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環境にやさしい循環型農業で美味しい米と生乳を作る「なかの牧場」。

先日、牧場で搾ったばかりの生乳でジェラートを作っている、月岡温泉内にある「なちゅらるじぇらーと」を取材しました。そのとき店長の中野さんからいろいろなお話を聞き、どうしても中野さんのご主人がやっている「なかの牧場」も取材したくなったので、今回は牛舎にお邪魔してご主人からお話を聞いてきました。

 

 

なかの牧場

中野 浩一 Koichi Nakano

1977年新発田市生まれ。新潟大学農学部で遺伝子について学ぶ。大学院修了後は就職を考えたものの就職氷河期だったため、実家の「なかの牧場」に就農する。大学時代は大学時代はオリエンテーリング部、天文部に所属していた。

 

自然にやさしい、稲作と酪農の「循環型農業」。

——先日は奥さんのやっている「なちゅらるじぇらーと」を取材させていただき、ありがとうございました。本日はご主人を取材させていただきます、よろしくお願いします。

中野さん:こちらこそ、よろしくお願いします。

 

——早速ですけど「なかの牧場」って、どんな牧場なんですか?

中野さん:もともとは米だけを作っている専業農家だったんですが、50年くらい前に高校を卒業した父が酪農も始めて、今では米の栽培と乳牛の飼育というふたつの分野で奮闘しています。

 

 

——稲作と酪農をふたつもやるのって、大変そうですね……。

中野さん:酪農の仕事は1年中休みがない上に、田んぼの仕事もそこに乗っかってきますから、たしかに大変ではありますねぇ……。でも田んぼの収穫は1年に1回だけど、牛の生乳は1年中出荷できるんですよ。

 

——大変な反面、メリットもちゃんとあるんですね。他にも兼業のメリットってあるんですか?

中野さん:自然にやさしい「循環型農業」ができることですね。農薬や化学肥料をできるだけ使わずに、乳牛の糞や米の籾殻を混ぜたものを発酵させた有機肥料で米づくりをして、その肥料で栽培した牧草やトウモロコシを乳牛に与えて飼育しています。生産調整の田んぼで育てた稲も、牧草代わりに乳牛に与えているんです。

 

 

——自然にやさしくて、さらに美味しいお米までできると。

中野さん:米は、うま味や香り、ツヤ、粘りのどれをとっても自信があります。おかげさまで「特別栽培米」として認定をいただいて、北越後の「金賞米コンテスト」やしばた「米コン」で金賞をいただきました。努力を認めていただけたのは本当に嬉しいですね。

 

生き物を扱う仕事のむずかしさや、よろこび。

——牛は現在、何頭いるんですか?

中野さん:60頭くらいです。

 

——牛たちに美味しい生乳を出してもらうために、どんなことをするんですか?

中野さん:牧草をいっぱい与えて栄養をつけさせていますね。あと牛たちは暑さに弱いので、今ぐらいの夏場には大きな扇風機を24時間回し続けて、牛舎内が暑くならないよう気をつけているんです。とにかく牛たちがストレスをためないよう快適に、健康に過ごせる環境づくりを心掛けていますね。

 

 

——生き物を扱うと、いろいろと気を遣わなきゃいけないんですね。

中野さん:そうですね。牛の世話は365日休むわけにいかないですからね。あと病気やお産のトラブルなんかも大変です。

 

 

——お産のトラブルってけっこう起こるんですか?

中野さん:1年のうちに何頭かはありますね。中には死んでしまうこともあるんです……。

 

——それは辛いですね。ところで、こちらで搾った生乳を使って「なちゅらるじぇらーと」というジェラートショップをやっていますよね。

中野さん:はい。生乳を農協に出荷すると、他の牧場の生乳と混ぜられてしまうんですよ。それは仕方ないことなんですけど、「なかの牧場」としての牛乳を味わってもらいたいという気持ちがあって。それができる唯一の方法が、生乳を使った加工品を作って販売することだったんです。

 

——なるほど、そういうことだったんですね。お客さんにも好評みたいですね。

中野さん:とてもうれしいですね。頑張ってくれている奥さんにも感謝しています。

 

農業をやってきてよかった、と思うこと。

——今後はどんなふうに続けていこうと思っていますか?

中野さん:農家って後継者がいなくて大変なんですよ。高齢化が進んで、やめる農家もたくさんあるんです。酪農家はもっと深刻です。ただ「農家じゃないけど農業をやりたい」という若者もいるので、そういう人たちが農業を始めやすいシステムがあればいいのになぁと思っています。「なかの牧場」でも新しいスタッフを入れるようにして、若返りを図りながら新しいことに取り組んでいきたいですね。

 

——中野さんは農業をやってきてよかったと思っていますか?

中野さん:そうですね。農産物直販所の方から、うちの農産物を買ったお客様がリピートしてくれたっていう話を聞くと、本当にうれしいなと思います。あと小学校から頼まれて、子牛を連れて子どもたちに会いにいくことがあるんですよ。道徳だったり、家庭科だったり、その学校によって授業は様々なんですけど、どの授業でも子どもたちのキラキラした目が迎えてくれて、こんなかたちでも自分のやっていることが社会の役に立てているんだなぁって、うれしくなりますね。

 

 

 

なかの牧場

新潟県新発田市菅谷786-2

0254-29-2698

9:00-18:00

土日曜祝日休

自家製ジェラートは「月岡わくわくファーム」内の直営ショップ、特別栽培米は「わくわくファーム 新発田店・月岡店」で販売中

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