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オーダーメイドのデコレーションケーキが人気の「パレドール ワタナベ」。

  • 食べる | 2022.11.23

11月は菊まつりや紅葉狩りで弥彦を訪れた方、多いのではないでしょうか。そんな弥彦のシンボルともいえる大鳥居のそばに、「パレドール ワタナベ」という評判の洋菓子店があります。どのお菓子も人気がありますが、なかでもオーダーメイドできるオリジナルデコレーションケーキは、お祝い事などの贈り物にぴったりで大人気なんだとか。今回はオーナーシェフの渡邊さんを訪ね、ケーキ作りへのこだわりを聞いてきました。

 

 

 

パレドール ワタナベ

渡邊 辰巳 Tatsumi Watanabe

1965年西蒲原郡弥彦村生まれ。東京製菓学校卒業。都内の洋菓子店で修業を積んで新潟に戻り、1991年に「パレドール ワタナベ」をオープンする。最近はガーデニングが趣味。

 

弥彦の人気洋菓子店「パレドール ワタナベ」がオープンするまで。

——彌彦神社の菊まつりやもみじ谷の紅葉見物で、今の時期は弥彦を訪れる観光客も多いでしょうね。そんな忙しいなか、取材に対応していただいてありがとうございます。

渡邊さん:ここ数年で新しいお店がたくさんできて、弥彦はとても賑わっていますよ。

 

——「パレドールワタナベ」はずっとこの場所で営業されているんですか?

渡邊さん:以前はすぐ近くの別な場所で営業していたんですよ。でもお客様が増えてきたら駐車場が足りなくなってしまって、路上駐車でご近所にも迷惑がかかるから、広い駐車スペースのある今の場所に移転したんです。そもそもは両親が弥彦でずっと和菓子屋をやっていたんですよ。

 

 

——ご両親は洋菓子ではなく和菓子だったんですね。

渡邊さん:結婚式やお葬式、法事なんかで贈る式菓子を作っていました。僕は大学に進学するつもりだったけど受験に失敗してしまったので、しかたなく店を継ぐことにして、東京製菓学校に入学したんです(笑)

 

——じゃあ、お菓子作り自体も最初はしかたなく……?

渡邊さん:そうなんです(笑)。ただ当時の製菓学校の学生って、私と同じお菓子屋の跡取り息子ばかりだったんです。私とは違ってみんなやる気に満ち溢れていたんですね。だから私もそのうち、そのやる気に刺激を受けて、本腰を入れてお菓子作りに取り組むようになりました。

 

 

——卒業後はどこかで修業されたんでしょうか。

渡邊さん:東京の洋菓子店で修業をさせてもらいました。当時はバブル景気の真っ只中だったのでとにかく忙しかったんですよ。だから「洋菓子店って儲かる商売なんだな〜」なんて思い込んでましたね(笑)。でも仕事がハードだったせいか、勤めてから1年経った頃には先輩がみんな辞めてしまって、私がトップの立場になってしまったんです。

 

——勤めて1年しか経っていないのにトップになるってすごいですね。

渡邊さん:そのおかげで仕事に対する責任感が芽生えましたね。お菓子作りはもちろん、クレーム処理も全部私がやっていました。なかには理不尽なクレームもあって辛かったんですけど、そのおかげでお客様がどんなことに不満を感じているのかを知ることができて勉強になりましたね。私がいた頃にお店の売り上げが大幅に増えたのは、嬉しかったし誇りに思えましたね。

 

——そしてその後、新潟に戻ってこられたわけですね。

渡邊さん:結婚して子どもが生まれたのを機に、26歳のとき新潟に戻ってきました。まだ若かったので、もう一箇所くらい修業してみたい気持ちもあったんですが、弥彦でお店をやるからには早めにはじめた方がいいと考えていたんです。幅広くお客様からお店のことを知ってもらうには、それなりに時間もかかりますからね。

 

喜んでくれるお客さんのため、手作りのデコレーションにこだわる。

——「パレドール ワタナベ」のお菓子は、どんなことにこだわって作っているんですか?

渡邊さん:子どもからお年寄りまで、誰でも食べやすいお菓子を作るように心がけています。甘さも控えめにしているので「優しい味」と言ってもらえることが多いですね。そのおかげでお客様の年代も幅広いんです。

 

——なるほど。どんなお菓子が人気なんでしょうか。

渡邊さん:最初に話題になったのはシュークリームでした。修業先のマスターからも「誰もが食べやすくて買いやすいシュークリームは置いた方がいい」って言われていたんです。それから他のお菓子も売れるようになって、今人気があるのは「デニッシュコロネ」と「焼きドーナツ」です。

 

 

——ケーキも人気だとお聞きしました。

渡邊さん:オーダーに合わせて作る「オリジナルデコレーションケーキ」ですね。クチコミで人気が広がって、多いときは1日に80台作ったこともあります。私もまだ若かったし、せっかくの予約を断りたくなかったから、前日の夜2時頃から作業していました。キャラクターを描いたケーキのオーダーが多いんですけど、最近は似顔絵だったり、凝ったかたちのものも増えてきたので対応が大変なんです(笑)

 

——手作りは大変ですよね。でも、お客さんにとって特別感はひとしおなんじゃないですか?

渡邊さん:お客様のなかには、子どもが生まれてから20歳で成人を迎えるまでうちのバースデーケーキをオーダーされていた方がいたり、うちのケーキが子どもの頃の思い出になっていて、自分の子どもの誕生日にもオーダーしてくださる方もいるんですよ。そんなお客様のためにも頑張って続けていきたいと思っています。イラストをコピーしてケーキにプリントできる機械もあるんですが、私はできる限り手作りにこだわっていきたいんですよね。

 

 

——お客さんの大切な思い出にもなっているんですね。これからクリスマスにかけて、洋菓子店では忙しいシーズンを迎えますね。

渡邊さん:実は12月よりも3月の方が忙しいんです。12月って忙しさのピークはクリスマスから年末にかけての一時期だけですけど、3月はひな祭りからはじまってホワイトデー、卒業入学、引越しとイベントだらけで、1か月間忙しさのピークが続きます。

 

 

——それは知りませんでした。

渡邊さん:でも忙しいからといってスタッフを夜遅くまで働かせたくはないので、11月から3月に向けてしっかりと予定を立てて進めていきます。来年はスタッフを増やす予定なので、いろいろと新しいことにも挑戦できるんじゃないかって思っています。

 

——例えばどんなことでしょう?

渡邊さん:今後はカフェのメニューをもっと充実させたいと思っています。今までなかったパフェや、焼きたてのチーズケーキを提供していきたいです。あとはイベントにも力を入れて、来ていただけたお客様に楽しんでいただきたいですね。

 

 

 

パレドール ワタナベ

西蒲原郡弥彦村矢作7374-1

0256-94-2438

10:00-19:00

月火曜休

※掲載から期間が空いた店舗は移転、閉店している場合があります。ご了承ください。
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