Things

着物を普段着のように着て欲しい。「レンタルきもの屋まゆ」の取り組み。

皆さんは普段、着物を着る機会ってありますか? 着付には手間がかかる、というイメージが強く、卒業式や成人式、結婚式といった特別な日以来、もうしばらく袖を通していないという人も少なくないのではないでしょうか。「着物を普段着のように着てほしい」という思いで、気軽に着物の貸し出しをしているのが「レンタルきもの屋まゆ」です。今回はオーナーのきぶしさんから、着物の魅力や楽しい着方についてお話を聞いてきました。

 

 

レンタルきもの屋まゆ

きぶし まゆみ Mayumi Kibushi

1973年新潟市秋葉区生まれ。新潟市内の短大で家庭科の教員免許を取得。卒業後、アパレル会社、求人会社、子どもシェルターで働きながら、趣味として着物のコレクションを続ける。2017年「レンタルきもの屋まゆ」として無店舗の着物レンタルを始める。とにかく布が好き。趣味は手芸全般。

 

ミシンで自作した真っ白な振袖を着た成人式。

——きぶしさんは無店舗で着物のレンタルをされているんですよね? 着物には昔から興味があったんですか?

きぶしさん:そうですね。小学生の頃から着物に興味がありました。家にあった和ダンスから帯締めや帯揚げを引っ張り出しては、体に巻きつけた姿を鏡台に映して、ひとりファッションショーをやっていましたね(笑)。

 

——外で着物を実際に着る機会というのはありましたか?

きぶしさん:普段はなかなか着物を着る機会はなかったですね。ただ成人式は振袖を着て出席しました。真っ白な振袖を着て出席したかったんですが、なかなか思うような振袖がなかったので、ミシンを使って自分で縫ったんですよ。最初に勤めた会社の初任給をもらった頃から、着付教室にも通い始めました。

 

 

——成人式に着る振袖を自作ですか! もしかして、お仕事も着物関係だったんでしょうか?

きぶしさん:いえ、和服じゃなくて洋服の方の仕事をしていました。アパレル系の企画開発をしていたんです。ちょっと変わった仕事で、社長がお客様のところに行く前に私のところに寄って、自分が作りたい洋服のイメージを話すんです。それをどうしたら作れるのかアイデアを提案するという……。まるで社長専属の企画開発スタッフでしたね(笑)

 

——それだけ信頼されていたってことですよね。でも和服じゃなくて洋服だったんですね(笑)

きぶしさん:そうなんです。着物はもっぱら趣味でしたね。オーストラリアのシドニーに語学留学したときは着物を3着持っていって、1着はホストファミリーにプレゼントして、残り2着はホームパーティーで着ていました。みんな喜んでくれて嬉しかったですね。

 

自分のテンションを高めてくれる、着物の魅力。

——どうして着物レンタルを始めようと思ったんですか?

きぶしさん:2015年から「子どもシェルター」っていう施設で働き始めたんです。虐待を受けている子どもの駆け込み寺的な児童福祉施設で、自炊や勉強といった生活のサポートや、子どもとのコミュニケーションが仕事でした。子どもたちと触れ合ううちに、「成人式には晴れ着を着せてあげたい」と思うようになって、個人的に振袖を集め始めたんです。いろんな人に声をかけて、おかげさまで10着くらいの振袖が集まりました。振袖以外の着物もたくさん集まったんですけど、たくさんの着物を自分ひとりで楽しむのはもったいないなと思って、2017年から「レンタルきもの屋まゆ」を始めたんです。

 

 

——どんなときに着物をレンタルする人が多いんでしょうか?

きぶしさん:自分へのご褒美とか、テンションを上げたいときに着物を着る人が多いですよ。例えばお友達同士で高級な和食屋さんやお寿司屋さんに行くときなんかに、着物を着て気分を高めたり、日本庭園や古い町並を散策して、お友達と写真の撮り合いっこをする人たちもいますね。

 

——まず気持ちが上がるのがいい、と。

きぶしさん:「レンタル着物はコスパがいい」って言われたことがあるんです。まず鏡に映った着物姿の自分を見て気分が上がり、外出すればいろんな人から話しかけられ、撮影した着物姿の写真をSNSに投稿すると反響があるんだそうです。「レンタル料だけで、これだけ自己肯定感が上がるのはコスパがいい」って喜んでもらえましたね。

 

——なるほど。きぶしさんは着付するときに気をつけていることってあるんですか?

きぶしさん:私自身、窮屈で苦しい着付が嫌いだから、苦しくならないように着付をしています。でも、そうすると着崩れしやすくなってしまうんですよね。だから苦しくなく着崩れしにくい、ギリギリのラインで着付けるよう心がけていますね。あと、初めての方だとお会いするまで相手の体型がわからないから、いろいろな想定をして万全な準備をするようにしていますね。

 

——着物の魅力ってどんなところだと思いますか?

きぶしさん:日本ならではの和柄の可愛さがありますよね。そして柄と柄を組み合わせて楽しむことができるのって、洋服ではできない和服ならではの楽しみ方だと思います。何よりも着た人の気分を上げてくれて、笑顔にしてくれるのが着物の魅力だと思いますね。

 

着物を着て写真を撮る、そんな部活動。

——今後やってみたいことってあるんでしょうか?

きぶしさん:「奇跡の一枚を撮る」っていう名の、着物で自撮りをする部活動を始めようかなって思っています。着物を着て写真撮影会をするんですが、構図の勉強をしたり、加工や補正をしたりして、写真作品を作ってSNSに投稿したりするんです。着物を着るだけじゃなくて写真を撮影することで、より自己肯定感を上げることができるし、フォトセラピーみたいな効果も期待できるんじゃないでしょうか。

 

 

普段はなかなか着る機会の少ない着物を着ることで、周りの人たちからの注目を集めることができ、自分の気分を上げることができるのだそうです。皆さんもちょっと贅沢をしたいときや、自分のモチベーションを上げたいときは、着物をレンタルしてみてはいかがでしょうか。

 

 

レンタルきもの屋まゆ

10:00-18:00

不定休

 

  • She
  • Things×セキスイハイム 住宅のプロが教える、ゼロからはじめる家づくり。
  • 僕らの工場
  • 僕らのソウルフード


TOP