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自然の中で自家焙煎コーヒーを楽しめる、中野小屋の「たぶの木」。

新潟市西区の中野小屋という地域に、緑の木々に囲まれたカフェがあります。カフェだけでなく、ビオトープ、バーベキュー広場、ピザ窯、そしてツリーハウスといろいろな施設が集まっていて、初めて訪れた人はきっと、「こんなところに、こんな場所があるの?」と驚くのではないかと思います。このちょっと変わったカフェ、いったいどうしてできたのか、そしてどんなメニューが楽しめるのか、オーナーの髙橋さんにいろいろとお話を聞いてきました。

 

 

たぶの木

髙橋 正樹 Masaki Takahashi

1947年新潟市北区生まれ。港湾関係の物流サービスの企業で40年近く勤務し、2004年に自宅敷地内に「たぶの木」をオープン。登山やガーデニングなど自然に触れることが好き。

 

いい豆を使って正しく焙煎する、コーヒーへのこだわり。

——国道116号線からちょっと入っただけのところに、こんなスペースがあるんですね。草木の手入れが大変なんじゃないですか?

髙橋さん:大変だね(笑)。手入れしてて一日終わっちゃうなんてことも多いですからね。これからの季節は蚊の駆除も大変なんですよ。

 

——髙橋さんはどうして「たぶの木」を始めようと思ったんですか?

髙橋さん:私は40年近くサラリーマンとして働いてきたんだけど、定年退職を前にその後の生活を考えたんです。退職後はのんびりと悠々自適に生活するのもいいんだけど、どうせなら新しい生きがいを見つけたいと思いました。そこで若いときから好きだったコーヒーのことを思い出して、「たぶの木」を始めることにしたんです。

 

 

——じゃあ、若い頃はかなりコーヒーを飲んでいたんでしょうか?

髙橋さん:私が20代の頃は、コーヒーブームで喫茶店が全盛期だったんですよ。でも正直言って、当時のコーヒーってそんなに美味しくはなかったんです(笑)。日本はコーヒーに関していえば後進国で、美味しい豆がなかなか手に入らなかったんですよ。そのブームの後にようやく美味しい豆が手に入って、自家焙煎できるようになったんです。

 

——なるほど。じゃあコーヒーは自家焙煎?

髙橋さん:はい、「たぶの木」でお出しするコーヒーのモットーは「いい豆を正しく焙煎する」っていうことなんです。コーヒー豆って発展途上国で生産されていることがほとんどだから、虫食いやカビ、発酵が進んだものなどの「欠点豆」が混ざっています。そうした「欠点豆」を完璧に取り除くことがまず大切なんです。

 

——へー、それが「いい豆」を使うことにつながるんですね。「正しく焙煎」っていうのは?

髙橋さん:もともと酸味が強い豆は別として、冷めてくると酸っぱくなるコーヒーは焙煎が不完全なんです。お餅を焼くときに強火で焼いてしまうと、表面が焦げて中はまだ芯が残っていたりしますよね? コーヒーも一緒で、強火で焙煎すると芯が残ってしまうんです。そうならないために、ときどき風を送って豆温度の急激な温度上昇をコントロールし、ゆるやかに火を通すことで芯まで火の通った完全な焙煎ができるんですよ。そういう豆って、えぐみ、雑味、酸味がなくなって、のど越しのいいコーヒーになるんです。

 

 

——さっそく、いただきます……。うん、たしかにスッキリした飲みやすいコーヒーですね。美味しいです。他のメニューについても教えてください。

髙橋さん:料理やケーキは、できるだけ自家製にこだわっています。中でも卵は、飼っているニワトリが生んだ新鮮なものを使っているので、美味しさが全然違うと思いますよ。ニワトリたちは広い場所に離し飼いしているので、ストレスフリーで美味しい卵を生んでくれるんです。特にチーズケーキ、ビスコッティ、オムライスは人気があるし、ダイレクトに卵の味を楽しんでいただける「たまごかけごはんセット」もあるんですよ(笑)

 

自然の中で、日頃のストレスを忘れてほしい。

——この建物は木をたくさん使っていて、ログハウスみたいで落ち着きますね。

髙橋さん:以前は蔵があったんですけど、老朽化で取り壊すことになったので、その蔵の梁を使ってこの店舗を建てたんです。母屋も歴史があってね。明治38年に建てられたものなんですよ。

 

 

——窓からも緑が見えて、とても癒される空間だと思います。

髙橋さん:ありがとうございます。最初は自分の生きがいを作ろうと思って始めた店ですが、やっている内にだんだん別な目的が生まれてきたんですよ。1杯のコーヒーにもっと価値をつけたいと思うようになったんです。緑の中でコーヒーを飲んでいただくことで、日頃のストレスを忘れて、癒されてほしいと思うようになったんですよね。

 

——たしかに日常を忘れる空間ですもんね。すごく気になっていたんですけど、あのツリーハウスは?

髙橋さん:建築士の山仲間と意気投合して自分たちの楽しみのために、樹齢80年くらいのイチョウの木の上に作ったんですよ。最初はプライベート用だったんですけど、ツリーハウスでコーヒーを飲みたいというお客様が多かったので、階段や手すりを補強して安全対策をしっかりやった上で開放しました。

 

 

——なかなか新潟市内でツリーハウスを見る機会なんてないから、これもすごく非日常的な空間ですよね。

髙橋さん:他にもビオトープを作ってメダカや水草でミニ生態系を作ってみたり、バーベキュー広場を作ってみたり、ピザを焼くための石窯を作ってみたりしています。最初は全部プライベートで楽しむために作るんですけど、お客様にも楽しんでほしいと思って開放してきました。石窯ではお客様にピザ焼き体験をしてもらえます。

 

 

——店舗の隣に、今も何か作っている様子ですね。

髙橋さん:あそこには芝生を敷いて、テントが張れるサイトを作る予定なんです。ゆくゆくはキャンプができるようにしたいと思っています。遠くの山まで行かなくても、新潟市の中心地から車で30分もあれば来られる距離で、手軽に自然を楽しんでもらえる場所を作りたいんです。緑の中でゆっくりと人生のひとときを楽しんでいただけたらうれしいですね。

 

 

交通量の多い国道からほんの少し入ったところに、こんなに緑豊かな場所があることに驚きました。ツリーハウスは子どもの頃に夢見た秘密基地みたいでワクワクします。皆さんもぜひ日頃の疲れを癒しに「たぶの木」を訪れてみてはいかがでしょうか。

 

たぶの木

新潟県新潟市西区中野小屋356

025-263-1693

10:00-18:00

木曜金曜休

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