Things

イラストレーター「Alessio Vitelli」が描く、サイケでポップな世界。

長岡を拠点に国内外で活躍する、ローマ出身のイラストレーター「Alessio Vitelli(アレッシオ ヴィテーリ)」さん。数々の有名ブランドのアートワークを手掛けた経歴を持ち、ユニポスカを使って描くサイケデリックな世界観が特徴です。「S.H.S長岡店」で開催していたポップアップにお邪魔して、長岡へ移住した経緯や現在のイラストスタイルを確立した背景などについてお話を聞いてきました。

 

 

イラストレーター

Alessio Vitelli

1984年イタリア・ローマ生まれ。オーストラリアで日本人の奥さんと出会い、遠距離交際を経て結婚。ローマを拠点にグラフィックデザイナーとして活動した後、イラストレーターへ転身。2021年に家族で長岡市へ移住。太麺のこってり系ラーメンが好き。

 

ローマ生まれのイラストレーターが、拠点を長岡へ。

――アレッシオさんはイタリアのローマ出身だそうですが、そもそもどうして日本の……しかも長岡へ?

アレッシオさん:オーストラリアで長岡出身の奥さんと知り合って、3年間は日本とイタリアの遠距離だったんですけど、その間も年に1回くらいは日本に遊びに行っていました。もともと日本が好きで、「いつか日本に住みたい」っていう夢があったんです。結婚してふたりでイタリアに住むようになってからも、年に1、2回は日本に行っていました。

 

――移住する前から、日本には何度も来られていたんですね。

アレッシオさん:移住してきたのは2021年の9月です。2019年に子どもが生まれて、「教育を考えると日本の環境がいい」っていうことと、「アーティストとして日本で有名になりたい」っていう夢があったので、日本に来ました。

 

――ちなみに日本のどういうところが好きですか?

アレッシオさん:安全、キレイ、ライフスタイルが好き。特に長岡だと人が落ち着いていて騒がしくないですよね。ローマは交通量も多いですし、人が騒がしいというか。あとはご飯(笑)

 

――(笑)。日本食で好きなものはありますか?

アレッシオさん:ラーメン、焼き肉……。ラーメンだと担々麺、太麺が大好きです。日本のご飯はとても美味しいです。イタリアも料理が美味しくて好きだけど、日本も美味しいから幸運ですね。

 

 

――ローマを拠点にしていた頃も合わせて、イラストレーターとしてはいつから活動されているんでしょうか。

アレッシオさん:イラストレーターとして活動しはじめたのは7年前ぐらいからです。もともとはグラフィックデザインをやっていました。

 

――どういうきっかけでイラストレーターへ方向転換されたんですか?

アレッシオさん:イタリアにいたときはグラフィックデザイナーがいっぱいいたので仕事が見つけにくかったし、あったとしてもお給料がそんなに良くなくって。それでグラフィックデザインとは違う、イラストの方に挑戦してみようと思いました。

 

音楽から受けるインスピレーションで、ユニポスカを使って描く。

――ユニポスカを使って作品を描かれていますよね。

アレッシオさん:そうです。iPadで描いたデジタル作品もありますけど、基本はユニポスカと紙だけ。

 

――どうしてユニポスカにこだわるようになったんですか?

アレッシオさん:イタリアの小学校では自分の好きなリュックを背負って学校に行くんですよ。そのリュックにユニポスカで自由に絵を描くっていうのが、イタリアでは主流でした。その頃の思い出もあってポスカを使っています。イタリアンスタイルです。

 

――子どもの頃からポスカに親しみがあったんですね。一枚描くのに、だいたいどのくらいの時間がかかるんでしょうか?

アレッシオさん:インスピレーションによって描くスピードも違ってきて、アイデアがあって頭の中にできているものだと、1日とかで描いちゃいます。下描きはしないんです。ただ描いている途中でインスピレーションが切れちゃうと、また描きはじめるのに時間がかかるんですけどね。

 

 

――イラストを描くときのインスピレーションはどこから得ているんですか?

アレッシオさん:今は100%音楽です。音楽なしではアイデアが思い浮かばないです。音楽によって、悲しい音楽だったら悲しい雰囲気の作品になるし、陽気な音楽だったら陽気な雰囲気の作品になります。

 

――日本の音楽も聴きますか?

アレッシオさん:聴きます。坂本慎太郎、YMO、あとは尾崎紀世彦……モミアゲキングね(笑)。彼を描いたイラストもありますよ。

 

 

――アレッシオさんの作品を見ていると、70年代とかのアートワークのイメージを受けるんですけど、そういう文化がお好きなんですか?

アレッシオさん:横尾忠則、ピーター・マックスとか、60年代、70年代のアーティストが好きで影響を受けましたね。とってもサイケデリック。大好きなんです。

 

――アレッシオさんは作品を通じて伝えたいメッセージみたいなものってあるんでしょうか?

アレッシオさん:メッセージはないです。自分の好きなものをインスピレーションで描いているので。あとは見た人がどう受け取るかだと思います。アーティストによっては政治的なメッセージが込められているものもあるけど、そういうものはあんまり好きじゃないので、自分の好きなように描いています。見ている人が明るい気持ちになればいいなって。

 

 

――小千谷の鯉がモチーフになっている作品もありますね。

アレッシオさん:錦鯉が戯れているところをイメージして描きました。鯉はオレンジ、金、黒と、やっぱり色がきれいですね。

 

――長岡に拠点を移されてから、制作活動にも変化はありましたか?

アレッシオさん:日本に来てからいっぱいアイデアが浮かぶようになりました。長岡の昔ながらの商店街にいくと昭和のロゴがたくさん残っていて、それを見るのが好きですね。

 

 

――今後も個展やポップアップを開催する予定はあるんでしょうか。

アレッシオさん:今決まっているものはないんですけど、4月に代官山の「T-SITE」でポップアップをやらせてもらって、来年はもう少し大きい規模でやらせてもらえるっていう話が出ています。あとはアパレルブランドとのコラボの話もあって、とっても楽しみです。

 

――最後に、アレッシオさんの今後の目標を教えてください。

アレッシオさん:もっともっと有名になりたいです。多くの人に自分の描くスタイルを伝えたいなと思っています。

 

 

 

Alessio Vitelli

※掲載から期間が空いた店舗は移転、閉店している場合があります。ご了承ください。
  • 部屋と人
  • She
  • 僕らの工場
  • 僕らのソウルフード
  • Things×セキスイハイム 住宅のプロが教える、ゼロからはじめる家づくり。


TOP