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日本酒とイタリアンワインに詳しいふたりがはじめた「おこめとぶどう こふ」。

「詳しくないんだけど、自分にあった日本酒を楽しみたい」「料理に合うワインをオーダーしたい」。そんなリクエストに応えてくれるお店が、新潟市の西堀通にオープンしました。「おこめとぶどう こふ」では「唎酒師(ききさけし)」の資格を持つ土谷さんと、イタリアンワインに詳しい田川さんが、日本酒とワインについてそれぞれ気軽にアドバイスをしてくれるんです。今回は土谷さんにお店のこだわりをいろいろ聞いてきました。

 

 

おこめとぶどう こふ

土谷 梓 Azusa Tsuchiya

1979年新潟市東区生まれ。高校時代にアルバイトしていた居酒屋を皮切りに、様々な飲食店での勤務を経験。「新潟清酒達人検定」で「金の達人」の認定を受け、「SSI」認定の「唎酒師」資格を取得。2023年に田川さんと「おこめとぶどう こふ」をオープン。最近はキャンプにハマっていて「松之山キャンプ場」がお気に入り。

 

「唎酒師」の資格を取得するまでの苦労。

——オープンおめでとうございます。こちらはどんなお店なんですか?

土谷さん:今までいろんな和食のお店で働いてきた私と、30年以上イタリア料理を作ってきたパートナーの田川さんが組んで、お互いの得意なことを生かしたお店になっています。

 

——得意なことというと?

土谷さん:和食やイタリアンといったお料理はもちろん、田川さんはイタリアワインに詳しいですし、私は「新潟清酒達人検定」で「金の達人」に認定されて、日本酒「唎酒師」の資格を持っているんです。

 

 

——それは心強いですね。土谷さんは昔から日本酒に興味が?

土谷さん:お酒は好きだったし、ずっと居酒屋やダイニングで働いてきたんですけど、日本酒に特別な興味は持っていなかったんです。学生の頃にアルバイトしていた居酒屋で、仲の良かったバイト仲間と「いつか一緒に飲食店をはじめよう」と誓い合って以来、ずっと和食をメインにした飲食店で働いてきました。結局その夢は叶わなかったんですけどね(笑)

 

——あらら……それは残念ですね。土谷さんは調理の仕事も経験されてきたんですか?

土谷さん:2番目に勤めた創作ダイニングのお店では正社員として働かせていただきました。「正社員として勤めるのなら包丁も握れなければならない」ということで、ホールとキッチンの両方をやるようになったんです。

 

——料理人の修業はキツくなかったですか?

土谷さん:労働時間的に見れば大変な部分もありましたけど、辛いと思うようなことはありませんでしたね。手が飛んでくるようなこともなかったですし。せいぜい遊び半分でプロレス技をかけられたくらいでした(笑)

 

——それもどうかと思いますが(笑)。そうそう、日本酒に興味を持ったいきさつを聞いている途中でしたね。

土谷さん:そうでした(笑)。世間で日本酒人気が盛り上がった頃に興味を持ちはじめたんです。お店でも日本酒を頼むお客様が増えて質問を受けることが増えたので、勉強しようと思うようになりました。当時のオーナーが珍しい日本酒を買ってきてはスタッフに試飲させてくれたので、とても勉強になりましたね。

 

 

——その勉強の果てに「唎酒師」の資格を取得したんですね。

土谷さん:ただ「唎酒師」の資格を取るのに10万円かかることを知って躊躇したんです。同じ頃に知った「新潟清酒達人検定」は3千円で受けることができたので、とりあえずそちらを受験することにしました(笑)。銅、銀、金と三段階の達人があるんですけど、7年かけて「金の達人」に認定していただくことができたんです。

 

——「唎酒師」の資格は、じゃあその後に?

