真冬でも冷やし中華が楽しめるラーメン屋さん「大江戸 県庁前店」。
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2021.01.06
「冷やし中華はじめました」の貼り紙で夏の訪れを感じさせてくれる冷やし中華。ラーメン店で季節限定メニューといえばこれですよね。でも、ときどき夏じゃなくても無性に冷やし中華が食べたくなることってないですか? そんなわがままに応えてくれるのが「大江戸 県庁前店」です。こちらのお店では1年中いつでも冷やし中華を食べることができるんです。今回は名物店長の桑原さんに、お店の歴史や冷やし中華についてお話を聞いてきました。


大江戸 県庁前店
桑原 日世子 Kayoko Kuwabara
1948年新潟市中央区生まれ。若い頃から和食を中心にいろいろな飲食店で働き、1980年の「大江戸 本店」オープンと同時に手伝いを始める。2000年に暖簾分けのかたちで「大江戸 県庁前店」をオープンし、店長として店を切り盛りしている。休みの日は家の掃除をして過ごす。
秋田のラーメン店が、どうして新潟にやってきたの?
——「大江戸」さんってもともと秋田にあるお店ですよね? どういういきさつで新潟の「大江戸 本店」を開店したんですか?
桑原さん:私の姉夫婦が秋田に行ったとき「大江戸」でラーメン食べて、姉の旦那がその味に惚れ込んで、それで始めたお店なの。姉が1年くらいかけて秋田の「大江戸」で醤油ラーメンの作り方を覚えてきて、昭和55年に寄居町のオギノ通りで開店したんですて。 秋田のお店は、お昼の3時間しか営業しなくて、メニューも醤油ラーメン1本っていう頑固なお店なのよ。それで最初は「大江戸 本店」も醤油ラーメンだけでやろうと思って。
——ん、でも「大江戸 本店」っていろんなメニューがありますよね。
桑原さん:醤油ラーメンだけじゃ、なかなか商売としてやっていけないっけね。それで「大江戸」の辛味噌に合うメニューの、味噌ラーメン、焼きそば、冷やし中華を開発してったんですて。営業時間は、秋田のお店と同じように昼の3時間半しかやってないんだわね。
——どうして3時間半だけなんですか?
桑原さん:本店はお母さんたちでやっているでしょう。みんな主婦だっけね。でも、私は家も建てたばかりで稼がなきゃならないから、本店とは別に自分でお店をやろうと考えてたんだて。そんなときに、スーパーの駐車場で営業するお店を探しているっていうのを知って、平成13年の4月から今の場所で「大江戸 県庁前店」としてやってみることになったの。
——「大江戸 県庁前店」を始めてみていかがでしたか?
桑原さん:始める前はこんなに大きい店だと思ってなかったんですて。せいぜい半分くらいの大きさだと思ってたっけ、最初に考えていたより多くスタッフをいれることになったの。初めの頃はなかなか調理するスタッフも安定しなくて、味が変わっちゃったりしてたんだけど、私の息子が本店で修行してきて県庁前店の社長になってからは、味が安定するようになりましたて。

長〜い麺と辛味噌が特徴的な、醤油ラーメン。
——「大江戸」のラーメンっていろいろと特徴がありますよね。まず麺が普通より長いじゃないですか。あれってどうしてなんですか?
桑原さん:どうしてなのかは秋田のご主人が亡くなったからわかんないわねぇ。でも、あの麺って新潟では作れない麺だから、秋田の製麺所から直送してもらってるんですて。並盛りは大盛りに比べて少し短いんだけど、それでも普通の麺と比べて長いんだわ。
——あと辛味噌も大きな特徴ですよね。
桑原さん:あれは秘伝の辛味噌だったから、姉も作り方を教えてもらえなかったのよ。ずっと秋田のお店から買って使ってたんだけど、ご主人が亡くなった後、お店の人に教えてもらって、それからは本店で作ってるんですて。本店と県庁前店で味がブレるのは嫌だから、本店で作ったものを県庁前店でも使うようにしてるんですてば。

