飲食店×米農家。お米に対する熱い思いを伝えるふたり。

おいしく米を炊く。おいしい米を育てる。アンテナショップとして伝えたいコトとは。

JR新潟駅南口からすぐの場所にある「はじめ 土間家別邸」は、新潟の食材を使った料理をメインに地酒を振る舞う居酒屋さん。看板商品として人気なのは、加茂市にある農家組合「加茂有機米生産組合」の育てる「特別栽培米コシヒカリ」を炊き上げた「釜飯」です。今回は、釜飯を看板商品として発信し続ける理由、どうして加茂のお米に魅了されるのかなど、居酒屋でありながら美味しいお米のアンテナショップでもある、その存在の裏側に迫ります。

 

はじめ 土間家別邸

長峰涼 Ryo Nagamine

1987年生まれ。福島県会津市出身。専門学校進学で新潟に生活の場を移し、以後、料理の道へ。「はじめ 土間家別邸」では立ち上げ時から店長として活躍。

加茂有機米生産組合

石附拓真 Takuma Ishizuki

1982年生まれ。加茂市出身。家業である米農家の跡取りとして、生産だけでなく、海外輸出など活動は多岐にわたる。酒販免許を取得し、オリジナル清酒の開発も。

「はじめ 土間家別邸」ってどんな店?農家との関わりとは。

――お店についてお聞きしたいのですが、どのようなメニューを中心に楽しめますか?

長峰さん:基本的には新潟県内の食材を使った料理と、ちょっとめずらしい日本酒を中心に楽しんでいただけます。

 

――お米に力を入れていると聞きましたが、どんなメニュー展開なのでしょうか。

長峰さん:うちの看板商品は「釜飯」です。加茂市で生産されている「特別栽培米コシヒカリ」を使っているので、めちゃくちゃおいしいですよ!ランチも含めて、お店で使っているご飯はすべてこの米です。

 

――贅沢ですね!新潟だからってこともあると思いますが、なぜお米にこだわっているのですか?

長峰さん:新潟市西区に「くつろぎ処 土間家」という1号店があります。そこの立ち上げのとき、社長が考えたコンセプトというのが、「失われつつある日本の食文化を、若者に再確認してもらえる場所」だったんです。それで、新潟の米っておいしいのが当たり前になっていますが、昔ながらの製法で育てられた本当においしい米を伝えたいと、米にフォーカスした店作りがスタートしたんです。

 

 

――そうなんですね。それで石附さん(加茂有機米生産組合)のお米を使い始めたんですね。出会いのきっかけはなんだったのですか?

石附さん:昔から社長さんを存じ上げていて、お話をいただき、それならばと提案させていただくことになったんです。うちの米は「特別栽培米コシヒカリ」といって、有機肥料で稲を育て、化学肥料や農薬を使わない米なんです。堆肥を散布したり、雑草と戦わなければならないのでとても大変なんですが、今ある自然環境を守りながら、おいしい米として育てられるので、その意を伝えさせてもらいました。

 

長峰さん:その熱意を感じ取って、加茂有機米生産組合の「特別栽培米コシヒカリ」を使い始めたんです。今では、専属契約の田んぼをお借りしてうちの米を育ててもらっています。田植え、除草、稲刈りなど、大切な時期には自分たちも田んぼに入ってお手伝いさせてもらっています。

 

――実際の作業は大変そうですね。昔ながらの田んぼってことですよね。

石附さん:一番大変なのは草取りです。とてもつらい作業ですが、トンボやタニシやホタルと自然を共有できる田んぼに喜びを感じます。ヤゴ(トンボの幼虫)がたんぼから稲に登って一斉に羽化する光景を見ると、この自然を人が壊してはいけないと思わされますね。だから作業がつらくとも除草剤を散布しないで、草取りをします。

 

 

長峰さん:草取りなんて、簡単だろうってはじめは思っていたんです。でも、実際に手伝ってみて、こんなに大変なのかと驚きました。思うように動けないんですよ!よくテレビ番組で足を取られて転んでいる映像が流れますが、あれは本当なんだなって思いました。体力的にもきついですし。でも、そんな大変な思いをしてまで自然を守り、育ててくれている米なので、たくさんのヒトに知ってもらいたいんですよ。

 

おいしい米を、おいしく調理。こだわりの仕込み方法とは。

――おいしい食材も調理方法によって、さらにおいしくなると思います。「はじめ 土間家別邸」では、どのようなこだわりがありますか?

