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「(仮想)みずとつちの芸術祭2020」の総合ディレクター「平岩史行」。

「水と土の芸術祭」が市民主導で復活。

新潟市が3年に一度開催してきた「水と土の芸術祭」は、2018年を最後に幕を閉じることになりました。その「水と土の芸術祭」を行政主導から市民主導の芸術祭へ、今年7月から「(仮想)みずとつちの芸術祭2020」として復活させた人がいます。総合ディレクターの平岩史行さんです。今回は平岩さんと芸術祭の関わりや芸術祭の意義について、いろいろお話を聞いてきました。

 

 

(仮想)みずとつちの芸術祭2020

平岩 史行 Fumiyuki Hiraiwa

1982年新潟市北区生まれ。第1回目の水と土の芸術祭に感動して以来、水と土の芸術祭2018副実行委員長や水と土の芸術祭市民サポーターズなど様々な市民活動に関わり続ける。今年7月より開催されている「(仮想)みずとつちの芸術祭2020」では総合ディレクターを務める。趣味は芸術鑑賞、スノーボード、読書、スポーツ観戦、旅⾏と幅広い。

 

「水と土の芸術祭」に感動してボランティアスタッフに。

——まず最初に「水と土の芸術祭」について教えてください。

平岩さん:「水と土の芸術祭」は2009年から新潟市で3年ごとに開催されてきた市民芸術祭です。「私たちはどこから来て、どこへ行くのか〜新潟の水と土から、過去と現在(いま)を見つめ、未来を考える〜」というのがコンセプトになっていて、様々な作家さんや市民団体が、テーマに沿った作品を作って展示する芸術祭なんです。新潟市の歴史や文化を掘り起こして、新潟市民ひとりひとりが何をするべきか考えるとてもいい機会だと思うんですよ。

 

——平岩さんはどうして「⽔と⼟の芸術祭」に関わるようになったんですか?

平岩さん:2009 年に第1回⽬の「⽔と⼟の芸術祭」が開催されたとき、新潟市でこんなに⼤規模な芸術祭が開催されるってことに感動したんですよ。全部の作品を⾒て回って、いつか⾃分も関わってみたいと思っていました。第2回⽬の芸術祭で「アイヌの歌と踊り」というパフォーマンス企画に感動して、会場で募集していたボランティアスタッフにその場で申込んだんです。「阿賀に⽣きる」の上映会や市⺠プロジェクト記録集の出版。

 

「阿賀に生きる」の上映会や市民プロジェクト記録集の出版。

——ボランティアスタッフになってから、どんな活動をしてきたんですか?

平岩さん:⼿伝ったのはメイン会場内にあったカモメシアターでおこなわれた「阿賀に⽣きる」の上映会です。これは佐藤真監督によるドキュメンタリー作品で、新潟⽔俣病をテーマの根底に据えたものなんです。私はこの上映会をきっかけに、「阿賀野川遡上計画」を立ち上げ、松浜から始めて阿賀野川沿いのいろんな会場で「阿賀に⽣きる」の上映会を開催してました。最後は新潟⽔俣病発症50周年の2015年5⽉31⽇に⿅瀬で上映したんです。

 

——他にはどんな活動をしているんですか?

平岩さん:2013年からは「みずつちサポーターズ」に参加して、「水と土の芸術祭」はもちろん、新潟市内で開催される文化活動や市民イベントのサポートをしてきました。市民プロジェクトをやっている人や団体同士をつなげるような活動とかもしています。

 

——ところで市⺠プロジェクトってどういうものなんでしょうか?

平岩さん:⼀般の新潟市⺠が⾃分たちで企画して芸術祭の中で表現する作品やパフォーマンス等なんです。これって世界的に⾒ても稀なことで、とってもすごいことなんですよ。にもかかわらず、公式ガイドブックできちんと紹介されてなかったんです。すごくもったいないことだと思ったので、⾃分たちでお⾦を集めて市⺠プロジェクトの記録集を出版したんです。

 

——⾃分たちで出版しちゃったんですか?

