Things

平成に生まれて令和に復活した輸入雑貨店「ROSEBEAR®」。

大人可愛い雑貨と素敵なテディベアたち。

上越市にある「ROSEBEAR®(ローズベア―)」はテディベア作家の吉川照美さんが営む輸入雑貨店。平成元年にオープンして一旦休業。そして、この令和元年に復活オープンしました。今回は吉川さんに、お店を開いたキッカケやテディベアにまつわるエピソードなどを聞いて来ました。

 

ROSEBEAR®

吉川 照美 Terumi Yoshikawa

1960年上越市生まれ。平成元年「ROSEBEAR®」を立ち上げる。テディベア作家として活躍。FMみょうこう「ヤッちゃん テルちゃんのGOGO金」パーソナリティー。

 

雑貨の仕入れで出会ったテディベア。

――今日はよろしくお願いします。吉川さんは「ROSEBEAR®」のオーナーでありながら、テディベア作家としても活動されていますよね。テディベアとはどんな出会いを?

吉川さん:「ROSEBEAR®」は平成元年にスタートしました。今と同じように輸入雑貨を取り扱っていて、定期的に海外へ仕入れに行っていたんです。当時、有名な雑貨店には必ずと言っていいほどアンティークのテディベアが売られていて、仕入れ先としてもいろいろ探していました。それで、とあるお店で1体のアンティークベアに出会って。私のファーストベアです。大きなとぼけた顔がとっても可愛くて「テディベアを作ってみたい」と思わせてくれたんです。だから今の私があるのは、このテディベアのお陰なの。

 

――運命に出会ったんですね。それからテディベアを作りはじめたんですか?

吉川さん:輸入雑貨店をやりながら細々と。あるとき、日本テディベア協会のショーに出品することになって…なんと受賞しちゃったんです。あれよあれよとテディベア作家として有名に。「ROSEBEAR®」は輸入雑貨店でありながら、テディベアショップとなりました。

 

 

――賞を取るなんてすごいですね。テディベア作家さんって昔からたくさんいたんですか?

吉川さん:昔はテディベアといっても、ただのクマのぬいぐるみだと思われていました。その考えを私を含む10人ぐらいのテディベア作家が活動を通して、テディベアの存在を伝えていったの。最近では数千人ものテディベア作家がいるそうです。

 

――数千人も? そんなにたくさんいるんですね。吉川さんは、今までにどんなテディベアの仕事をされてきたんですか?

吉川さん:生命保険会社のテディベアをデザインしたり、日本人形で有名な「人形の吉徳」とのコラボでテディベアに和服を着せたり、ドラマ・映画の小道具としてテディベアを作らせてもらうとか、個人オーダー以外にも企業か依頼をもらって幅広い活動をさせてもらえました。パリのルーブル装飾美術館に私のテディベアが展示されたこともあったわね。

 

平成から令和に。復活を遂げた「ROSEBEAR®」。

――平成元年に開いた「ROSEBEAR®」は、一度閉店されていますよね。どうしてですか?

吉川さん:テディベア作家としての仕事が忙しくなってきて。オープン当初から一緒に働いてくれていたパートナーがいたけど、どうしても負担をかけてしまうし、自分の手が回らなくなってしまったから一回お店を閉めることにしたの。

 

――そうなんですね。閉店してからはテディベア作家に専念を?

吉川さん:はい。さっき話したように企業からの依頼を中心に活動していました。ただ、母の具合が悪くなって数年前に東京からUターンして上越に戻ってくることになって。それで令和元年にもう一度原点に戻ろうと思って「ROSEBEAR®」を復活しました。

 

 

――なるほど。平成元年に開いたときと比べて変化はありますか?

吉川さん:ほとんど変化はないですね。玄関の呼び鈴や飾り棚も当時のままだし、店長だって当時のまま(笑)。また一緒に働いてくれているの、嬉しいでしょ。新しくなったのはロゴが今風になって、愛犬のトイ店長が加わったことぐらい。昔と変わらずにテディベアやビンテージアイテム、食器などなど…いろんな輸入雑貨が揃って当時のまま。

 

 

――今まで来てくれていたお客さんは、とっても懐かしいでしょうね。

吉川さん:まだ学生だったお客さんが子どもや孫を連れて親子3代でまた通ってくれていたり、新しくなってから常連になってくれたお客さんもいたり、「ROSEBEAR®」を復活させたお陰で懐かしい人たちに再会できたし、新しい出会いもたくさんありましたね。

 

――最後に、復活した「ROSEBEAR®」をどのように利用してもらいたいですか?

吉川さん:テディベアを取り扱うお店が年々少なくなっている反面、ネットショップが増えて簡単に買い物ができる時代になっています。だけど「ROSEBEAR®」はこだわりの輸入雑貨と自慢のテディベアを実際に手に取って、目で見て買い物をしてもらうスタイルを守っています。奇跡のタイミングで出会った宝物。それをキラキラした目で見つめる笑顔をいつまでも見ていたいから、ずっとこの仕事を続けていきたいと思います。

 

テディベア作家・吉川照美さんに聞いたテディベアのアレコレ。

インタビューをしているなかで「テディベアといっても、ただのクマのぬいぐるみだと思われていた」と話してくれた吉川さん。その言葉を聞いたとき、正直、私にはテディベアとクマのぬいぐるみの違いが分かりませんでした…。おそるおそるその違いを訊ねると、「テディベアはファイブジョイントといって身体に首、手、足の5つのジョイントがあって、アンゴラヤギの毛で織ったモヘヤが必ず使われている。そして一番大切なのはオリジナリティ」と教えてくれました。確かに吉川さんのテディベア「しんのすけ」は丸々した目とちょっとした犬っぽさがあって特徴的。日本人好みするデザインでした。「ROSEBEAR®」では吉川さんの作品のほか、ビンテージのテディベアなどが飾られているから、見比べてみてください。きっとテディベアの魅力が見つかるはずです。

 

 

 

ROSEBEAR®

新潟県上越市大町4-3-4

025-542-9075

HP

※掲載から期間が空いた店舗は移転、閉店している場合があります。ご了承ください。
  • 部屋と人
  • She
  • 僕らの工場
  • 僕らのソウルフード
  • Things×セキスイハイム 住宅のプロが教える、ゼロからはじめる家づくり。


TOP