土谷さん:独立する直前まで働いていたお店が、「唎酒師」を認定する「SSI(日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会)」の法人会員だったので、半額で受験することができたんです。その上、残りの受験料を会社が立て替えてくれて、給料から少しずつ天引きする方法を取っていたので試験を受けやすかったんですよね。

 

——それはラッキーでしたね。

土谷さん:本当にラッキーでした。おまけに「唎酒師」の資格を取ると毎月資格手当がついて、すぐに元が取れるので、喜んで挑戦させていただきました(笑)。その前に勉強していた「新潟清酒達人検定」のおかげで、ある程度日本酒の知識は頭に入っていたので、思っていたよりも苦労をせずに「唎酒師」の資格を取ることができました。おかげで自信を持ってお客様に日本酒を勧められるようになりましたね。

 

日本酒のお品書きも、ワインリストもないお店。

——「おこめとぶどう こふ」をはじめたいきさつを教えてください。

土谷さん:前職は全国チェーンの飲食店だったんですけど、新潟店が撤退することになってしまったんです。途方に暮れていたところ、田川さんの知り合いから「せっかくだから、ふたりでお店でもやればいいじゃん」と物件を紹介してもらいました。そこで内装工事や銀行からの融資といった事業準備をはじめたんですけど、思ったように進まなくて予定していた物件の話が白紙になってしまったんです。でも、お店をやりたいという気持ちは強かったので、なんとか他の物件を探してオープンに漕ぎ着けました。

 

——それは大変でしたね。ところで「おこめとぶどう こふ」という店名にはどんな意味があるんですか?

土谷さん:「こふ」というのはイタリアワインの産地呼称なんです。田川さんは以前ワインが苦手だったんですけど、「コッリ・オリエンターリ・デル・フリウリ」という産地呼称のワインを飲んだときに、イタリアンワインの美味しさに目覚めたんだそうです。その地名が長過ぎることから「C.O.F.」と略して「コフ」と読むので、それを店名に使わせてもらいました。

 

 

——アルファベットや片仮名じゃなくて、平仮名にしたのは?

土谷さん:コラボしている日本酒や和食のイメージも表現したくて、平仮名を使いました。漢字を当て字した「古布」という候補もありましたが、柔らかいイメージの平仮名に落ち着いたんです。

 

——「おこめとぶどう」というのは、日本酒とワインを表しているんですよね。とても粋な言い回しだと思います。

土谷さん:ありがとうございます。お店のことを知っている人にはわかってもらえますけど、まったく知らない人からは「おにぎりもやってるの?」なんて言われることもあるんですよ(笑)

 

——お洒落すぎるんでしょうかね(笑)。日本酒のメニューには蔵元しか書いてないし、ワインはメニューすら見当たらないようですが……。

土谷さん:そうなんですよ。すべてのお酒を常にご用意できるわけではないので、取り扱っている蔵元さんの名前だけ掲載して、三段階の価格からご提供できる日本酒をお勧めするようにしているんです。

 

 

——ワインは完全にお任せで選んでもらえるんでしょうか。

土谷さん:田川さん自身が「人間ワインリスト」になっています(笑)。ワインっていうのはお料理と密接に関わるお酒なんですよね。だから召し上がるお料理に合わせたワインをお勧めしているんです。小さなお店ですので、お客様とのコミュニケーションを大切にしながらお酒をお勧めしています。

 

——おふたりが日本酒やワインに詳しいからこそ、できることなんでしょうね。お料理はどんなものがあるんですか?

土谷さん:定番メニュー以外は、その日に仕入れた食材に合わせてメニューを決めていますね。お料理や酒の肴は、ワインや日本酒に合う味付けを心がけて作るようにしています。どちらも同じ醸造酒ですので、意外とシェアすることができるんですよ。ぜひ当店で、いろんなペアリングをお試しいただきたいですね。

 

 

 

おこめとぶどう こふ

新潟市中央区西堀通3番町800-1 西堀セントラルハイツ1F

025-378-0377

17:00-24:00(土曜15:00-24:00/日曜15:00-21:00)

不定休

※掲載から期間が空いた店舗は移転、閉店している場合があります。ご了承ください。
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