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フォトグラファーとデザイナー、異業種からの挑戦「蕎麦 吹キヌケ」。

長岡・国営越後丘陵公園のそばに、「蕎麦 吹キヌケ」という新しい蕎麦屋さんがオープンしたとの噂を聞きつけ、さっそく取材に行ってきました。どんな職人さんがそばを打っているのかと暖簾をくぐってみたら……なんと、そこにいたのはフォトグラファーとデザイナーという謎のコンビ。異業種から蕎麦というジャンルに挑戦したおふたりに、そのキッカケを聞いてきました。

 

蕎麦 吹キヌケ

池田 哲郎 Tetsuro Ikeda

1979年五泉市生まれ。新潟デザイン専門学校を卒業後、写真館や写真スタジオでの経験を経て、ピープルアイランド合同会社を設立。代表取締役兼フォトグラファー。「蕎麦 吹キヌケ」では宣伝広報担当。

 

蕎麦 吹キヌケ

和田 紘典 Hironori Wada

1984年神奈川県生まれ。小学生から長岡市で育ち、山形県にある東北芸術工科大学に進学。家電メーカーでプロダクトデザイナーとして勤め、現在はTWOOL株式会社の代表取締役兼デザイナー。「蕎麦 吹キヌケ」では店舗運営担当。

 

フォトグラファーとデザイナーが、出会った。

――おふたりは、フォトグラファーとデザイナーなんですよね。「蕎麦 吹キヌケ」という店名を聞いて、熟練の蕎麦職人さんが登場するかと思っていたから驚きました(笑)。それぞれ、どんなことをされているんですか?

池田さん:写真スタジオをやっています。ポートレートやブライダル、媒体の広告用写真とか、幅広い撮影をしているフォトグラファーです。

 

和田さん:僕はプロダクトデザイナーです。ゴルフクラブや農業器具、ステーショナリーから南極観測車両まで、いろんなプロダクトデザインをして、その延長でブランドロゴなどのデザインもしています。

 

――クリエイティブな仕事をされているんですね。お蕎麦屋さんとは無縁な気がするんですけど……どんなキッカケで「蕎麦 吹キヌケ」をはじめることに?

和田さん:もともと、この建物は僕が事務所として使っていて、週末だけ器の販売をしていたり、ギャラリーとして貸し出したりしていたんです。それで、ギャラリーで個展を開いてくれたのが、ここにいるサモ・ハン・キンポーみたいな人だったんです。

 

池田さん:サモ・ハン・キンポー? ……あ、俺ね(笑)

 

 

池田さん:お互いにクリエイティブな仕事をしているのもあって、いろいろ話をしたんですよ。「これからはカタチにとらわれないで、どんどん新しいことをしていかないといけない時代がくるよね」って。

 

――で、どうして蕎麦屋を?

和田さん:そんな話の流れから「飲食業でもやってみる?」ってなったんです。でも、お互いに飲食業に関してはド素人だから、それを逆に考えて「こんなお店があったらいいな」にチャレンジすることにしました。で、何を取り扱うかを考えて、考えて、考え抜いた答えが、蕎麦とカレーだったんです。

 

――ん? カレー??

池田さん:料理人じゃないから、一品で完結できるようにしようと考えたんですよね。それで、ふたりが好きな蕎麦とカレーが候補になって。

 

和田さん:まぁ、最終的に蕎麦を選んだ理由としては、僕の事務所は「蕎麦 吹キヌケ」の2階にあるから、カレー臭くなるのが嫌だったんです。それに、池田さんは蕎麦みたいな髪をしているしね(笑)

 

ヤバかった。蕎麦の世界はレベル100。

――蕎麦屋をしようと決めたとはいえ、ド素人からのスタートですよね。どうされたんですか? どこかで修行をしたとか?

和田さん:まずは、蕎麦の打ち方の基礎をYouTubeで見まくりましたね(笑)

 

池田さん:正直、本当に難しくて。YouTubeで解決できるレベルじゃなかった(笑)。なんとなく難しいイメージはあったんですけど、ここまでとは……。でも、ある蕎麦屋さんが力を貸してくれて、数ヵ月かけてカタチにはなりましたね。

 

――蕎麦って難しいイメージがありますもん……。ちなみに、蕎麦打ちでいちばん難しい工程って何ですか?

和田さん:蕎麦って、こねる作業(水回し)を習得するのに3年、のしに3ヵ月、切るは3日と言われています。だから一番難しいのは、こねる作業ですね。水の分量は気温や湿度によって変化するので、それをベストに合わせないとボソボソな蕎麦になりますから。

 

異業種から挑戦したからこその店づくり。

――「蕎麦 吹キヌケ」の店づくりについて教えてください。それぞれのスキルが生かされたのは、どんな点でしたか?

和田さん:僕はプロダクトデザインをしている延長で、ショールームのデザインを行うこともあるんです。このスキルを生かして、店内をどんなレイアウトにするか、どんなインテリアにするか、内装デザインを行いました。あとはデザインのスキルとは関係ないけれど、立ち上げ時はDIYを頑張りました(笑)。テーブルとか、いろいろ作ったんですよ。

 

 

――それで、こんなにお洒落な蕎麦屋さんなんですね。池田さんは、やっぱり写真ですか?

池田さん:んー……、まぁ、そうですね。ちょこちょこ写真を撮りましたね。

 

――ん?

和田さん:本当にちょこちょこ撮ったって感じですよね(笑)

 

池田さん:どちらかといえば、写真よりも人の部分でしたね。長年フォトグラファーとして活動してきて、たくさんつながってきた人がいたからこそ、いろんな助けをもらえたり、お客さんとして来てもらったり、自分が何かするというより、誰かとのハブになっていましたね。

 

和田さん:うん、池田さんより、池田さんのまわりの人に感謝ですね(笑)

 

――(笑)。とはいえ、池田さんだって何か活躍したことがあるんじゃ?

池田さん:そうですね。写真を撮ってInstagramに投稿したし、いずれはHPやメニューにも使おうかなって。

 

――(笑)

 

 

――「蕎麦 吹キヌケ」ならではの、今後の展開ってありますか?

和田さん:蕎麦屋でありながら、地元の作家さんの作品、ふたりが携わった作品などを紹介していきたいので、今後はギャラリーとしての要素も強めていきたいですね。

 

池田さん:あとは、僕たちはフォトグラファーとデザイナーという仕事もあるから、そのポテンシャルを最大限に生かせる環境を整えるために、本格的に蕎麦を打ってくれる職人や店舗スタッフの補充もしたいと考えています。

 

――ふむふむ。新しい展開をしていくために、人材の確保が欠かせないってことですね。

池田さん:はい。昔ながらの蕎麦イズムを継承していくというよりは、これからの新しい蕎麦スタイルを積み上げていけるようなフレッシュな職人を探しています。蕎麦職人、集まれーー!

 

 

 

蕎麦 吹キヌケ

新潟県長岡市青葉台5-22-3

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