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塩引鮭をはじめ水産加工品を製造する新発田市の「有限会社 佐々木食品」。

新潟で鮭の加工食品といえば、新潟市の「加島屋」や村上市の「千年鮭きっかわ」が有名ですが、新発田にも鮭をはじめとした水産物加工食品のお店があります。観光名所「清水園」のそばに店舗を構える「有限会社 佐々木食品」では、塩引鮭や焼き漬けなど新潟ならではの食品を購入することができるんです。今回は2代目代表取締役の佐々木さんに、商品のこだわりを聞いてきました。

 

 

有限会社 佐々木食品

佐々木 晋次 Shinji Sasaki

1965年東京都生まれ千葉県育ち。働いていたホテルで奥さんと知り合い、結婚を機に新発田市へ移住し「有限会社 佐々木食品」に就業。現在は2代目代表取締役。自宅でまったり映画を見ることが好きで、カーアクション作品やヒーローアクション作品をよく観る。

 

「加島屋」への丁稚奉公からはじまった「佐々木食品」の歴史。

——ずいぶんいろいろな魚の加工食品が並んでいますね。

佐々木さん:うちは鮭をはじめとした水産加工食品を製造販売している会社なんです。

 

——佐々木さんが開業した会社なんですか?

佐々木さん:私は2代目で、奥さんの父親が初代になります。鮭茶漬けやイクラ醤油漬けで有名な「加島屋」さんに丁稚奉公をした経験を元に、先代が昭和50年代のはじめ頃に鮭や筋子の加工品の製造販売をはじめたんです。

 

 

——じゃあ創業してから50年以上続いているんですね。最初からこの場所でお店をやっているんですか?

佐々木さん:最初は自宅で調理をしていたんですけど、手狭になったので建物を借りて工場にしたんです。やがて一般のお客様に向けた小売をすることになって、平成元年に今の場所に移転して直売所をオープンしました。

 

——佐々木さんはお婿さんなんですね。どちらで奥さんと知り合ったんですか?

佐々木さん:働いていたホテルで知り合いました。結婚を機に新発田へ移住したんですけど、それまで働いていたのが東京のホテルだったので、新発田の夜の早さにびっくりしましたね(笑)。人通りもぱったりなくなるし、開いているお店もほとんどないんですよ。

 

 

——東京と比べたら驚くかもしれませんね(笑)。ところで佐々木さんは「有限会社 佐々木食品」で働きはじめて、初めて魚を捌いたり加工したりしたんですよね。

佐々木さん:製造は全部先代がやっていたので、私は包装作業や配達を担当していたんです。ところが25年前くらいから先代のイベント出店が多くなって、私が代わりに製造する機会が増えていきました。

 

——魚を扱うのって、慣れるまで難しそうですよね。

佐々木さん:包丁の扱いに慣れなくて、切り損じることも多かったですね。いちばん難しいのは塩引鮭を作るときの塩加減です。鮭に手で塩を刷り込むんですが、塩の量や均等にすり込む感覚を覚えるのに10年かかりました。水産物を加工するときは、できるだけムラなく安定した仕上がりになるよう気をつけています。そのおかげで、お客様から仕事が丁寧と褒められることが多くて嬉しいんですよ(笑)

 

手間がかからず食べやすい商品にこだわる。

——商品のこだわりを教えてください。

佐々木さん:若い人たちにも魚を食べてほしいので、焼いたり骨抜きしたりする手間がなく、そのまま食べられるような商品に力を入れています。あとここは観光名所の「清水園」や「足軽長屋」に近いこともあって、観光のお客様も多く訪れるので、常温で日持ちしてお土産にできる商品を作るよう心掛けているんです。

 

——そういうところも考えて加工すると、なかなか難しんじゃないですか?

佐々木さん:上手くいくときはポンとできるんですが、開発に1年かかることもありますね。加工によっては素材の味が変わってしまうので、ボツにする商品もあるんですよ。

 

——そうした苦労を経て完成した、おすすめ商品を教えてください。

佐々木さん:「塩紅鮭」が定番商品ですけど、人気があるのは「鮭の焼き漬け」かな。2種類の新潟産醤油をブレンドしたものに、みりん、砂糖、お酒に合わせたタレで脂の乗った紅鮭を焼き漬けしたもので、調理の手間がなくそのまま食べられるので人気があるんです。最初は焼き加減が難しくて苦労しましたね。

 

 

——絶対ご飯に合うやつですね。そのまま食べられるというのがありがたいですよね。

佐々木さん:「安兵衛漬(やすべいづけ)」という味噌漬けもあります。「忠臣蔵」で有名な新発田出身の剣豪「堀部安兵衛」がお酒好きだったことから、地元酒造の吟醸酒粕を混ぜた越後味噌に海産物を漬け込んだものです。まろやかな風味が特徴で、和紙に包んであるので味噌を洗い落とさずにそのまま食べることができます。鮭の他に、いか、牡蠣の3種類をご用意しています。「新発田市認証ブランド商品」に選ばれたこともある商品です。

 

 

——ご飯だけじゃなくてお酒にも合いそうですね。今後作ってみたい商品はありますか?

佐々木さん:食べながら町歩きができるような、片手で持って食べられる商品を作りたいと思っています。

 

——観光客にはありがたい商品ですね。最後に、これから力を入れていきたいことはありますか?

佐々木さん:新潟県の物産展など、イベント出店に力を入れていきたいですね。全国の百貨店を回って、新潟の鮭料理を多くの人に知っていただけたら嬉しいです。

 

 

 

有限会社 佐々木食品

新発田市諏訪町3-3-14

0254-22-2868

9:00-17:00

不定休

※掲載から期間が空いた店舗は移転、閉店している場合があります。ご了承ください。
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