今回ご紹介する長岡の古着屋「leave me alone」は、かつて雀荘だった空間をリノベーションし、今年の2月にオープンしたばかりのお店です。以前Thingsで紹介した「Yoin」と同じ建物内にあり、無機質な壁に囲まれた店内インテリアが特徴だとか。いったいどんな古着のラインナップを扱っているのか、お店を運営する3人のメンバーにいろいろと話を聞いてきました。
leave me alone
Nad Kajiwara
大阪府出身。友人と開催したイベントが大きな反響を呼び、その後いくつかのポップアップに参加。2022年2月に「leave me alone」を開店。
leave me alone
Mimura Shota
大阪府出身。趣味は漫画とアニメ鑑賞。
leave me alone
ヨコサワ ソラ
山形県出身。趣味はスケートと音楽鑑賞。
――まず、みなさんが古着にハマった理由から教えて下さい。
Mimuraさん:僕の通っていた高校は私服制だったので、学校へ着ていくための服を探しにアメ村へ行ったのがきっかけでした。最初は「ユニクロ以外のものが着たい」くらいの気持ちだったんですけど、通っているうちに古着にしかない魅力に惹かれるようになって、気がついたら好きになっていましたね。
Kajiwaraさん:僕は大阪出身なんですけど、大阪にある中崎町という場所に行ったことがきっかけでした。その町のゆったりとした雰囲気が好きで、音楽やアート、洋服を扱うお店によく通っていました。そこで古着にも出会って、徐々にハマっていきましたね。
ヨコサワさん:僕は高校がバイト禁止だったので、なるべく安く揃えるためにセカンドストリートに行ったんです。そうしたら見たことのない洋服がたくさんあって、自分に似合うものを探すのが、なんだか宝探しをしているみたいで楽しかったんですよね。
――皆さんはもともと仲がよかったんでしょうか?
Kajiwaraさん:いえ、最初は誰とも面識がなくて、僕が大学へ入学した年にたまたまインスタでミムラを見つけて知り合いました。ヨコサワとは、ひょんなことから一緒に遊ぶようになって、それからの付き合いになります。
――お店をはじめることになったのは?
Kajiwaraさん:知り合ったときから各々「なにかやりたい」という気持ちがあって、「じゃあ自分たちでイベントを開こう」ということになったんです。そのイベントではDJをしたり、ライブペイントをしたり、古着のフリマもやったりしていました。なかでもフリマの反響がすごくて、何度目かのイベントのとき、「古着屋を開いてみない?」って話をもらったんですよね。それがきっかけとなってこの店を開くことにしました。
――お店を開くことに不安はありませんでしたか?
Kajiwaraさん:ありました。でも、回を重ねるごとに古着を見に来てくれる人が増えていたし、いくつかのお店から「うちでポップアップしない?」と声をかけてもらって、その度に協力してくれる人も増えていったんですよね。だから、これを機に「もっと挑戦してみたいな」と思えました。
――お店の内装はすべて自分たちでリノベーションしたとお聞きました。
Kajiwaraさん:はい。10ヶ月ほど作業をして完成させました。最初は空調もなかったので夏は暑いわ、冬は寒いわでほんと大変でしたね。
Mimuraさん:床とか壁も自分らで削って、全身まっ白になりながら作業したよな(笑)
――これはお店の模型ですか?
Mimuraさん:作業するにあたって、みんなでイメージを共有するために作りました。内装のデザインは今後も変えたいと思っていて、これがあるとどんなデザインにしていくのか相談もしやすいんですよね。ちなみに今は「映画の撮影現場」ってコンセプトになっています。
――これからどんなふうに変わっていくのか楽しみです。お客さんのリアクションはいかがですか?
Kajiwaraさん:ありがたいことに評判はすごくいいです。お客さんだけじゃなく、ポップアップでお世話になったお店の方からも想像以上の反応をいただけています。
――「leave me alone」で取り扱っている古着はどんなセレクトなのでしょうか。
Kajiwaraさん:年代問わず、国内外のデザイナーズブランドやヴィンテージを取り扱っています。例えば「Maison Margiela」や「COMME des GARÇONS」「3.1 Phillip Lim」とかがありますね。
――新品を買えるところってありますけど、ヴィンテージとなると珍しいですね。古着の買い付けはどうしているんですか?
Kajiwaraさん:買い付けはヨコサワに行ってもらっています。まず、僕とミムラで「店に置きたいもの」を話し合って、そのイメージやニュアンスだけを伝えています。ヨコサワがどんなふうに解釈して、どんなものを買い付けてくるか。ここで生まれるギャップがいい具合に洋服のラインナップを決めていくんですよ。
――買い付ける側のプレッシャーがすごそうですね……。ヨコサワさん大変じゃありませんか?
ヨコサワさん:そうですね。買い付けを始めたての頃は行くあてがなくて、知り合いの人に紹介してもらいながら少しずつ買い付け先を見つけていきました。常にアンテナを張っていないと古着に出会うこができないので、帰ってくるまでは本当に気が抜けませんでしたね(笑)
――先ほどから気になっていたんですけど、これはハンガーですか?
Kajirawaさん:はい。ゲームのカセットとハンガーが合体したもので、「洋服をかけないとゲームができない」っていうアイテムなんですよ。大阪にいる知り合いの方にお願いして作っていただきました。店には小さいお子さんも来るし、どんなお客さんにも楽しんでもらえるようなアプローチをしたくて取り入れました。
――長岡でお店をやってみて、街の雰囲気や人についてなにか感じたことはありますか?
Kajiwaraさん:「オシャレなお店と、優しい人が多い街だな」と思いました。大阪や東京にあるオシャレなお店って、よくも悪くも敷居が高くて、気軽に入れない雰囲気があるんですよね。でも長岡のお店は「いつでもウェルカム」みたいなスタンスで、僕らが店を始めるときもいろんな人が快く協力してくださいました。店を始めてからより一層「長岡の街と人のあたたかさ」を知ることができましたね。
――これからお店をどんなふうに展開していきたいですか?
Kajiwaraさん:服屋としての側面だけじゃなく、「表現の場」としてもっとこの店でいろんなことをやってみたいですね。今は、自分たちがオススメしたい本やCDを置いてみたり、大阪と東京にいる知り合いの人たちを巻き込んだイベントを開いたり、そんなことをしてみたいと考えています。
leave me alone
長岡市坂之上町2-3 諏訪ビル3F
営業時間 14:00-20:00(金曜 17:00-23:00)
月曜、火曜、木曜休み