温泉地をサブカルで元気に!? 「せなみん」が瀬波温泉を盛り上げる。

超大物とのコラボも実現。地元若手有志による活性化委員会の取り組み。

眼前に日本海が広がり、日本一夕日が美しいビーチリゾートとして知られる県北・村上市の瀬波温泉。年間約40万人が訪れる県内屈指の温泉地のひとつですが、近年は来訪者数の伸び悩みが課題となっています。そんな状況を打破しようと、同地に在勤・在住する若手有志が数年前に立ち上がりました。「瀬波温泉活性化委員会」です。20~40代の旅館の若旦那や商店主、地元住民ら17人で構成する同委員会は、これまでにない新たな発想で地元の活性化に取り組み、昨年初めに新たなマスコットキャラクター「せなみん」を生み出しました。今年9月にはテーマソング『ね、せなみん』もリリース。同曲はなんと、「マイブーム」や「ゆるキャラ」の提唱者としても知られる日本サブカル界の重鎮・みうらじゅんさんが作詞、「温泉音像作家」のミュージシャン・サワサキヨシヒロさんが作曲を手掛けた「テクノ音頭」で、Amazonでは発売してすぐにCDが品切れとなるなど、早くも瀬波温泉の知名度向上に一役買っています。仕掛け人の同委員会メンバーに、実現までの経緯や秘話などについて伺いました。

 

瀬波温泉活性化委員会

渡邉 正樹 Masaki Watanabe

1974年村上市生まれ。瀬波温泉に長年勤め、同地から見える夕日について精通する「夕日ソムリエ」の称号も持つ。活性化委員会メンバーとして様々な企画を立案・実行するアイデアマン。2児の父であり、実はフジロッカーでもある。

 

せなみん Senamin

瀬波温泉の新たなマスコットキャラクターとして、2018年正月にデビュー。年齢、性別不詳だが、誕生日は瀬波温泉の開湯日にちなんで4月9日。趣味は夕日観賞で、密かな野望は紅白歌合戦出場。

 

「ゆるキャラ」生みの親に作詞を依頼。ある日、手書きのpdfが…

――本日はよろしくお願いします。『ね、せなみん』、話題のようですね。

渡邉さん:ありがとうございます。音楽ニュースサイトで採り上げてもらい、サワサキさんご本人、みうらさん事務所の公式SNSでも紹介してもらいました。CDはAmazonで品切れ(※10月5日時点)となっていますが、各ダウンロードサイトで購入できますし、Spotifyでも聴くことができます。CDはもうすぐ瀬波温泉の旅館やお土産屋にも並ぶ予定です。

 

――大物とのコラボが実現しましたね。

渡邉さん:そうですね。自分はもともと音楽好きで、サワサキさんもSNSでフォローしていたんです。サワサキさんは大の温泉フリークとしても有名で、「温泉音像作家」という名前でも活動なさっていたので、テーマソングを作る話になった際、真っ先にお願いしたら、二つ返事でOKしていただいて。それで去年の7月ころ、ご本人を瀬波温泉にお招きして、曲の構想を練ってもらいました。サワサキさんご本人も、温泉地のテーマソングを作ること自体は初めてとのことです。

 

 

――作詞をみうらさんが手掛けた経緯は?

渡邉さん:作曲・サワサキさんと作詞・みうらさんのコンビは以前にも、橋幸夫さんの『ゆるキャラ音頭』(2009年)を手掛けているんですよ。今回もサワサキさんは当初から「作詞はみうらさんにやってもらう」って。それでこちらでみうらさんの事務所に企画書と瀬波温泉の資料を送ったら、すんなりOKで。サワサキさんの曲も、みうらさんの詞も、すぐに来ました。こう言っては失礼かもしれませんが、「さすがプロは仕事が早いなぁ」って(笑)。ちなみにみうらさんの詞は、直筆の手書きのものがpdfで届きました。

 

 

――なんだかイメージ通りですね(笑)。出来上がった曲を最初に聴いた時はいかがでしたか?

