動物たちの幸せを願う「新潟市動物ふれあいセンター」の飼育スタッフ。
その他
2022.12.21
コロナ禍で在宅時間が増え、ペットを飼う人が増えたという話を聞きます。その一方で様々な理由によって飼い主を失い、保護される犬や猫も後を絶ちません。「新潟市ふれあい動物センター」では動物とのふれあい体験の他に、保護された動物の譲渡活動も行なっています。今回は動物たちをお世話している、飼育スタッフの神林さんにお話を聞いてきました。


新潟市動物ふれあいセンター
神林 美鈴 Misuzu Kanbayashi
1993年柏崎市生まれ。3歳で新潟市に移り住み、「国際ペットワールド専門学校」の動物看護学科を卒業後、2014年に「新潟市動物ふれあいセンター」へ就職。飼育スタッフとして犬、猫、うさぎ、モルモット、カピパラの飼育管理を担当している。学生時代から「ももいろクローバーZ」を応援しているモノノフで高城れに推し。来年開催される「愛玩動物看護師」の国家資格取得試験に向けて勉強中。
子どもの頃からの夢を叶え、動物の飼育スタッフに。
——まずは「新潟市動物ふれあいセンター」が、どんな施設なのか教えてください。
神林さん:動物たちとの触れ合いを通して、人と動物の正しい関わり合い、優しさや思いやりを学ぶ施設です。新潟市保健所に保護された動物たちの、新しい飼い主を探す譲渡活動にも協力しています。
——ちなみに、どんな動物と触れ合うことができるんですか?
神林さん:保健所に保護された犬や猫の他、うさぎ、モルモット、カピパラ、ひつじ、やぎ、アルパカ、ポニーがいます。
——いろいろな動物を飼育しているんですね。神林さんはどういういきさつでこちらで働くことになったんですか?
神林さん:私は子どもの頃から動物が好きで、飼育に携わる仕事がしたかったんです。お菓子作りも好きだったので、どっちの仕事を目指すか迷ったんですけど、最終的には動物に関わる仕事を選んで「国際ペットワールド専門学校」の動物看護学科に入学しました。卒業する頃にタイミングよく新潟市動物ふれあいセンターの求人募集に出会い、卒業と同時に入社したんです。

——こちらでは、どんな業務を担当されているんでしょうか?
神林さん:この施設で暮らしている、犬、猫、うさぎ、モルモット、カピパラといった、ふれあい動物たちの飼育管理やイベント運営、保護された犬や猫の譲渡活動を担当しています。
——そうした動物たちを飼育する際に、気をつけていることがあったら教えてください。
神林さん:人間だったら体調不良を言葉で訴えることができるんですけど、動物たちはそれができませんから、よく観察して異変を早めに発見するようにしています。ご飯をなかなか食べなかったり、食べ残したりするときは気をつけていますし、排泄物も体調管理の目安になるんです。うさぎやモルモットは寿命の短い動物なので、何度か死に直面する辛さを味わってきましたが、それを乗り越えて成長してこられたと思います。
——生き物を相手にしているからこその難しさですね。動物たちと触れ合うときのポイントも教えてもらえますか?
神林さん:アルパカは攻撃するときにツバをかけてくる習性があるので、触れ合うときは気をつけてほしいですね。特にエサやり体験で怖がってなかなかエサをあげられずにいると、イライラしたアルパカがツバをかけてくることがあります。カピパラは警戒すると鼻を鳴らすんです。私も以前はよく鳴らされていました(笑)。反対に毛が逆立っているときは気持ちがいいときなんです。どの動物に対しても相手の嫌がることをしないで、優しく接していただきたいですね。