平岩さん:はい。クラウドファンディングで同じ思いの⼈たちに呼びかけて、お⾦を集めてなんとか出版しました。それを⾒た県外のアート関係者たちからも「新潟はすごいことをしている」っていう反響をいただきました。市⺠プロジェクトのことをいろんな⼈に知ってもらえたので、出版してよかったと思っています。

 

市⺠が主導する芸術祭の第⼀歩「(仮想)みずとつちの芸術祭」。

——「⽔と⼟の芸術祭」って今後は開催されないんですか?

平岩さん:2018 年の「⽔と⼟の芸術祭」閉会式で篠⽥前新潟市⻑が「今回で幕引き」って宣⾔しましたからね。私はそのすぐ後で副実⾏委員⻑として閉会の挨拶をさせてもらったんですが、「今後は市⺠主導で『⽔と⼟の芸術祭』を続けて⾏きます」って⾔っちゃったんですよ。

 

——じゃあ、後に引けなくなっちゃったわけですね。

平岩さん:宣⾔したものの仕事の忙しさもあってなかなか準備できなくて、どうしたらお⾦もスタッフも少ない中で芸術祭を形にできるんだろうと考えました。それで、市⺠プロジェクトを⾏う市⺠、ギャラリー、企業とかを巻き込んでそれぞれを連動させることができれば芸術祭が開催できると思ったんです。

 

——それで開催したのが「(仮想)みずとつちの芸術祭2020」なんですね。

平岩さん:はい。今回は試験的におこなうバーチャルな⾊合いの強いものなので「(仮想)」とつけることにしました。時間のない中でいろいろな⽅に作品制作の依頼をして、いろいろな⽅のアイデアをジグソーパズルみたいに掛け合わせて実現することができたんです。今回協⼒してくれたみなさんには本当に感謝しています。

 

——見覚えのある作品もあるような気がするんですが…。

平岩さん:過去の作品も展示しているんです。今回は過去の芸術祭と未来の芸術祭の中間ということで、過去と未来を結ぶ最初の一歩だと思っています。過去の作品を展示するに当たって新潟市にもいろいろとご協力をいただきました。

 

新潟市民が新潟を見直し魅力に気づくための芸術祭。

——「水と土の芸術祭」や市民活動に関わってきて、新潟市の魅力ってどんなところだと思いますか?

平岩さん:文化、歴史、地形、風土、人間性…そのどれをとっても新潟市って魅力がある街なんです。でもよく聞くのは「新潟市にはなんにもない」って言葉なんですよね。「広報や発信が苦手」という意見もよく聞きます。でも僕はそうじゃないと思うんですよね。市民ひとりひとりの自信や誇りが足りないんじゃないかって思います。もっと自分の足元をよく見て新潟の魅力を知ってもらって、自信を持ってほしいと思うんです。

 

——新潟市に住んでるのに新潟市をよく知らない人が多いっていうことでしょうか?

平岩さん:そうですね。たとえば「新潟市に砂丘がある」っていうと、びっくりする人も多いんですよね。でも新潟市の海側の街はほとんど砂丘なわけです。そういうことを知る機会のひとつが「水と土の芸術祭」なんじゃないかって思うんです。

 

——今後も市⺠主導の「⽔と⼟の芸術祭」を続けていくんですよね?

平岩さん:はい。でも今後は私たちだけがやるんじゃなくて、新潟市⺠のみなさんにどんどん乗っかってきてほしいんですよ。べつに特別なことじゃないし、特別なことをしなくていいんです。ただ⼀緒に新潟や芸術祭を楽しんでほしいんです。⽬標は新潟市⺠全員が表現者として参加してくれることなんです。

 

 

第1回目の「水と土の芸術祭」を見て以来、その意義に共感してボランティアとして関わり続けてきた平岩さん。今回は総合ディレクターとして市民主導の「(仮想)みずとつちの芸術祭」を開催しました。今後、新潟市民がどんどんと参加することで芸術祭が盛り上がり、多くの人が新潟市の魅力に気づいてくれるといいですね。

 

▼「(仮想)みずとつちの芸術祭」
2020年7月18日〜9月27日
メイン会場:新潟市芸術創造村・国際青少年センター(ゆいぽーと)
サブ会場:西堀ローサ内 よろっtoローサ、SHOP「ハアフーフ」、みずつち情報横丁 等
https://2020.mizutsuchi.com/

 

⽔と⼟の芸術祭市⺠サポータズ (平岩 史行)

080-3142-1684

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