胎内市の郊外にポツン。30年続いたお店「あいか」を引き継いで。

こんな所にポツン。突如として現れる隠れ家店には物語があった。

国道沿いや県道沿いを車で運転していると、突如として道ばたに現れるお店。「え?こんなところに!?」そんな、何もないところにポツンと建っているお店には、実はいろんな物語が詰まっていたりします。胎内市星の宮町にある「あいか」もそのひとつ。道路沿いにひょっこり現れる住宅地の中に、ポツンとたたずむちょっと地味でちょっとレトロなこのお店。どうしてこの場所を選んだのか、どんなお客さんが訪れるのかなど、オーナーである渡辺さんにお話をうかがいました。

 

あいか

渡辺啓介 Keisuke Watanabe

1988年生まれ。千葉の高校で調理師免許を取得後、東京の調理師専門学校へと進学。子どもの誕生を機に、新潟へ帰郷。妻と子の3人暮らし。ドラゴンボールが好きで、店内にはちょこんとキャラクターが顔をのぞかせている。

 

ここが胎内のポツン。先代から引き継いだ「あいか」。

胎内市をまたぐように通っている中条黒川バイパス(国道7号線)を車で走っていると、ちょっとした住宅街に入ります。その住宅街にポツンとあるお店こそ、今回ご紹介する「あいか」です。昔ながらの外観にちょっと尻込みする人もいるかもしれませんが、ドアを開けてみると、レトロな雰囲気にオシャレなカフェのテイストが加えられた、不思議と落ち着く空間が店内に広がっています。出迎えてくれたのはまだ30歳を過ぎたばかりのオーナー、渡辺さん。

 

 

――正直、地元の人たちだけが来るような場所だと思います。なぜ、この場所にお店を構えたのですか?

渡辺さん:この「あいか」というお店は1990年から続いている店で、もともと切り盛りしていたのは僕ではないんです。

 

――もしかして、渡辺さんはお客さんだったとか?

渡辺さん:そうなんですよ。この近くに実家があって、昔から馴染みの店でした。前のオーナーが70歳を過ぎて「そろそろ年だし、店を辞めようと思っている」という話を聞いていたんです。

 

――それで引き継いだのですか?

渡辺さん:話を聞いてからはしばらく悩みました。当時、僕は鳥屋野(新潟市中央区)で「Like out store」という洋風総菜の専門店をやっていましたから、今の店の仕事もあるし、でも思い出の店も残したいし、「あいか」に通っている常連さんたちのためにも…いろいろな思いが絡み合っていましたね。

 

――でも、今この場所にいるということは、結果的に引き継いだってことですよね?

渡辺さん:そうですね(笑)。「Like out store」の賃貸契約が更新の時期を迎えたこともあって、決心をして、2018年9月に「Like out store」を閉めて、10月には「あいか」をリニューアルオープンしました。

 

――準備期間は1ヶ月ですか?めちゃくちゃ早いですね。

渡辺さん:頑張りました!とはいえ、元々「あいか」で使っていた調理機材を生かしながら、「Like out store」で使っていたものも持ち込んで、という感じだったのでそんなに時間はかかりませんでした。使っていたイスやテーブルもそのままですし。むしろ内装はちょっとした装飾以外は前のまま活用しました。昔からの常連さんにガラッと変わったなと思われるのも、なんか寂しいですから。

 

常連客を引き継ぐことの意味。

――「あいか」をリニューアルオープンさせてからは、いろいろ苦労もありましたか?

渡辺さん:ないといったらウソになりますかね。常連さん(地元の人)は、どちらかといえば思ったことをストレートに伝えるタイプの方が多いので「あれ作って」「これはないの?」など、メニューにない注文がいろいろあり最初は戸惑いましたね。

 

――ローカル特有の注文方法ですね(笑)。

渡辺さん:そうなんですよ(笑)。でも今までの常連さんがいてくれたおかげで、僕の思い出の場所である「あいか」はずっと続けてこれたと思うんですよ。正直、「Like out store」では洋食系のメニューばかりを出していたので、そういうメニューをたくさん出したいんです。でも、年配の方が多く和食も作らないわけにはいかないので、常連さんが好むメニューと自分が作りたいメニューのバランスは意識して構成を考えていますね。

 

――実際に洋食メニューを食べた常連さんの反応はどうでしたか?

渡辺さん:ん~ぼちぼちですかね(笑)。常連さんはあまり新しいメニューに挑戦をしないので、どちらかといえば、新しいお客さんに足を運んでもらうためと思っています。胎内市のなかでも端の方に位置しているので、お店まで足を運んでもらう理由作りですかね。それこそ“ポツン”とした立地なので(笑)。

 

――常連さんも大切にしつつ、新しいお客さんも呼び込む。なかなか大変ですよね。

渡辺さん:大変ですが、楽しいですね。それこそ材料があれば、常連さんからの「あれ作って」「こんなの食べたい」にも対応しています。そういうコミュニケーションのあり方もこの立地や、先代が守ってきてくれた常連さんとの関係性だと思います。

 

こんなメニューがあるよ。

定番メニューをはじめ、日替わりで提供されるメニューは300~500円台と、リーズナブルに楽しめるものばかりです。サワーなどの気取らないアルコール類も多数用意されています。

 

US産牛ハラミのステーキ 1g10円(100gからのオーダー)
モツ煮込み 500円
パテ・ド・カンパーニュ 500円

これからの「あいか」の新たな試み。

とにかく「今までの常連さんを大切に」と考えている渡辺さんは、常連さんたちに新しい「あいか」の楽しみ方を提案しつつも、新規のお客さんを呼び込むためにそれまでやっていなかったランチ営業をスタート。(ちなみに取材時にはメニュー内容はまだ決まっていませんでした。)きっと、「Like out store」で提供されていたオシャレでインスタ映えするような洋食メニューから、常連さんにも楽しんでもらえるような和食メニューと、多くのお客さんが楽しめるランチタイムの風景が想像できます。古き良きモノと、新たなエッセンスが混ざり合った、ちょっとレトロで落ち着く空間「あいか」に、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

 

あいか

新潟県胎内市星の宮町17-5

0254-28-7818

火曜定休

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