昨年6月、新潟市北区松浜にオープンした「Thai Smile(タイ・スマイル)」は、本町で営業していた「タイ家庭料理 ちゃど」がリニューアルオープンしたお店です。タイ出身の女性オーナー・ラナさんにお会いして、日本で本場タイ料理店を営業するこだわりを聞いてきました。
Thai Smile
斉藤 ラナ Lana Saito
1972年タイのバンコク生まれ。日本人の男性と結婚したことを機に、2000年より日本での生活をはじめる。卸売市場のなかにある精肉店や青果店で働きながら、タイ料理店で調理スタッフとして働き、2007年に新潟市中央区本町で「タイ家庭料理 ちゃど」をオープン。2022年6月、北区松浜に移転し「Thai Smile」としてリニューアルオープン。
——今日はよろしくお願いします。
ラナさん:よろしくお願いします。私、あんまり日本語上手に話せないけど、大丈夫ですか?
——わかる言葉で話していただけたら大丈夫です。逆に私の言葉がわかりにくかったら言ってくださいね。
ラナさん:ありがとうございます。
——では、早速お聞きします。ラナさんはタイのバンコク出身なんですよね。どうして日本にやって来たんですか?
ラナさん:日本人の男性と結婚したので、それをきっかけに新潟で暮らすようになりました。
——日本……というか、新潟に来てみて驚いたことはありますか?
ラナさん:私が来た年は大雪が降ったので驚きました。タイでは雪が降らないですから……。でも私は雪が好きなので嬉しいです。
——じゃあ、雪にはあまり困らなかった?
ラナさん:雪よりも言葉の方が困りました。日本に来たときは「おはよう」と「ありがとう」しか日本語がわからなかったんです。だからボランティアで運営されている日本語教室に2ヶ月通って、ひらがなを中心に日本語を勉強しました。
——日本語はいろいろな文字があるから、覚えるのが大変ですよね。日本に来てからは、何か仕事をしていたんですか?
ラナさん:新潟中央卸売市場のなかにある肉屋さんや八百屋さんで働いていました。八百屋さんは朝早くから昼頃までの仕事だったので、夜はタイ料理店で調理の仕事も掛け持ちしていたんです。その頃から、自分でもタイ料理の店をはじめてみたいと思うようになりました。
——それでタイ料理のお店をオープンされたんですね。
ラナさん:最初は本町通と東堀通の間に「タイ家庭料理 ちゃど」という店をオープンしました。当時はまだ日本語に自信がなかったから、主人がホールスタッフとして店を手伝ってくれたんです。料理はタイに住んでいるお母さんを呼び寄せて教わりました(笑)。当時はタイの材料が手に入りにくくて苦労しましたけど、本場のタイ料理を日本の人たちに食べてもらいたかったので頑張りました。
——本町から松浜にお店を移転されたのはどうしてなんですか?
ラナさん:一度「にいがた人情横丁」に店を移したんですけど、お客さんが4人しか入れなかったし、夜遅くまで営業できないルールがあったんです。私の店には夜遅く来るお客様が多かったので一度店を閉めて、お友達の店で働きながら条件の合う物件を探していました。
——それで店名も変えてリニューアルオープンされたんですね。
ラナさん:友達の店を手伝っている間も「『ちゃど』の料理が食べたい」というお客様の声が多かったので、昨年から「タイ・スマイル」として松浜でタイ料理店をはじめることにしました。
——ラナさんは、どんなことにこだわって料理を作っているんですか?
ラナさん:日本人向けにアレンジしたタイ料理も多いんだけど、私はタイで食べられている料理をそのまま作るようにしています。タイのグリーンカレーには、パクチーなんて乗っていないんですよ。
——タイ料理って、辛いイメージがありますよね。
ラナさん:日本の辛くないタイ料理を食べて、物足りなく感じることもときどきあります(笑)。だから本来辛いはずの料理は、辛いままお出ししたいんです。もちろん辛さのお好みは調節することができますから、遠慮なくリクエストしていただきたいですね。
——日本人は辛い料理に慣れていない人が多いですか?
ラナさん:「ちゃど」をオープンした頃に比べると、辛さに強くなってきたような気がしますね。パクチーが好きな人も増えたと思うんです。何よりタイ料理の店やメニューが増えてきたので、タイ料理の人気が上がってきているのを感じています。
——確かにタイ料理を提供するお店は増えてきていますし、日本人にも馴染みのある料理になっていますよね。「Thai Smile」のオススメ料理はどれですか?
ラナさん:う〜ん……。お客様の好みにもよるから、どれがオススメとも言えないんだけど……。注文が多いのは「グリーンカレー」「ガパオライス」「パッタイ」「トムヤムクンヌードル」かなぁ……。
——日本でも人気のある料理ですね。
ラナさん:あと「辛焼きそば」は女性のお客様に人気があります。タイでは「パッキーマオ」という名前の辛い焼きそばなんですけど、ふだんは唐辛子2本使うところを5本でリクエストをするお客様もいますね(笑)
——エスニック料理や辛い料理が好きな人には、うってつけのお店ですよね。
ラナさん:ありがとうございます。料理だけじゃなく、タイに興味のある人にも来てほしいです。タイのオススメ観光地やホテルについて聞かれることがあるので、そういう相談にも乗っていきたいと思います。
——まるで観光案内所みたいですね(笑)。他にやってみたいことはあるんですか?
ラナさん:あったかくなってきたら、いろいろなイベントで出店する予定です。昨年もイベントに出店してお弁当を売りました。たくさんの人たちと出会えて楽しかったので、今年も「Thai Smile」のことを知ってもらうのを兼ねて出店したいと思っています。
——ありがとうございました。ところで……日本語ぺらぺらじゃないですか(笑)
Thai Smile
新潟市北区松浜東町1-1-10
025-256-8957
12:00-21:00(L.O.20:30)
月曜休(祝日の場合は翌日休)