[Things Music]自然の音を使う電子音楽家「Masaaki Haga」。
カルチャー
2023.01.23
新潟で活動するミュージシャンを紹介する[Things Music]。今回ご紹介するのは、電子音楽家の「Masaaki Haga」さんです。サンプラーやシンセサイザーなどを使い、クラブイベントでのライブパフォーマンスや、SNSでのパフォーマンス動画の発信などを行っているそうです。元クラブDJだというHagaさんがオリジナル曲の制作をはじめた経緯や、電子音楽の面白さについて聞いてきました。


Masaaki Haga
1981年新潟市北区生まれ。新潟工業短期大学卒業。幼少期からさまざまな楽器に触れバンドやクラブDJを経験。その後、オリジナル曲の制作活動に専念し、スペインやインドのレーベルからも楽曲をリリース。ロードバイク、筋トレ、登山が趣味とかなりアクティブ。
やってみて初めて気づいた、曲作りの難しさ。
――そもそもHagaさんはどんなきっかけで音楽をはじめられたんですか?
Hagaさん:父親がギターのインストラクターをやっていた影響で、幼少期からいろいろな楽器に囲まれて育ったんですよ。ピアノを習ったり弦楽器をやったりして、高校生になるとバンドをはじめたんですけど、高校卒業と同時にひとりでもできるクラブDJをやることにしました。
――以前はDJをされていたんですね。
Hagaさん:それから何十年かやっているうちに「自分でも曲が作れるんじゃないか」と思うようになって、8年くらい前に作曲をはじめたんです。だけど、高い機材とかソフトを買えばすぐに曲が作れるって勘違いしていたんですよね……。
――私もそう思っていました。違うんですか?
Hagaさん:一般にリリースされているような曲を作るためには、ただ演奏できるだけじゃなくて、いろんな処理をしなければいけなかったんです。音楽理論とか演奏の方法はある程度分かっていたんですけど、ぜんぜん思うような曲ができませんでしたね。そこを学ぶのにだいぶ時間がかかりました。

――処理というのは?
Hagaさん:いろんなパートのバランスを整えたり、大きい音が出るようにしたりとか。クラブだとでっかいスピーカーから音を流すので、薄い音だと他の曲に負けてしまうんです。作りも独特なので、ドイツやイギリスの本を買っていろいろ調べましたね。
――へ~、外国語も読めちゃうんですね。
Hagaさん:音楽をやっていると機材やその用語は英語表記も多いので、音楽用語に関してはある程度読めるんです。もちろん読めない部分は調べて意地でも読みます(笑)。あとはどうしても自分の主観じゃ分からないところがあるので、仲のいいDJから指摘をもらうとか、まわりにも協力してもらいながら自分が出したい音に近づけていきました。
――努力された甲斐あって、2019年にはスペインのレーベルから楽曲をリリースされたそうですね。どういった経緯で声がかかったんですか?
Hagaさん:音楽のSNSがあって、そこからだったと思います。それまでも毎日音楽を作っていたんですけど、自分の評価しかないから終わりが見えなかったんです。だけどリリースの依頼が来たことで「これは他者から見てもリリースできるレベルなんだ」って分かって、自信がつきましたね。

雨の音、車のエンジン音、信号機の音、どんなものも音の素材になる。
――正直素人からするとHagaさんがどんな楽器をどういうふうに演奏しているのか、見ていてもよく分からないのですが……。
Hagaさん:サンプラーっていう機械にドラムのビートとかフレーズの情報を入れて、あとはシンセサイザーを使ってその場で音を調整しながらパフォーマンスをしています。
――じゃあその右手側にある機械ってシンセサイザーなんですか? 鍵盤がないようですけど。
Hagaさん:今は鍵盤を使わずに、タッチして音が出る楽器を使っています。というのも、鍵盤を使うと自分の手癖が出てしまって、いつも同じような音を作ってしまうんですよね。

――サンプラーのような電子楽器の面白さってどういうところですか?
Hagaさん:サンプラーっていう機械は制限が多いので、できることが限られていて、やりたいことができないこともあるんですけど、逆に思ってもみなかったことができることもあるので、それが面白いですね。
――Hagaさんが作る曲には雨の音や風の音など、自然の音も使われていますよね。
Hagaさん:「フィールドレコーディング」といって、自然界にある音を録音、加工して使う方法です。本来はシンセサイザーで作った音にいろんな処理をして使うんですけど、それをある程度やっていると行き詰ってしまうこともあって。そこでフィールドレコーディングをやってみたら面白いかなと思ったんです。
――それって自然界にあるどんな音でも素材になるんですか?
Hagaさん:さっきも歩いて録ってきたんですけど、車のエンジン音とか、信号機の音、工事の音とか、なんでも素材になりますね。だからいつでもマイクを持ち歩いています。

――Hagaさんの音楽って聴いていてとても心地いいんですけど、そういう心地よさを意識して作曲されているんでしょうか。
Hagaさん:そうですね。音の素材作りの段階から、自分が聴いていて気持ちよくなれる音を厳選しています。フレーズを作るにしても、こうやったらかっこいいんじゃないか、気持ちいい音になるんじゃないか、飽きないんじゃないかっていうのは意識しています。
――ご自身の曲をどんなときに聴いてほしいですか?
Hagaさん:受け手次第で、好きなように解釈して好きなときに聴いてもらいたいですね。最近は曲を極端に悲しくしたり明るくしたりするような作り方はしないようにしていて、どうとでも捉えてもらえるようにしています。

――YouTubeとインスタにはパフォーマンス動画をアップされていますよね。
Hagaさん:リアクションが欲しいっていうのもあるんですけど、世界中で自分と同じようなことをしている人たちとつながりたいっていうのもあって。この狭い日本には少ないですけれど、世界中にはたくさんいますから。
――山の中で演奏している様子を撮影された動画を見たんですけど、音楽と相まってすごく幻想的でした。
Hagaさん:新潟って綺麗な風景がいっぱいあるから、そういうところは有利かなと思って、自然の綺麗な場所へ行って撮影しています。まだやったことはないんですけど、工場とか、農園とか、ちょっと変わった場所でもできたらいいですね。あとは登山して山頂で撮ってみたいなって思うんですけど、ただ機材を持っていくのが大変だなっていう(笑)

電子音楽をやる人がもっと増えたら嬉しい。
――Hagaさんの活動っていろんなモノや人とコラボできそうですよね。
Hagaさん:それはすごく思います。アンビエントっぽい音を使ってヨガと一緒にやってみたり、生楽器と一緒にやってみたりとか。いろんなコラボができたらいいですね。
――面白そうですね。最後に、今後の目標があれば教えてください。
Hagaさん:自主レーベルじゃなくてよそのレーベルから楽曲をリリースすることが最初の目標だったんですけど、それは実現できたので、今度はアルバムを出してみたいですね。あとは電子音楽をやる人がもっと増えたらいいなって思います。

Masaaki Haga
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