地産地消、フードロスを実現する6次産業化フード「tutae」。
食べる
2023.07.14
新潟市の学校給食や社員食堂で食事を提供している「株式会社総合フードサービス」。地元の食材を使ったオリジナルブランド「食のアトリエ tutae(ツタエ)」の開発・販売も手がけています。今回は「株式会社総合フードサービス」の長嶋さんに、「tutae」ができあがるまでのことや美味しさの秘密などいろいろとお話を聞いてきました。

株式会社総合フードサービス
長嶋 信太朗 Shintaro Nagashima
1984年新潟市生まれ。大学卒業後、東京でシステムエンジニアとして7年間働く。29歳で新潟に戻り、「株式会社総合フードサービス」へ入社。現在は専務取締役を務める。趣味はスノーボードとドライブ。

地産地消、フードロスの削減ができる。1次加工品から誕生した生パスタ。
——「株式会社総合フードサービス」さんは、新潟市の給食を支えていらっしゃるんですね。
長嶋さん:新潟市の幼稚園と中学校給食、それから社員食堂と1日6,000食以上をご提供しています。給食センターだけでなく、各施設や会社内でお作りする場合もあります。
——これまでオリジナル商品の開発も度々されてきたんですか?
長嶋さん:祖父の時代に餃子やコロッケなどの冷凍食品を手がけていたことがあります。黒にんにくを製造していた頃もありましたね。今回の「食のアトリエ tutae」は久しぶりの自社商品です。
——その「tutae」について教えてください。
長嶋さん:新潟の食材を練りこんだ「にいがた生パスタ」です。現在は「茶豆の生パスタ」と「南蛮エビの生パスタ」の2種類を展開しています。

——開発のきっかけは?
長嶋さん:当社は「地産地消」と「フードロスの削減」をテーマに掲げています。そこで農家さんが出荷できない規格外の野菜を使って、新潟らしい商品を生み出したいと考えました。そもそも給食で使用する野菜は刻んだり加工したりするので、お店に並ぶような規格のものでなくてもまったく問題ありません。そういうお野菜をこれまでも受け入れてきました。10年ほど前、本社が黒埼に移転した頃は、「規格外の黒埼茶豆をどうにかできないものか」とご相談を受けまして、黒埼茶豆をむいて冷凍にしたりペーストにしたり、1次加工品として製造してきました。他にもかぼちゃやさつまいもの1次加工もしています。それらを業務用食品としてご提供してきました。
——以前から地元の食材の加工をされていたんですね。
長嶋さん:これまでの加工技術もありましたし「最終製品を作りたい」という社長の意向もあって、「tutae」の企画をスタートしました。でも毎日の給食作りで製造スペースに余裕がないので、これまで取り組んでいた1次加工品を活用したもので商品化を進めたんです。新潟ではラーメンが人気ですけど、それだと面白くないからというのでパスタにしたんですよ。

枝豆が30%も入っている麺。もっちり感を出すため試行錯誤。
——6次化製品として、賞を受けているそうですね。
長嶋さん:初年度の審査では評価を得られず受賞を逃してしまいましたが、2年目のチャレンジで「フードメッセinにいがた」の6次化大賞の準グランプリを受賞することができました。「茶豆の生パスタ」には枝豆が30%ほど含まれていて、麺の形を留められる限界まで枝豆を入れています。食感がよくなるよう試行錯誤し、約2年かけて今のような生パスタに仕上げました。

——フードロス削減という面からも注目されていると思います。
長嶋さん:以前聞いた話だと、枝豆は1日数キロから数百キロも規格外になってしまうそうなんです。それを買わせてもらって加工しているので、私たちもありがたいし、農家さんのお役にも立っているのではないかと思います。「tutae」の販売をはじめてから、それまでご自身で6次化に取り組んでいた農家さんからの加工依頼も増えています。
——廃棄になってしまうものが製品化されるってすごいですよね。
長嶋さん:食育や地産地消への意識が強い会社なので、「捨ててしまうのはもったいない」 という考えは当初からありました。6次化産業に取り組む農家さんや漁業関係者さんはもちろんいらっしゃいますが、最近では当社のような会社が6次化に取り組むケースも増えているようです。

ギフト品として広めていくための今後のチャレンジ。
——それぞれのパスタはどんなソースに合いますか?
長嶋さん:豆の旨味成分が魚介とすごく相性が良いので、「茶豆の生パスタ」は魚介系のオイルソースがおすすめです。豆と魚介、それぞれの旨味を感じていただけると思います。「南蛮エビの生パスタ」は、トマトクリームソースと合わせるとパスタの香りが増幅して美味しいですよ。
——「tutae」はどこで購入できるんでしょう?
長嶋さん:今はネット通販と「とんとん市場」さんで販売しています。もっと販路を増やそうと取り組んでいるところで、今後はSNSや自社のネットショッピングサイトでも「tutae」を発信していきたいと思っています。
——県外へ販売する予定もありますか?
長嶋さん:その構想はあって、県外の業者さんとも商談をしています。でも味の評価はよいものの、「賞味期限を長くする」「要冷蔵でなくても保存できる」といった工夫が必要のようなんですよ。「パスタソースもセットにした方がいい」とも言われました。
——むむ……。まだまだ改善しろということですね。
長嶋さん:ギフトとしてより充実するように、ソースの開発には着手したいと思っているんです。今後も地産地消、新潟の食材を発信できるようにレパートリーを増やしていく予定ですので、楽しみにしていただけると嬉しいです。

株式会社総合フードサービス
新潟市西区山田2310-1
Tel: TEL 025-201-2411(代)
Advertisement
関連記事
食べる
見附のコミュニティースポットを目指す「Buena Vista CAFE」。
2020.01.28
食べる
お腹と心を満たすおもてなしの店。大皿料理の「おばんざい家 卯」。
2024.09.17
食べる
チョコレートの可能性を楽しむ洋菓子店「Le temps Merveilleux」。
2020.02.14
食べる
ゆったりした雰囲気のなかでアジアン料理を楽しめる「ROU ANN PULAR」。
2022.11.24
食べる
常連客を大切に、変わらぬ味を守り続ける「サッポロラーメン 稲よし」。
2021.05.30
食べる
美味しいパンを、作り続けるために。
「ARTISANS」の宮島さん
2026.04.20
新しい記事
食べる
岩船港でラーメン定食やカレー、
海鮮料理を楽しめる「岩船荘別館」
2026.05.19
食べる
新津にできた「Ensemble」で、
時間を忘れるような食体験を。
2026.05.18
食べる
もっちり食感が、たまらない。
「BAGEL CONTRAIL」の小さな幸せ。
2026.05.17
食べる
手打ちパスタとデザートを楽しむ
新発田市の「Pasta e Dolce CUOCA」
2026.05.16
カルチャー
混ざり合い、熟成し、まちが動き出す。
三島地域に開校する「かんもす大学」
2026.05.15
食べる
新潟にお好み焼き文化を広めたい、
本場の味の「大阪お好み焼き 直」。
2026.05.14


