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オオクワガタやフクロモモンガが待っている「ジャングル・キング」。

子どもたちはいよいよ夏休みですね。私が子どもの頃は、夏休みの自由研究に、昆虫採集をしたり、飼っているペットの観察日記をつけたりしながら、生き物を可愛がる気持ちを学んでいたような気がします。でも最近は野生の昆虫を見かける機会が少なくなって、ちょっと残念……そんなことを思いながら車を走らせていると、いきなり目の前に巨大なヘラクレスオオカブトが! 実はここ「ジャンングル・キング」という名のペットショップなんです。いったいどんなお店なのか、店長の佐藤さんにお話を聞いてきました。

 

 

ジャングル・キング

佐藤 智之 Tomoyuki Sato

1962年三条市生まれ。製造業や営業、配送業、土建業など様々な仕事を経験し、オオクワガタとの出会いをきっかけにネットショップを立ち上げる。2003年に共同で昆虫ショップ「丸寅ファーム」をオープン。2009年には小動物も扱い始め「ジャングル・キング」として移転オープンする。

 

オオクワガタとの出会いでショップをオープン。

——思わずヘラクレスオオカブトに引き寄せられて来たんですけど、こちらってどんなお店なんですか?

佐藤さん:自分で採集した昆虫や、自家繁殖した小動物などを扱っているペットショップです。

 

——佐藤さんは、昔から生き物がお好きだったんですか?

佐藤さん:はい、特に昆虫が好きでしたね。僕らが小学生の頃の夏休みって、山ほど宿題が出たんですよ。でもそんなのほったらかして、クワガタムシやザリガニ、サンショウウオの採集に明け暮れていました(笑)

 

 

——少年時代から今に至るまで、ずっと昆虫採集を続けてきた、って感じですか?

佐藤さん:いえ、昆虫採集は小学生のときにいったん落ち着いて、大人になってからまた火がつきました。あるとき、渓流釣りをしに山奥へ行った帰り道、暗くなった山道を車で走っていたら、何かを採っている人に出会ったんですよ。気になって声をかけてみると、採ったばかりのオオクワガタを見せてくれて。新潟県内でもオオクワガタが採れるということを知って、自分でもやってみたくなったんです。

 

——へー、オオクワガタって新潟にも生息しているんですね。

佐藤さん:そうなんですよ。ご存知かもしれませんが、オオクワガタって「黒いダイヤ」といわれて高い値段で売れているんですよね。それで、ちょうど昆虫ブームが近づいていた頃だったので、パソコンやインターネットの使い方を教えてもらってネットショップをオープンしたり、昆虫専門のオークションサイトに出品したりするようになりました。

 

——そういえば昆虫ブームってありましたね。オオクワガタが大人気で。

佐藤さん:そうなんです。そこで幼なじみたちと「丸寅ファーム」っていう、8畳くらいの大きさの昆虫ショップを立ち上げました。ちょうど「昆虫バブル」といえるような、とにかく昆虫が売れる時期だったんです。

 

人懐っこさが特徴の、自家繁殖したフクロモモンガ。

——じゃあ最初は昆虫メインのお店だったんですね。

佐藤さん:はい。でも「昆虫バブル」も収束してきて価格も下落してきたので、2009年に店舗を移転したのを機に哺乳類を扱うことにしたんです。でも犬や猫はどこのペットショップでも扱っているから、スペースを取らない小動物に目を向けて、当時人気があったウサギやハリネズミ、あとまだ認知度がなかったフクロモモンガを扱おうと思いました。

 

——どうしてフクロモモンガを扱おうと思ったんですか?

佐藤さん:インターネットで見つけて「なんじゃ、この可愛い生き物は〜っ!」って一目惚れしてしまったんです。

 

 

——たしかに可愛いですよね(笑)。小動物の取り扱いを始めてみていかがでしたか?

佐藤さん:思っていたのと違って、とても苦戦しましたね……。ウサギって飼育スペースのない都会ではブームだったんですけど、地元では普通に犬や猫が飼えるスペースがあるから、ペットとしてマイナーだったんです。その上繁殖力が高くて販売が追いつかないので、取り扱いをやめることにしました。

 

——あらら……。それは残念でしたね。では、一目惚れしたフクロモモンガはどうでした?

佐藤さん:しょっちゅう「何これ?」っていわれるほど認知度が低かったですね。でもフクロモモンガが可愛い生き物だということに自信があったので、その人懐っこさを生かした販売方法をとったんです。ペットの展示即売会に参加しては、フクロモモンガのデモンストレーションをしながら実演販売をしてみたんですよ。そしたら触れ合うことでどんどん人気が高まっていって、今ではすっかり大人気のペットになりました。

 

 

——戦略が当たったわけですね。でも、フクロモモンガってみんな人懐っこいんですか?

佐藤さん:いえ、うちの場合は自家繁殖しているから、フクロモモンガも人に慣れているんですよ。初めて飼う人は自家繁殖したフクロモモンガをお勧めします。人に慣れていないフクロモモンガを飼うと懐かずに鳴いたり噛んだりしますし、その結果、愛情がわかずお互い不幸になりかねないんですよね。

 

——なるほど……。でも自家繁殖ってすごくないですか?

佐藤さん:今ではフクロモモンガのブリーダーも増えたんですよ。うちには日本では珍しい種類もいるんです。アメリカのブリーダーから突然変異の個体を輸入して、4年かけてその種類の安定繁殖に成功しました。それまでの毛色に当てはまらない、まったく違う種類の「ストロベリノ」というフクロモモンガです。

 

 

——それはすごいですね。でも、お店のどこにもフクロモモンガの姿がないような……。

佐藤さん:フクロモモンガは私にとって大事な子どもみたいなものですから、ふだんは隣の飼育スペースにいてお店には置いていないんです。お客様に「見せてほしい」といわれたら、隣から連れてくるようにしています。オオクワガタに対しても同様で、思い入れが強すぎて実は売りたくないんですよ(笑)。だからあんまり売れないんです。でも、熱意を感じるお客様には託したいと思えますね。

 

外国の生き物を飼うことで、いろいろな興味が刺激される。

——いろいろと日本では珍しい生き物を扱っていますね。そういう生き物の魅力を教えてください。

佐藤さん:外国の生き物って、普段はどんな環境で暮らしているのかよくわからないので、自然の中にいる姿を見に現地へ行ってみたいと思ったりします。実際に行かないまでもいろいろ調べて、その生き物がどんな環境でどんな生活をしているのか学ぶことも楽しいと思いますね。いろいろな興味が刺激されると思います。

 

——最後に、これからペットを飼いたい人に向けてひとことお願いします。

佐藤さん:そうですね。どんな小さな生き物に対しても、愛情を込めて飼育してほしいですね。真剣に向かい合えば、ふだんとは違った世界が見えてくると思います。

 

 

取材中も連れてきたフクロモモンガを愛おしそうに扱っていた佐藤さん。その姿は、我が子に触れるお父さんのようでした。皆さんも生き物を飼う際は、我が子のような愛情をかけてあげてください。くれぐれも無責任な買い方はしないようにお願いします。

 

 

ジャングル・キング

新潟県三条市東新保10-43

0256-36-2955

13:00-19:00(土日曜は10:00-18:00)

火曜休

 

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