イベント「RISE IN DA BARBER’S with tricolore night」が、9月15日、万代島多目的広場大かまを会場に開催されます。理容師が自身のスタイルや腕を競うバーバーバトルをメインに、アメ車が集まるカーショーや、新潟にゆかりのあるアーティストのステージも企画。さまざまなカルチャーが交差するイベントです。こちらを主催している「gentlemanBarber」のボス・東城さんに、開催にまつわる思いなどお話を聞いてきました。
gentlemanBarber
東城 友秋 Tomoaki Tojo
1982年新潟市生まれ。新潟理容美容専門学校通信教育を卒業後、さまざまな理容店で腕を磨き、2016年「gentlemanBarber」をオープン。アメ車、タトゥー、釣り、キャンプなど、趣味のレパートリーが豊富。
――「RISE IN DA BARBER’S with tricolore night」ってどういうイベントなんですか?
東城さん:バーバーバトルがメインで、今回はそこにアメ車が集結するカーショーが合わさって、アメリカンな一日を過ごしてもらうっていう。テーマとしてはそんな感じのイベントですね。
――今年で開催して何年目なんですか?
東城さん:「RISE IN DA BARBER’S」は今年で6年目。ローカルのバーバーバトルのイベントとしてはじめて、最初はいろんな地域の人たちに協力してもらって一緒にやっていたんだけど、途中から俺がメインになって。そのときに新潟だけでやっているのも面白くないなと思って、県外でやってみようと思って沖縄で開催したんです。
――沖縄で開催してみてどうでした?
東城さん:そしたら大成功。かっこいい人たちがいっぱい来てくれて、会場はパンパン。地元の人たちもすごく協力してくれたし。それで次は青森でやったんだけど、また盛り上がったんだよね。
――県外での開催をどんどん成功させていったわけですね。
東城さん:わからないまま運営していたから、とにかく大変で。身内に手伝ってもらったところもあったんだけど、それでも回っていなかったからクレームも多くて、かなりきつかったんだよね。
――お店の営業もしながらイベントの運営って、そりゃ大変ですよね。
東城さん:だからもっと協力者が必要だと思ったし、コロナ禍もあって、2年くらい開催を休んだんです。そんなときに東京の理容師組合の方がやっているイベントで、うちのスタッフが優勝したんだ。それですごい喜んでいたの。俺も感動して「やっぱりまたイベントがやりたいな」と思った。
――スタッフさんの優勝をきっかけに、また「RISE IN DA BARBER’S」を開催しようと。
東城さん:正直、組合さんって型にはまっている感じがして自分たちとは違うと思っていたんだよね。でもそういう人たちと一緒にやることで、何か新しいことが見えるんじゃないかと思って。それで勇気を出して「協力してもらえませんか」って声をかけたんだ。そこから「RISE IN DA BARBER’S with tricolore night」として一緒にイベントをやるようになったんだよね。
――組合とローカルのバーバーで、面白い化学反応が生まれそうですね。
東城さん:カルチャー系の人もいれば真面目そうな床屋さんもいて。そういう人たちがお互いに刺激をしあうっていう。いろんな人たちのリンクが面白いんだよね。その架け橋みたいになれたらいいなと。
――すみません、そもそもなんですけど、バーバーバトルって「理容師としての腕を競うバトル」で合っていますか……?
東城さん:腕もなんだけど、1位になる人は、やっぱり1位になるべくしてなる人であってほしいと俺は思っていて。もちろん技術とか所作もしっかり見るんですけど、カリスマ性とか、ファッションとか、モデルさんに合ったスタイルかどうかとか、そういうところも厳密に見て、審査員みんなで審査します。けっこう優勝のハードルが高いと思うんで、いいトロフィーになるんじゃないかなと思いますね。
――バトルと同時に、カーショーも開催するそうですね。
東城さん:バーバーの文化は、アメリカのカーカルチャーから生まれているような気がしていて。アメリカのイベントって、車のレースをしている人とか、車を並べて見ている人たちがいるところに、絶対バーバーがいるんだよ。そういうものでありたいから、「バーバー」っていう枠の中にいるだけじゃなくて、他の文化と混ざることによって、新しいものが見えるんじゃないかと思ったんです。
――なるほど。
東城さん:今回のカーショーは車のメカニックをやっている「Alaws」さんが中心になって、全国からすごい車が集まります。余裕を持った大人が好きな車で楽しんでいる姿って、すごいかっこいいんだよね。そんな大人を見てもらいたいし、そんな車を見てもらいたいですね。
――アーティストのライブもあると聞きました。
東城さん:地元で頑張っている方を抜選して、ライブをやってもらおうと思っていて。「Country barber´s battle 」っていうタイトルでイベントをやっていて、要するに「田舎から出てライズしようぜ」っていうことなので、そこが一致するような方と手を組んで一緒にやるつもりです。
――このイベントを開催するいちばんの目的ってどんなところですか?
