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お客様のための店でありたい「パティスリー&レストラン まめふく」。

白鳥の越冬のために渡って来る季節になりました。阿賀野市の瓢湖も毎年白鳥がやってきて、多くの観光客で賑わいます。その瓢湖の近くで営業しているのが「パティスリー&レストラン まめふく」というお店。「まめふく」という店名だけ聞くと居酒屋みたいですが、1階が奥さんのケーキ店、2階がご主人のレストランという、ご夫婦で営んでいるお洒落なお店なんです。今回はご主人の梶原さんから、レストランについて詳しくお話を聞いてきました。

 

 

パティスリー&レストラン まめふく

梶原 正 Tadashi Kajihara

1969年阿賀野市(旧水原町)生まれ。水産大学に一年だけ通い、東京の調理師専門学校へ。卒業後は新潟グランドホテルなどで経験を積み、2007年に水原駅前で「パティスリー&レストラン まめふく」をオープン。2018年に現在の場所へ移転する。

 

いろいろな仕事を学べた、ホテルでの修業。

——まずは梶原さんが料理に目覚めたきっかけを教えてください。

梶原さん:母親が料理好きだった影響もあって、小さい頃から台所に入り浸っては料理やお菓子を作っていたんです。自分が作った料理を家族が喜んで食べてくれるのがうれしくて、料理の道に進みました。それが自分の料理すべてに通じている原点です。

 

——「料理で人を喜ばせたい」ということですね。では最初から料理人を目指していたんでしょうか?

梶原さん:ところが釣りも好きだったので、魚に関係した仕事にも興味があって、水産試験場や水族館の仕事に就きたくて水産大学に入学したんです。でも料理の道を諦められなかったので、大学を1年で中退して、東京の調理師専門学校に通い直しました。

 

 

——魚がお好きだったんですね。それなら和食の方が魚を扱う機会も多そうですけど、どうして洋食の道に進んだんですか?

梶原さん:当時は和食の世界に対して封建的なイメージを持っていたんです。あと、新潟で働きたいと専門学校の先生に相談したら「新潟グランドホテル」で働かせてもらえることになったんですよ。そのときに配属されたのが洋食部門だったんです。でも、今にして思えば和食じゃなくて洋食でよかったなって思うんですよね。ケーキ屋と寿司割烹じゃ合わないもんね(笑)

 

——(笑)。ホテルにはどのくらい勤めていたんですか?

梶原さん:14年間いました。最初はホテルよりレストランで修業したかったから、3年くらいしたら辞めようと思っていたんだけど、そろそろ辞めようと思うと他の部署に異動させられるんです。そうすると、また新しく覚えることがあって面白くなってくるんですよ。それを繰り返して14年間修業しましたが、おかげでいろいろなことを学ばせてもらいましたね。

 

 

——例えば、特に勉強になったことといえば?

梶原さん:デリカの仕事では洋食以外に和食や中華も作らせてもらいました。それが今ではテイクアウトメニューを作る際に役立っていますね。あとホールスタッフの動きを見ながら、ホスピタリティの勉強もさせてもらいました。当時はホールスタッフを軽く見ていたんですけど、自分がやる立場になってはじめて、彼らのレベルの高さを思い知りました。そのときはわからなくても、後になってわかることって多いんですよね。労働時間も長かったし給料も安かったけど、それ以上のことを覚えることができました。給料をもらいながらたくさん勉強させてもらったと、今では感謝しています。

 

——そういう意味では、レストランよりホテルでよかったのかもしれませんね。

梶原さん:確かにそうだったかもしれません。ホテルを辞めた後は「コンセール」っていうケーキ屋さんで夫婦で修業させてもらって、ここでも様々なことを学びました。「新潟グランドホテル」と「コンセール」が「まめふく」の土台になっていると思います。

 

——「まめふく」はいつオープンしたんですか?

梶原さん:2007年に水原駅前でオープンしました。その場所で11年間営業して2018年にこちらに移転してきたんです。以前はワンフロアにレストランとパティスリーがあって、お菓子がついでのようなイメージだったんですが、移転してフロアが別れてからは、それぞれが独立した店として見てもらえるようになったのがよかったですね。

 

料理の皿の上には、作った料理人が乗っている。

——梶原さんはどんなことにこだわって料理しているんでしょうか?

梶原さん:使っているそれぞれの食材の美味しさが集まって、すべてが調和してさらに美味しくなるような料理を心がけています。

 

——さっきいただいてみて、味の厚みがだんだんと増していくのを感じがしました。

梶原さん:ありがとうございます。他にもコンソメやフォンドヴォーに至るまで化学調味料や既製品を使わないで、自家製のものを使うことにこだわっています。せっかく自分の料理店をやっているのに、既製品ばかり並べるのっておかしいと思うんですよね。だから、できる限り自分の味つけを食べてほしいんですよ。

 

——なるほど。梶原さんが100パーセント作った料理を食べてほしいということですね。

梶原さん:できる限りそうしたいと思っています。料理の皿の上には、作った料理人が乗っているんですよ。人の真似をしてみても、そこに自分のカラーが出ていなければ何の意味もないと思いますね。

 

 

——その人が作る料理を食べたいから店に足を運ぶわけですよね。

梶原さん:そうなんですよ。だからお客様の信用を裏切るような営業をしちゃダメだと思っています。例えば味のコンセプトを簡単に変えたりするとかね。うちがいきなり激辛の店になったり、大盛りの店になったりしたら、うちの味を求めて来てくれたお客様が戸惑っちゃいますよね(笑)

 

——(笑)。「まめふく」の味を求めて来るんですもんね。

梶原さん:あと定休日以外に休業しないよう心がけています。公務員の父親から「店は自分のものじゃなくて公のものだから、自分の好きなようにしてはいけない」と言われて、本当にその通りだと思ったんですよ。お客様は営業していると思ってわざわざ足を運んでくれるのに、休業していたらがっかりさせていまいますよね。だから体調管理には気をつけているんです。

 

 

——自分の都合じゃなく常にお客様のことを考えて営業しているんですね。

梶原さん:子どもの頃に家族が喜んで食べてくれたことが自分の料理の原点ですから、お客様が喜んでくれる姿を見るのが励みになっているんですよ。それは私にとって「生きていていいんだよ」って存在価値を認めてもらっているようなものなんです。だから儲からないけど続けていけるんだと思います。

 

——料理の仕事を続けてきてよかったと思いますか?

梶原さん:私は幸運にも料理の仕事を続けることができましたけど、料理を辞めていった先輩や後輩も大勢見ているんです。みんな腕はいいのに道がなかったんですよね。そういう意味では運というのも大きく影響するんだと思います。そういう人たちの分も頑張っていきたいですね。

 

 

取材の間もいろいろと気を使ってくださる梶原さん。撮影した料理をいただくときも、ライスやサラダを用意してくれたりコーヒーを出してくれたりと、食事に来たお客様のように扱ってくださいました。白鳥を見に瓢湖を訪れた際には、ぜひ「まめふく」に立ち寄ってみてください。心地のいい空間としっかり作られた素敵な料理に出会えると思いますよ。そして、帰りには1階でケーキをお土産にいかがでしょう?

 

 

パティスリー&レストラン まめふく

阿賀野市緑町20-8

0250-63-2160

11:00-21:00

水曜休

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