——動物ごとに習性も違うんですね。それにしても、モルモットはユニークな名前がつけられているんですね。
神林さん:新潟にゆかりのあるもので名前をつけているんです。「ぽっぽ」はポッポ焼き、「よもぎ」は笹団子の材料、「みかづき」は「イタリアン」の……(笑)。ちなみに「ぽんしゅ」は私の命名です。「まいたけ」は人懐っこいので人気があって、わざわざ会いに来てくれるファンまでいるんですよ。
——アイドルじゃないですか(笑)。ところで、イベントというのはどんなことをするんでしょうか。
神林さん:保護猫のお部屋に入ってもらって猫たちの紹介をしたり、うさぎやモルモットの触れ合いやエサやり体験、アルパカのエサやり体験や撮影会を開催しています。ただ常時やっているわけではないので、開催日時はホームページやお電話で確認していただきたいですね。

保護された犬や猫の幸せを願う日々。
——保護された犬や猫の譲渡活動についても教えてください。
神林さん:基本的に休館日以外は毎日開催しているんですけど、事前に申し込みをしていただく必要があるんです。まずは申込用紙に必要事項を記入していただきます。学生を除く18歳から65歳の方が対象で、集合住宅にお住まいの場合は犬や猫を飼ってもいいという管理規約も提出していただきます。また何かの事情で飼えなくなってしまったときのために、引き続き面倒を見てくれる後見人も必ずご用意していただきます。その記入が終わったら窓口か郵送、ファックスでご提出いただき、審査後に譲渡会へ参加していただく流れです。
——ひやかし程度の軽い気持ちでは参加できないわけですね。保護猫のなかで神林さんおすすめの子っているんですか?
神林さん:そうですねぇ……。今いるなかではキジトラの「しゅうじ」ですね。大人猫って敬遠されがちなんですけど、子猫と違っておとなしいし、人間慣れしていてしつけもできている子が多いので、はじめて猫を飼う方にはおすすめなんですよ。「しゅうじ」は甘えん坊でかわいいところもありますね。

——確かに落ち着いていて「しゅうじ」と触れ合っていると癒されますね。保護猫の多い時期と少ない時期ってあるんですか?
神林さん:4月から5月にかけては新しいお家に迎えられた後で、部屋が空っぽになる時期もあります。夏前になると春に生まれた子が保護されてきて、最大で20匹くらい保護している時期もありますね。ただ、ここ最近は保健所からくる子猫の数は減ってきているように感じます。
——それはどうしてなんでしょう?
神林さん:今年の6月からブリーダーやペットショップで販売される犬や猫に、飼い主の情報を記録したマイクロチップの装着が義務化されたことも原因なのかもしれません。譲渡された犬や猫についても、できれば装着するようしていただきたいですね。脱走しないように気をつけていても、災害が起こってはぐれてしまう可能性もありますから……。
——犬や猫の譲渡に携わってきて、喜びを感じることはありますか?
神林さん:保護している子が新しいお家に迎えられると嬉しいですね。譲渡された子たちは実績を貼り出したり、「幸せ帳」にまとめているんです。新しい飼い主さんから「うちのコ自慢」という新生活の近況報告もしていただいていて、かわいがられている様子が伝わってくると安心します。なかにはお手紙を書いてくださる方もいて、そんなときはこの仕事に就いてよかったと思いますね。

——これから動物を飼いたい人に向けて、メッセージをお願いします。
神林さん:生命のあるものですから、最後まで責任を持ってかわいがってあげてほしいですね。そのためにも飼う動物についてはよく勉強して、飼ってから「こんなはずじゃなかった」と思わないようにしていただきたいです。あと、前に飼っていた子と比べないようにしてほしいです。犬や猫も人間と同じでそれぞれ体質も個性も違いますからね。犬や猫を飼いたい方はぜひ譲渡会にお申し込みいただきたいですし、ご近所で飼いたいと思っている方がいましたら「新潟市動物ふれあいセンター」をご紹介くださいね。

新潟市動物ふれあいセンター
新潟市中央区清五郎345-1(いくとぴあ食花内)
025-283-1192
9:00-17:00
不定休
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