Things

西蒲区の古民家で、粉にこだわったパンを販売する「マルニチガイ・丁字」。

新潟市の西蒲区、巻潟東インターの近くに、農家の古民家みたいな建物の隠れ家的ベーカリーがあります。予約制でカフェの利用もできるというこちらのお店、その名を「マルニチガイ・丁字(ちょうじ) 」といいます。今回はこのお店をやっている杉本さんご夫婦に、お店がオープンするまでのこと、メニューのこだわりなど、たくさんお話を聞いてきました。

 

 

マルニチガイ・丁字

杉本 正道 Masamichi Sugimoto

1973年静岡県生まれ。地元のコンピュータ専門学校卒業後、JAに入社したのをはじめ、電器店、保険会社、貿易会社などで経験を重ね、請負会社で働いていたときに愛さんと出会う。無添加パンの美味しさに衝撃を受けてパン作りを始め、2015年6月に愛さんとともに「マルニチガイ・丁字」をオープン。

 

杉本 愛 Chika Sugimoto

1981年新発田市生まれ。愛知の大学を卒業後、働いて貯めたお金で4ヶ月間屋久島で過ごし、ユースホステルで働きながら自然や歴史について学ぶ。その後は働いていた三重のオーガニックカフェに影響を受け、新潟に戻って自然食のカフェを開く決心をする。4年間の準備を経て2015年6月に正道さんと「マルニチガイ・丁字」を始める。

 

添加物を使わない、自然食のカフェがオープンするまで。

——おふたりはどちらで出会ったんですか?

愛さん:夫は、私が請負会社で働いていたときの上司だったんですよ。私はその会社を早期退職してから、日本全国を旅して回りました。もともと自給自足に興味があったので、そのヒントを探して回っていたんです。そのとき、あるカフェに出会ったんですよね。

 

 

——ほう、運命の出会いみたいな感じですね。それはどんなカフェだったんですか?

愛さん:自然食材を使ったオーガニックカフェでした。そのカフェには全国から人が集まってきていたんですけど、話をしてみると「新潟のことをよく知らない」っていう人が多かったんです。それで、もっと新潟に興味を持ってもらうためにも、「新潟でこんなカフェをオープンしたい」と思うようになりました。

 

——それでカフェを始めたんですね。

愛さん:そうなんです。でもまず、その前にお金を貯めようと思って、三重にある病院で医療事務の仕事をしたんです。ところが自分が病気になってしまって。食べられるものが制限されるようになってしまったんですよ。中でも食品添加物が食べられなくなってしまったんですね。それで、自分と同じように添加物が食べられない人のためのカフェをやろう、という目標ができました。

 

——なるほど。「マルニチガイ・丁字」はそんなコンセプトで始めたんですね。お店を古民家に決めたのはどうしてなんですか?

愛さん:三重のオーガニックカフェも古民家で営業していたので、私もそんな感じのお店をやりたいと思っていたんです。2年がかりで探してやっと見つけたんです。でも30年間誰も住んでいない空き家だったので、リノベーションが大変でした。

 

正道さん:私が2年かけてリノベーションして、3年目の2015年6月に「マルニチガイ・丁字」をオープンしたんです。

 

 

小麦粉の味が楽める、素朴で力強いパン。

——「マルニチガイ・丁字」はベーカリーでもあるんですよね。パンは正道さんが作っているんですか?

正道さん:テレビ番組で見た無添加パンがあんまり美味しそうで、取り寄せてみたんです。添加物を使っていないパンだから妻でも食べることができて、何よりも美味しかったんですよ。そこでお願いして、そこで弟子にしてもらうことになったんです。

 

——そのパン屋さんに弟子入りしたと?

正道さん:ところが、パン屋さんではなかったんです(笑)。その方は、オーストラリアで子どもの頃食べていた全粒粉のパンが日本になかったので、自分たちが食べるためにそういうパンを作っていたんですよ。でもいろいろな人に頼まれてパン作りを教えているので、お弟子さんは各地にたくさんいたんです。その師匠の下で修行を始めることになりました。

 

——修行は大変でした?

正道さん:私はもともと舌には自信があって、一度食べたものは自分で再現できるという特技があるんです。だいたいのものは1〜2回試作すれば作れちゃうんです。だから修行もレシピを教わるっていうよりは、手技だけ覚えるような感じでしたね。どこの小麦粉を使っているのかも教えてもらいました。

 

 

——おお、すごい才能をお持ちなんですね。小麦粉のメーカーを聞いたのはどうしてなんですか?

正道さん:とにかく小麦粉の美味しさに惹かれたんです。だから粉の味がダイレクトに伝わるパンを作るようにしていますし、粉に合う素材を使うようにしています。とにかく小麦粉を味わってほしいんです。

 

——とにかく小麦粉に惹かれたんですね。ちなみにどんな小麦粉を使っているんですか?

正道さん:うちで作っているパンは大きく分けてふたつあるんです。ひとつは北海道産小麦を100%使った「北の大地」。もうひとつは古代小麦の全粒粉を配合した「古代の力」です。どちらもミックス粉とは違って小麦本来の味が伝わると思います。

 

 

——小麦粉の他にこだわりはあるんでしょうか?

正道さん:パンは牛乳、卵、バターを使わずに作っています。動物性たんぱく質の食材が入っていないので、腐りにくくて長い間保存が効くんです。最初は参加したイベントで提供していたんですが、アレルギー体質の子がパンを美味しそうに食べる顔を見て、ベーカリーとして販売してみようと思ったんです。

 

人と人をつなぐ、ハブ的なカフェになりたい。

——ところでカフェは予約制なんですよね。

愛さん:そうなんです。私たちって、お客様が来てくれるのを待っているのが性に合わないんですよね(笑)。だから思い切って1組限定の予約制にさせていただいたんです。お客様の中にはベジタリアン、ビーガン、宗教的に食べられない食材があるという方も多いんです。どこかでうちの店のことを知ってきてくれるんでしょうね。

 

 

——パンはお店で販売する他に、どこかで売っているんですか?

正道さん:農産物直売所で委託販売してもらっていますし、参加したイベントでも販売しています。近々キッチンカーを準備してイベント出店する予定なんです。

 

——それは楽しみですね。

正道さん:カフェの方もいろいろな人と人をつないでいく、ハブ的な空間になっていけたらいいなと思っています。「何か新しいことを始めたい」って思っている人を応援したり、お手伝いしていけたらいいですね。

 

 

 

マルニチガイ・丁字

新潟県新潟市西蒲区巻東町128-1

不定休

  • She
  • Things×セキスイハイム 住宅のプロが教える、ゼロからはじめる家づくり。
  • 僕らの工場
  • 僕らのソウルフード


TOP