東城さん:やっぱり若い人に「いいな、俺もあんなふうな床屋になりたい」って思ってもらえる場を増やしたいっていうのと、「バーバー」っていうカルチャーが、新潟市のスパイスとしてあってもいいんじゃないかなっていう思いで動いています。あとは僕らみたいに一生懸命やっている人間だったり、楽しんでバーバーをやっている人だったりのかっこよさを、いろんな人に見てもらいたいなと強く思っていて。
――楽しんでいる大人のかっこよさですか。
東城さん:僕らって見た目は強烈かもしれないけど、それは自分の好きなことだから曲げちゃいけないと思うんです。ただ自分の好きな分野を追求していて、みんなそのアンテナが違うだけ。今の時代、好きなことはまっすぐ表に出していって、人間としては紳士的で、ちゃんとルールを守って、技術もピカイチっていうのが、いちばんかっこいいんじゃないかなって思うし。それぞれ好きなことを追求していって、それがマイナスに働かなければ、すごくいい世の中になるんじゃないかなって。若い人に、そういう大人の姿を見せることが大事なのかなと思っています。
――イベントの話からは少し逸れますが、「gentlemanBarber」の2号店を出すそうですね。
東城さん:そうそう。だいたい9月半ばぐらいのオープン予定で、新店舗は古町東堀通6番町で、店名は「queen’s by gentlemanBarber」。
――どういう思いでつけた店名なんですか?
東城さん:意味はいろいろあるんだけど、ブルックリンの近くにクイーンズっていう町があって、そこが世界でいちばんの多国籍都市なわけ。新店舗はうちのウッチーに任せようと思っていて、彼女は多国籍な文化が好きなの。それに人たらし。だからそんなお店にしたいなって。
――「クイーンズ」って街の名前なんですね。
東城さん:あと、チェスで言う「クイーン」って最強の駒なんだよね。普通オーナーだったら最強の駒は残しておきたいわけ。でも俺にとっても挑戦だから、いちばん頼っているヤツらを外に出したかった。で、もう一度クイーンを育ててみようっていう覚悟があったんだよね。
――じゃあ「gentlemanBarber」とはまた違う雰囲気のお店になりそうですね。
東城さん:ちょっと違いますね。1950年代の雰囲気で作ろうと考えていて。その時代ってバブリーな雰囲気で、音楽はぴょんぴょん跳ねている感じだし、色使いもすごく鮮やかで。そんな店内で、うちのスタッフがタイムスリップしてきていきなり床屋をはじめた、みたいなイメージで店を作ろうと思っています。
――最後に、この記事を読んでいる方へメッセージをお願いします!
東城さん:みんなでめちゃくちゃ考えて、やっと実現できる特別なイベントなので、皆さんに来て欲しいです。車とかバーバーバトルとか、興味がなくても興味がある人になる可能性もあるので、一度見てもらいたいですね。
――開催が楽しみですね。
東城さん:2号店も、僕らが1950年代のバブリーな雰囲気を古町に持っていけたらいいなと思っているので、ぜひみんなで盛り上げて行きたいですね。「新潟ってつまんない街だよね」ではなくて「楽しいことを作っていこうぜ」って方に回ってくれたらいいなと思います。
RISE IN DA BARBER’S with tricolore night with car show
開催日:2024年9月15日(日)
会場:万代島多目的広場大かま
当日チケット:一般¥4,000/学生¥3,500