渡邉さん:それはもう感動しました。まずは瀬波温泉のことを曲にしてくれてる!って、単純にいち音楽ファンとして。

 

――周りの反応はいかがですか?

渡邉さん:聴いてもらえれば分かると思いますが、かなり中毒性の高い曲になっています。一度聴くと、ずっと頭の中をグルグル回り続ける。うちの子どもなんか、家でかけていたのでここしばらくループで歌い続けていますね(笑)。先日も地元のイベントで紹介を兼ねてかけてもらったんですが、「頭から離れないから一枚くれ」っていう人も少なからずいて(笑)。

 

――大成功ですね(笑)。

 

由緒正しい先輩キャラをアップデート。「せなみん」誕生秘話。

――そもそも、「せなみん」を生み出したのはどんな思いから?

渡邉さん:もともと瀬波温泉には「コンコンちゃん」っていうキツネのマスコットキャラがいたんです。今から115年前の開湯時にキツネが鳴いたことにちなむ、由緒正しいキャラなのですが、いかんせん地元でも知名度があまりなくて(苦笑)。ならばせっかく夕日が有名なのでそれをモチーフに新しいキャラを作ろうってことになって。ちょうど「ゆるキャラ」が全国的にブームになっていて、村上市でも「サケリン」というマスコットが誕生していたこともあり。ちなみに「せなみん」は年齢・性別不詳ですが、「サケリン」に片想いしている、という設定があります(笑)。

 

――デザインは公募ですか?

渡邉さん:いえ、地元のアマチュアデザイナーの方にいくつか案をつくってもらって、そこからブラッシュアップして決めました。いま改めて当時の候補を見てみると、謎なものも多いですね。なんでタコなんだっけ?、みたいな(笑)。今の方向性にまとまってからも、瀬波の海岸から見える佐渡と粟島を足にしてみたりと色々試行錯誤がありました。名前は一般公募です。

 

 

――これまで「せなみん」はどんな場面で活躍していますか?

渡邉さん:瀬波温泉の絡むイベントやPRには、だいたい登場するようにしています。雨や風があまりにも強い場合はNGですけど。村上市内で最大震度6強を記録した6月の山形沖地震では幸い瀬波温泉にほとんど被害がなかったんですけど、風評被害は少なからず受けた面もあるので、その完全払拭のためにも、さらに活躍してもらいたいですね。

 

――ちなみに着ぐるみの制作って率直においくらぐらいかかるものなんですか?

渡邉さん:いきなりですね(笑)。80万円くらいですね。

 

――ちなみに、楽曲制作は?

渡邉さん:ヒミツです(笑)。でも、着ぐるみ制作以上ではありますね。

 

夢は紅白出場! 知ってもらうだけでなく、足を運んでもらう取り組みを。

――「せなみん」関係以外で、活性化委員会ではどんな事業を?

渡邉さん:「夏の夕日感謝祭」という誘客イベントの実施に携ったり、「恋人の聖地」として認定を受けている海岸の一角にハート型の花壇を整備したり、温泉街にイルミネーションを点けたりですね。

 

――今後はどんな活動を?

渡邉さん:今回できたテーマソングを、もっと地元内外に広めたいですね。せっかく音頭になっているので、歌ってもらうとともに踊ってももらいたいな、と。

 

 

――「せなみん」の着ぐるみでも踊れるような振り付けが必要そうですね。

渡邉さん:そ、そうかもしれない…(笑)。今後は振り付けも考えて、動画をYoutubeにアップできたらいいですね。

 

――ちなみに「せなみん」の設定に、「夢は紅白出場」とありますが…。

渡邉さん:そうなったらいいですね…。サワサキさんとみうらさんのおかげで、これまで瀬波温泉という温泉地を知らなかった方にも存在を知ってもらえたと思うので、次は実際に足を運んでもらい、瀬波温泉を満喫してもらいたいと思います。そのために今後も、様々なことを仕掛けていきたいですね。この記事を読んでいる方も、ぜひ瀬波温泉まで遊びに来て下さい!

 

――本日はありがとうございました。

 

 

 

 

瀬波温泉


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