三条市体育文化会館、通称「たいぶん」に、100%新潟県産のお米を使ったおむすびや御膳が食べられる「おこめ日和」がオープンしました。おむすびの種類は常時20種類以上、ポテトフライやクレープなどのカフェメニューも楽しむことができます。スポーツセンター内にあるお店としては珍しく、全国各地のクラフトビールが購入できるのだとか。お店の方針や取り組みについて、店長のゆかりごはんさんにお話を伺いました。
おこめ日和
ゆかりごはん Yukari gohan
1984年三条市出身。洋食をはじめとした数多くの飲食店に携わり、2022年に個人事業として「PeekaBoo(ピーカーブー)」を開業。洋食の店舗経営やキッチンカーの出店を経験し、2025年におこめ日和の店長に就任。趣味は素潜り、バイク。
――体育館の中におむすび屋さんがあるのは珍しいですね。
ゆかりごはんさん:ここは以前、「SUMER(シュメール)」というカフェだったんです。2025年4月に店内を改装して、おむすび中心のお店としてオープンしました。
――小上りやすだれが和風のイメージで素敵です。
ゆかりごはんさん:すべて手作業で、友人知人に手伝ってもらいながらつくりました。だからところどころ雑なんですが、愛嬌と思ってもらえるとありがたいです(笑)
――「おこめ日和」には、ポテトなどのファストフードメニューもあるんですね。
ゆかりごはんさん:ランチ以外でも気軽に寄っていただきたくて、ポテトや唐揚げ、クレープも販売しています。クレープは「おこめ日和」の店舗とは別に、私がキッチンカーで販売しているものです。提供できる環境が整っているので、「おこめ日和」でもお出しすることにしました。クレープを目当てに来てくださる方も多いんですよ。
――キッチンカーを続けながら、店舗を構えることにしたきっかけは何ですか?
ゆかりごはんさん:実は、このお店は「株式会社ライブポート」という会社が運営母体で、私は運営代理のような立場でこの店舗に関わっているんです。
――どのような流れで店舗運営を任されることになったのでしょうか?
ゆかりごはんさん:キッチンカーでライブポートのイベントに出店したのがきっかけでした。ライブポートが「たいぶん」の中に「おこめ日和」をオープンするにあたって、店舗を任せるのは地元の人間がいいというのが方針だったようで、声をかけていただきました。
――お米は100%県内産を使用されていますが、他に食材のこだわりはありますか?
ゆかりごはんさん:なるべく地元のものを使うようにしています。特にうちで使っている田上産の梅干しはしょっぱさが特徴で、昔ながらの製法でつくられているからとても美味しいです。おむすびによく合うんですよ。
――聞いているだけでよだれが出てきます(笑)
ゆかりごはんさん:あとは、地産地消へのこだわりとはまた違うんですが、うちのおむすびの特徴は握るときに塩を入れていないことです。無塩で握って、ソルトビュッフェでお好みの塩を選んでいただくスタイルにしています。今は3種類ですが、これから塩の種類を増やしていきたいですね。
――「これは絶対食べてほしい!」という自慢のメニューがあったら教えてください。
ゆかりごはんさん:おむすびの「レモン味噌」を食べてほしいですね。レモンピールと味噌をオリジナルで配合したおむすびなのですが、ほかのお店にはなかなか置いてないと思います。意外とレモンと味噌の相性がいいんです。
――たしかに!珍しいですね。
ゆかりごはんさん:あとはクレープも食べてみてほしいですね。私自身、甘いものをそこまで好んで食べないので、クリームの甘さを控えめにしてあります。女性でも無理なく食べられますし、甘いものが苦手な男性でも、うちのクレープなら食べられる方が多いんです。
――「おこめ日和」さんではクラフトビールが買えるんですね。市の公共施設内にあるお店としては珍しいのではないでしょうか?
ゆかりごはんさん:前店舗の「SUMER(シュメール)」でも販売していて好評だったこともあり、うちでも引き続き取り扱っています。公共施設内で置いているところは稀だと思いますが、珍しいビールも置いているので、面白がってくださる方が多いですね。
――スーパーなどでは見たことのない銘柄が並んでいますね。
ゆかりごはんさん:県内産にこだわらず、美味しそうだったり話題性があったり少し変わっていたりするクラフトビールも揃えています。アールグレイフレーバーのクラフトビールは特に珍しくて、ビールが苦手な方でも飲み口が爽やかでとても美味しいですよ。
――ところで気になっていたのですが、「ゆかりごはん」さんの名前の由来を聞いてもいいですか?
ゆかりごはんさん:親しみやすいあだ名みたいなものがほしくて、名札をつくったんです。私も含め、スタッフみんな本名に由来しています。お店がお米推しなので大体ご飯にまつわる名前になっているんです。
――かわいらしいですね。名札はどなたがお書きになったのでしょうか?
ゆかりごはんさん:達筆なスタッフがいて、お願いして書いてもらいました。味があっていいですよね。一緒に働いてくれるスタッフのアイデアが、働きやすい環境を自ら整えてくれていると感じます。
――今後、チャレンジしたいことはありますか?
ゆかりごはんさん:今は「たいぶん」のなかにあるから立ち寄るお店、のイメージですが、後々、うちを目当てに来てくれるお客さんを増やしたいです。おむすびを買いに来たお客さんが「たいぶん」のイベントを知って休日に足を運んでくれたり、スポーツ関連の催しものに参加したり、そうしたお客さんの流れができるような、出会いがつながるきっかけになれたら嬉しいですね。
おこめ日和