——辛味噌を入れることで、また違った味を楽しめますよね。
桑原さん:味変が楽しめるでしょ? 醤油ラーメンに辛味噌を溶かして食べた後に、ちょっとだけ酢を垂らすとまた味が変わって美味しいのよ。
——へ〜、それは初めて知りました。今度試してみますね。あと忘れてはいけないのが焼きそばですよね。
桑原さん:焼きそばは開発に1年もかかったんですて! 食べたときにギトギト脂っこくなるのがイヤだったから、いろんな油を試したの。毎日作っては試食しての繰り返しで、焼きそばがイヤになりましたてば(笑)
——そのおかげで今では人気メニューですよね。本店はラーメンだけですけど、県庁前店はご飯ものメニューもありますよね。
桑原さん:県庁前店も最初はやってなかったんだけど、あんまりにもお客さんが「ご飯、ご飯」っていうから、とりあえずチャーハンを始めたのよ。それからだんだんご飯ものメニューが増えてったんですて。ご飯は農家と年契約しているコシヒカリを使ってるんだけど、おかげでご飯ものの人気が出ちゃって、今では以前の倍くらいご飯炊いてますてば。

冷やし中華が一年中食べられる、その理由と苦労。
——あ、そうだ、大事なこと聞くのを忘れるところでした。どうして「大江戸」では1年中冷やし中華をやっているんですか?
桑原さん:開店当初から来ていた常連のお客さんから「1年中冷やし中華をやってほしい」って言われたのがきっかけだったみたいよ。だからそのお客さんには、真冬の寒い日に雪を頭に乗っけてきても、毎回冷やし中華を出してたんだわ(笑)。
——でも1年中提供するのは大変じゃないんですか?
桑原さん:本当は夏だけにしたいんですけどねー。冬はキュウリも値上がりするし、その割にたくさん出るわけじゃないでしょ。注文があると悪いから材料は毎日用意してるんだけど、残ったら廃棄しなきゃダメだし、もったいないですがね。冬場は麺の水洗いも冷たくて大変だっけ、みんなで水洗いの仕事を譲り合ってますてば(笑)

——そんな大変な思いをしてまで、冬に冷やし中華の提供をしているんですね。
桑原さん: 1年中冷やし中華の注文はあるから、そういうお客さんのためにもやめらんねんですて。それにお持ち帰り用の冷やし中華は、冬でも買っていく人が結構いなさるんですがね。
——冷やし中華は、どんなふうにして作っているんですか?
桑原さん:本店と味が変わると悪いから、タレは本店で作ったものを使ってるの。でもお客さんからときどき本店と味が違うって言われることがあるんですて。あれって不思議だよねぇ(笑)。材料はスープ、チャーシューを煮た醤油ダレ、ザラメを使ってますがね。だから少し甘みがあるでしょ? 三温糖だとあっさりし過ぎるし、白砂糖だとくどくなるから、ザラメが一番ちょうどいい甘みが出せるんですて。

最初はそば屋と間違われた、「大江戸」という店名。
——お店をやってきて大変だったことってありますか?
桑原さん:最初の頃は知名度が低くて大変でしたねぇ。名前を見てもラーメン屋だとわからない人が多くて、そば屋と間違われることも多かったんですて。「このお店は何屋さんなんですか?」なんて聞かれて「ラーメン屋ですて」なんて、思いっきり新潟弁で答えてましたがね(笑)。まあ、がんばって続けていればなんとかなるもんですて。

——たしかにそば屋っぽい名前ですよね(笑)。お店の見た目も……。じゃあ、逆にうれしかったことは?
桑原さん:20年もやってると、小さかった子どもが大人になって、自分の子どもを連れてきたりとか、そういう成長が見れるのはうれしいですね。
——それだけ長い間愛され続けているっていうことですもんね。最後にこれからやってみようと思っていることってありますか?
桑原さん:息子の方でインターネットを使った冷やし中華の販売を考えているみたいですねぇ。お店の方としては、これからもお客さんの声を聞きながら、できる限り対応していきたいと思ってますてば。

個性豊かなメニューが揃っている「大江戸 県庁前店」。今のような寒い時期、どうしても冷やし中華が食べたくなったときは、ぜひ立ち寄ってみてください。1年中いつでも美味しい冷やし中華と、元気に接客する名物店長の桑原さんが待っていますよ。
大江戸 県庁前店
〒025-280-9060 新潟県新潟市中央区出来島2-13-38
025-280-9060
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