある日は学校に行って、次の日は保育園に行って、その次の日は老人ホームに行って、みたいな。毎日違ったことができるっていうのは常に刺激があってやりがいを感じます。

 

――日々楽しんで芸人さんのお仕事をされているのが伝わってきます。

オダニさん:あとは常にリアクションがあるような、生の現場で仕事をする機会が結構あって。ダイレクトにたくさんの人の笑い声を浴びるっていうのは、やっぱり中毒性があってやめられなくなっちゃいますよね。何十人かが一斉に笑ってくれると「生きていていいんだよ」みたいな、存在を肯定されているような感覚になります。

 

この春からは、自分に向いているやり方を探していく時間。

――秋山さんが引退されるとのことで、4月からはオダニさんおひとりで活動されるそうですね。これまでもピンで活動されたことはあるんですか?

オダニさん:「出来心」を組む前に少しだけひとりでやっていました。そのときはひとりで戦っていた感覚だったんですけど、今は支えてくれる人が多いですし、例えば「こういう現場だったらこの人」とか、一緒にまわってくれるNAMARA外の人も何人かいて。

 

――それは頼もしいですね。

オダニさん:今までは「ふたりで笑いをとる」ということで力をつけてきたので、「ひとりで笑いをとる」という経験がないんです。だからどういう手法が自分に向いているのかとか、経験のある人たちにちょっと助けてもらいつつ探していく時間になるのかなと思います。今まではやってきませんでしたけど、もしかしたらリアクション芸人とか、そっちの方が向いているかもしれませんし(笑)

 

――オダニさん自身の可能性を探るタイミングにもなるわけですね。これからの活動の方向性は決まっているんでしょうか?

オダニさん:ひとつ決まっているのが、アコーディオン漫談です。NAMARAの中にも落語と講談をやっている先輩がいるので、そこの演芸部隊に入って、アコーディオンを弾きながら漫談形式でネタができればいいなと思っています。

 

 

――お〜、新しい挑戦ですね。

オダニさん:あと、レギュラーのラジオ番組から相方が抜けるので、僕が多少体を張るようなこともあるのかなと(笑)。今までは全部相方に丸投げしていたというか、譲っていた部分もあるので、そういうところを今後は自分でやりたいなって思います。いろいろな人の魅力を引き出すとか、そういったことは引き続きやっていきたいですね。

 

――ありがとうございました。最後に、いつもオダニさんを応援しているファンの皆さんへメッセージをお願いします!

オダニさん:「県民の孫」って言いましたけど、今まで人に支えられてやってきた部分が大きくて。たぶん、向こう1、2年ぐらいは今まで以上に支えてもらわなきゃやっていけないだろうなと思うので……どうか助けてください(笑)。それが正直な気持ちですかね。引き続き応援していただけると嬉しいです。

 

 

オダニハジメ

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