長峰さん:まず、米は玄米の状態で届けてもらっています。その玄米を自分たちで精米し、粗熱を取ってから、胎内高原の水で1日かけて浸水し、白化させてという仕込みを行って大羽釜で炊いています。釜飯は専用の卓上窯で炊き上げます。

 

――いろいろと気になるワードが出てきましたね!まず、白化とは何ですか?

長峰さん:ん~それは米のプロフェッショナルに教えてもらいますか(笑)。

 

石附さん:僕ですか(笑)。白化とは、米に十分な水分を吸わせることです。精米した米は水分量が少なく、最大限まで水分を吸わせることによって、踊り炊きのような状態が生まれ、ふっくらと炊き上がり、米が立つんですよ。

 

 

――そういうことなんですね。家では研いだらすぐに炊いていました。家に帰ったら家族に教えないと!ちなみに胎内高原の水を使う理由ってあるのですか?

長峰さん:いろいろと試した結果、一番おいしく炊きあがったからなんです。軟水、硬水、温泉水などなど、とにかく試しました。そのなかで一番相性が良かったんですよね。

 

――ちなみにどんな特徴のある水ですか?

長峰さん:水質は軟水です。口当たりが柔らかくて、まろやかなんですよね。そのまま飲んでもおいしいですよ!

 

こだわりの米を使ったメニューはこれ。

ズワイ蟹の釜飯|¥1,280

 

鮭といくらの釜飯|¥1,280

日本酒&アンテナショップ。新しい試みをちょっとだけ教えてくれた。

――こだわりのお米を使ったメニューを提供し、おいしさを伝えていますが、これから新しい試みなどは考えられていますか?

長峰さん:まだ企画段階なんですが、オリジナルの日本酒を造ろうと思っています。

 

――え?日本酒ですか?

長峰さん:日本酒です!石附さんと一緒にこそこそと企んでいるんですよ(笑)。

 

石附さん:実際に酒蔵からオーダーを受けて、OEM(他社ブランドの製品を製造すること)で酒米を作っています。その実績があるので、共同で日本酒が作れないかと。自社で造ったことが以前にあるのですが、自分たちが育てた米を扱ってくれている飲食店の料理とどうしたら相性が良いか、おいしく飲んでもらえるかを考えながら作れたらと思っています。

 

 

――日本酒もお米からできていますもんね。いろいろと夢が広がりますね!

長峰さん:そうなんですよ!なので、お店でも「北翔」「村祐」「あべ」など、多くの日本酒を取り揃えています。自分自身が多くの日本酒に触れ、経験を積むことで、これから飲めるであろう自分たちの日本酒が、釜飯をはじめとした料理とマッチしてくると思います。

 

 

――飲食店と生産者の関係性を飛び越え、もうパートナーといった感じですね。

長峰さん:そうですね。素晴らしい米を作ってくださり、自分たちもその大変さを体感しています。その米の素晴らしさ、おいしさ、これから飲める日本酒とのマリアージュなどなど、加茂有機米生産組合の思いを一緒にお店から多くのヒトに伝えられたらと思い、飲食店ではありますが、アンテナショップとしても頑張っていきたいです!

 

 

「米」という食材から、釜飯、そして日本酒へ。全国でも有数の米どころ・新潟。飲食店と農家が手を取り、お米のおいしさを伝えるパートナーとして歩む姿は、同じ新潟県人として誇らしさを感じました。今回紹介した「加茂有機米生産組合」の「特別栽培米コシヒカリ」を使ったこだわりの釜飯は、ランチ、ディナーとしてはもちろん、宴会の〆としても味わえます。お米の魅力が詰まった「はじめ 土間家別邸」で、ぜひ今一度、新潟らしさを感じてみてはいかがでしょうか。

 

はじめ 土間家別邸

新潟県新潟市中央区米山1-1-15

025-211-8788

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加茂有機米生産組合

新潟県加茂市大字矢立新田521

0256-64-7720

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