地元の人たちに癒しを与える「小森豆腐店」のソフトクリーム。
食べる
2023.02.21
下町の風情が残る「フレッシュ本町商店街」に、「小森豆腐店」という老舗のお豆腐屋さんがあります。お豆腐はもちろんお惣菜も充実していて、地元の人たちの食卓を支え続けてきたお店なのですが……、なぜか名物はソフトクリームなんです。気さくな四代目店主の小森さんから、お豆腐や名物のソフトクリームについてお話を聞いてきました。


小森豆腐店
小森 正人 Masato Komori
1972年新潟市中央区生まれ。地元スーパーで8年間修業した後、家業の「小森豆腐店」で働きはじめ、四代目店主となる。ラジコンカーが趣味で、全国大会にも出場する腕前。
卸売から小売に変わった、下町の老舗豆腐店。
——「小森豆腐店」さんって、創業はいつなんですか?
小森さん:何しろ昔のことなんで、いつ創業したのかはっきりはしないんだけど、俺で四代目になります。ひいじいちゃんの代から続いている豆腐屋で、最初はこんにゃくを作っていたらしいんです。
——ずっとこの商店街で営業されてきたんですか?
小森さん:ここで営業するようになったのは俺の代からで、オープンして20年目くらいなんですよ。その前は赤坂町で卸売用の豆腐や油揚げを作っていました。

——んっ? ってことは、以前は小売をやっていなかったんですか?
小森さん:ほとんど卸売専門でしたね。スーパーや八百屋、飲食店なんかに卸していたんです。
——それなのに、どうして小売をはじめたんですか?
小森さん:不景気もあって、取引先のお店がどんどん閉店していっちゃったんです。お寿司屋さんでいなり寿司を作らなくなったから、油揚げの需要が激減してしまいました。そこでお客様に直接販売する小売店をはじめたんです。

——時代の流れを感じてしまいますね。小森さんは学校を出てすぐに家業に就いたんですか?
小森さん:俺は若い頃にやんちゃしていたこともあって、親父から地元のスーパーで修業させられていたんですよ(笑)
——「世間で揉まれてこい」みたいな感じでしょうか(笑)。スーパーでの修業はいかがでした?
小森さん:俺がいずれ家業の豆腐屋を継ぐことを前提に修業させてくれたので、仕入れから請求書の作り方まで、商売に関するいろいろなことを教えてもらえましたね。本当に勉強になったし感謝しています。

おぼろ豆腐から、豆乳ソフトクリームまで。
——「小森豆腐店」さんは、どんなことにこだわって豆腐を作っているのでしょうか。
小森さん:新潟県産の大豆を使って、じいちゃんの頃から製法を変えずに手作りしています。素材にはこだわっていきたいんですよね。大豆の価格が上がっているから商売は厳しいんだけど、そんななかで20年間値上げしていないのが自慢かな(笑)

——お豆腐屋さんとしての心意気を感じます。仕事をしていて何か大変なことってありますか?
小森さん:朝は3時頃から仕事をはじめるし、油揚げやがんもどきまで作るときは2時頃からはじめるけど、慣れちゃえばどうってことないですねぇ……。まあ、大変なことといえば、寒いと水が冷てぇってことくらいかな(笑)
——今の時期は大変ですね。おすすめはどんな豆腐ですか?
小森さん:おぼろ豆腐は人気があるかな。絹ごしも木綿も美味しいんだけど、あんま売れないんだよね(笑)。やさい豆腐やごま豆腐も買っていくお客様が多いかな。ごま豆腐は食パンに塗って食べても美味しいんですよ。

——へぇ〜、そんな食べ方はじめて知りました。お惣菜も充実していますよね。
小森さん:若い頃に修業させてもらったスーパーが閉店することになったんですけど、どうしてもそこのお惣菜の味を残したかったんです。そこでお惣菜を作っていた方にお願いして、うちの店で作っていただいているんですよ。ちょっと一品欲しいときに便利だし、お手頃価格なのでよく売れますね。

——どれも美味しそうですよね。あと、もうひとつ意外なものを売っていますよね?
小森さん:ああ、ソフトクリームですね(笑)
——その通りです(笑)。どうしてはじめることになったのか、いきさつを教えてください。
小森さん:うちのお店は年配のお客様が多いんですけど、もっと幅広い年代のお客様から来ていただきたいんです。どうしたら若い方にも来ていただけるのか考えたら、ソフトクリームが思い浮かんだんですよ。ただのソフトクリームでは面白くないので、「豆腐屋がやるんだったら豆乳を使ったソフトクリームだろう」ということで、豆乳ソフトクリームをはじめたんです。

——大豆の味がしっかり楽しめる上に、あっさりしていて食べやすいですよね。
小森さん:ありがとうございます。ソフトクリームの機械は安い買い物じゃないので、はじめるときは迷いもありましたけど、子どもからお年寄りまで喜んで食べに来てくれるようになったので、はじめてよかったと思っています。ソフトクリームを食べに来たついでに豆腐や惣菜を買っていってくれたり、その反対もあったりしてありがたいですね。
——「小森豆腐店」さんのソフトクリームが、地元の人たちに癒しを与えているように感じます。
小森さん:地元の人に愛されるお店を目指してやってきたので、そうだったら嬉しいですね。よく豆腐のネット販売を勧められるんですけど、新鮮な方が美味しいと思うし、地元を大切にしたいので店舗販売のみでやっていきたいんです。これからも、お客様に喜んでいただけることを考えていきたいですね。

小森豆腐店
新潟市中央区本町通12番町2746-1
025-210-2113
10:00-18:00
日曜休
Advertisement
関連記事
食べる
日替わり6種類のジェラートが並ぶ、白山浦の「Gelateria nicoco」。
2025.09.05
食べる
五頭の自然のなかでイタリアンを楽しめる「Taverna Trifoglio」。
2022.08.19
遊ぶ, 食べる
駄菓子屋なのに本格カレーやチャーハンが味わえる「天狗商店」。
2020.01.15
食べる
地域を大切に、季節の素材を楽しむ内野「旬菜バルkansichi」。
2021.08.08
食べる
味だけではなく、ビジュアルやスタイルにもこだわる「中華蕎麦 采ノ芽」。
2022.02.20
食べる
中野さんが選ぶ、食料品、お酒、おかずたち。人情横丁の「ナカノ食料品店」。
2025.11.05
新しい記事
カルチャー
楽しいときは、跳ねたっていいよね。
心が動く道草場「絵本テントすだち」
2026.06.14
食べる
基本を大切に変わらず続けてきた
「らーめん麺華」のうま煮ラーメン。
2026.06.13
食べる
花が咲く場所で会えるかも⁉
炭火焙煎コーヒーの「珈琲工房うた」
2026.06.12
ものづくり
安田瓦の優れた魅力を広く伝える
「にいがた瓦館 かわらティエ」
2026.06.11
食べる
パンづくりが好きだから続けられた。
長岡「moko bread」の桑原さん。
2026.06.10
イエとヒト。リノベーション
イエとヒト。Renovation #1 暮らしの記憶を宿し、「庭を愛でる旅館」へと仕立て直した家。
PR | 2026.06.10


