移転後も変わらない味。本場長崎のちゃんぽん麺の店「五泉満々」。
食べる
2025.01.16
以前古町エリアにあったちゃんぽん麺と皿うどんのお店「和華蘭亭」が五泉に移転し、「五泉満々」としてリニューアルしました。店主も以前と変わらず、パワフルな山島さん。移転の理由や活力の源など、いろいろとお話を聞いてきました。

五泉満々
山島 繁幸 Shigeyuki Yamashima
長崎で食べたちゃんぽん麺に感動し、2015年に埼玉県で「和華蘭亭」をはじめる。2021年の春に新潟へ移住し、同年10月に「和華蘭亭」を再スタート。2024年5月に五泉市に移転し、「五泉満々」としてリニューアルオープン。

「ゆったり営業したい」と五泉へ移る。
――古町の「和華蘭亭」さんがいつのまにか違うお店になっていたので、山島さんがどうされたのか気になっていました。
山島さん:それはどうもありがとうございます(笑)。「和華蘭亭」は、2023年の9月に閉めたんです。それから素晴らしいご縁に導かれて、拠点を五泉に移しました。そこで店名を変えてちゃんぽん麺のお店をはじめれば、皆さんに知られることなくひっそりと営業できると思ったんです。でも、すぐにバレました。
――以前は広いお店でしたもんね。ゆったりと営業されたいというお気持ちがわかるような気がします。
山島さん:そう、席数が多かったんですよ。それに古町という場所柄、遅い時間にいらっしゃるお客さまも多いでしょう。ひとりで切り盛りするのがしんどくなっちゃって。「伝統的な長崎のちゃんぽんの味をお伝えしたい」という気持ちばっかりで、お金儲けをしようなんて気持ちはありません。楽しんで仕事ができれば、それで十分。

――営業を休止している期間は、うずうずしませんでした?
山島さん:ホッとできる時間でしたよ。休んでいる間に裏庭を整地して、野菜やお花を植えてみました。でも素人ですから上手にできなくて。やっぱり農家さんは大変なことをしていらっしゃいますね。今度は果物の木を植えてみようと思っているんです。でも実がなるのは、何年も先。生きているうちにそれが食べられるかわかりません。そんなバカなことをやって楽しんでるんです、ワハハ(笑)
――五泉では、今までとちょっと違う日々を送っていらっしゃるんですね。
山島さん:これまでいろいろな仕事をして、いろいろな場所で暮らしてきました。「どこかに懐かしい故郷がある」なんて感覚はまったくないんですよ。どこでも住めるし、どこでも眠れる人間です。五泉に移るまで20年ほどひとり住まいでしたけど、ちっとも寂しくなかったですしね。でも、この町内の皆さんはほんとうにいい方ばかりで、気を遣うことなくすぐに馴染めたんですよ。こんなご近所付き合いに恵まれたことはありがたいですよ。

ストレスなく常にポジティブ。山島さんの生き方、考え方。
――改めてお店のことを教えてください。本場長崎の味が楽しめるんですよね。
山島さん:本場長崎のちゃんぽん麺、皿うどんには「唐灰汁麺(とうあくめん)」という特別な麺を使っています。長崎県外にはほとんど流通していない食材ですが、以前営業していた「和華蘭亭」はもちろん、今の「五泉満々」でもその「唐灰汁麺」を使って、本場の調味料、本場の調理法で長崎の味をお届けしています。
――山島さんのこれまでのご経験で、長崎とのつながりが生まれたんですよね。
山島さん:東京のデパートで長崎の物産展に携わったり、いろいろなことをしてきました。長崎のちゃんぽんの名店で修業をしたんですけど、そのお店のオーナーからは「山島さんの味は山島さんが作り上げてきたものなんだから」と言ってもらいまして。前歴がどうこうというのはあまりご紹介しなくてもいいかなと思っています。

――今はどんな営業スタイルなんですか?
山島さん:営業は金、土、日、月だけ。それ以外の日は、天気がよかったら裏の庭で草むしりです。草むしり、いいですよ。作業した分だけ庭がきれいになるんだもん。快感ですね。土いじりや畑作業を嫌がる人はいるでしょうけど、私はもう歳ですから。歳のせいで、何をしても「楽しい」と思えるんでしょうね。
――その活力の秘密を知りたいです。
山島さん:まったくストレスがないし、ポジティブだから。お客さまから「美味しかった」「また来るね」って声をかけていただくことは、料理を作る上での喜びのひとつです。ただそれだけじゃなくて、「長崎の伝統的なちゃんぽんを作らなくちゃ」ってたえず頭を働かせているんですよ。何度も味見をして「味に狂いはないか」と集中してね。

ファンのクチコミで、行列ができることも。
――移転後の反響はどうでしょう?
山島さん:「おかげさまで」と言っていいのか、行列ができる日もあります。「長崎のちゃんぽんといえば、あそこしかないだろう」と見つけてくださる方が多いんでしょうね。「あ、親父さんだ」っていう具合です。「古町の『和華蘭亭』が五泉へ移転したようだ」という記事がネットにあると教えてもらったこともありました。僕はスマホをそれほどかまわないもんだから、そういう話を聞いてびっくりしました。

――今の時代が山島さんをゆっくりとはさせてくれなかったわけですね(笑)
山島さん:世の中の進歩とともに、悪いことはできないということです(笑)
――これからの活躍も期待していますね。
山島さん:まだまだ10年くらいは続けようと思っていますよ。生きているうちに本場のちゃんぽんをベースに、五泉の名物を作りたいと思っていましてね。もしかしたらお饅頭かもしれないし、何になるかわかりませんけれど。そんなことばかり考えているから、年を取る暇なんてないんです(笑)

五泉市東本町2-5-2
tel/0250-47-4188
定休日/火曜日、水曜日、木曜日
営業時間/11:30~14:00
Advertisement
関連記事
食べる
本格的なフレンチとお酒がカジュアルに楽しめる「UNE HUIT CAFE」。
2023.05.03
食べる
本格的で家庭的なハンバーガーを楽しむ「LEATHER TRAMP KITCHEN」。
2021.04.23
食べる
秘伝のタレにくぐらせた天ぷらをじっくり味わう「coroKappes」の天丼。
2024.02.17
食べる
自家製ストレート麺で作る五目ラーメンが人気の「中華飯店 永楽」。
2022.05.30
カフェ, 食べる
カフェだけど、花屋さん。地元野菜が美味しい「なごみ庵 花茶花茶」。
2020.04.02
食べる
カレー好きの夫婦がはじめる「カレーとごまどうふの店 石本商店」。
2020.06.30
新しい記事
その他
「整体コラボスペース リソラボ」で
やりたいことを、思いっきり。
2025.12.15
Things写真館
[Things写真館]Photo Studio またね photographer 吉田尚人 #03
PR | 2025.12.15
カルチャー
オリジナルZINEが活動の原動力。
移動本屋「いと本」
2025.12.14
カフェ
海沿いの小さな田舎町で
暮らしと人々をつなぐカフェ「絲と糸」
2025.12.13
カフェ
ガラス作家が店長を務める、
「1DAY シフォンカフェ」
2025.12.12
食べる
新潟県産の米粉や食材でつくる
「新郷屋」のもっちりたい焼き。
2025.12.11


