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いい音を追求し、レコードの魅力を伝えるバー「Tom’s」。

最近はデータで音楽を聴くのが当たり前の時代になり、レコードを手にとる機会はめったになくなってしまいました。でもレコードにはレコードの、アナログの味わいがあります。そんなレコードの魅力を世の中に伝えているのが、弥彦駅前にあるレコードバー「Tom’s(トムズ)」です。店内に飾られたレコードジャケットを見て「おー、懐かしい!」「あ、これ持ってた!」と思わずテンションUP。今回は「Tom’s」のマスター・間さんに、レコードの魅力についていろいろとお話を聞いてきました。

 

 

Tom’s

間 八一郎 Yaichiro Aida

1968年弥彦村生まれ。理容専門学校を卒業後、母親の理容室を手伝いはじめる。24歳から近所のショットバーでバーテンダーとして経験を積み、母親が経営していた居酒屋の改築を機に「カラオケバー Tom’s」をオープン。同時に音響の仕事にも関わるようになる。昨年6月よりカラオケバーをレコードバーにリニューアルし、「RE-FRESH AIDA(リフレッシュ アイダ)」と同時に経営。ピアノ、ギター、パーカッションなどの楽器を演奏し、作曲もする。

 

昼はバーバー、夜はバーのマスター。

——お隣にある「RE-FRESH AIDA」って、間さんと何か関係のあるお店なんですか?

間さん:私がやっている理容室なんですよ。昼はバーバー、夜はバーのマスターをやっています(笑)

 

——うまいこと言いますね(笑)

間さん:もともと母がこの場所で理容室と居酒屋をやっていたから、私も理容学校を卒業してから理容室を一緒にやってきたんです。

 

 

——こちらのお店は、お母さんがやっていた頃は居酒屋さんだったんですね。

間さん:そうなんです。でも私が26歳のときに、老朽化で店舗を改築することになって、「カラオケスナック Tom’s」としてリニューアルオープンしました。

 

——「Tom’s」っていう店名の由来は?

間さん:私が以前ショットバーで働いていたとき、見た目や性格からイメージした外国人の名前を、お互いにつけ合う遊びをやったんです。そのときにつけられた名前が「トム」だったので、そのまま店名に使いました(笑)

 

——ニックネームだったんですね(笑)。この店以外に、ショットバーもお仕事を?

間さん:私が24歳のとき、近所にできたショットバーでバーテンダーをやっていたんです。そこのマスターの影響でギターをはじめたり、お店でピアノを演奏したりしていました。その頃からバンド活動をはじめて、作曲なんかもやっていたんです。

 

 

——へ〜、ピアノまで弾けるんですか。どこかで習ったんでしょうか?

間さん:当時はシンセサイザーが流行っていたので、自分でCASIOやKORGのキーボードを買って、独学で弾いていたんです。私は音符なんて読めないけど、聞くとだいたい音はわかるんです。

 

——それは才能があったんですね。

間さん:そんなことないですよ(笑)。そういった影響もあって「カラオケバー Tom’s」をはじめたときに、自分の店でも楽器を演奏したいと思って、音響器材を揃えていったんです。そしたら、他のお店の音響のセッティングも頼まれるようになって、いつの間にか弥彦村で開催されるイベントを中心に、音響の仕事を頼まれることが増えていきました。村内のイベントは、ほとんどやってきたんじゃないかな。でもコロナ禍でイベントも激減したので、私もだんだん音響仕事に対しての興味が薄れていったんです。

 

——イベントはほとんど無くなりましたもんね。

間さん:イベントだけじゃなくて、弥彦温泉にも団体の観光客が来なくなってしまって、おまけにカラオケは避けられるご時世になっていったじゃないですか。そこでカラオケバーからレコードバーにリニューアルすることにしたんです。

 

いい音は、聴こえるんじゃなくて見えるもの。

——そもそも、どうしてレコードに興味を持ちはじめたんですか?

間さん:最初はお客様が持ってきてくれたレコードを、インテリアとして店内に飾っていたんです。ある日、せっかくだから聴いてみようということになって、プレーヤーに掛けてみたら、CDやデータとは違う、温かみや立体感のある音に感動してしまって……。それからはリサイクルショップでレコードを探しては集めるようになって、昨年6月からレコードバーとしてリニューアルオープンしました。

 

——「レコードバー」っていうのは、どんなお店なんでしょうか?

間さん:自分の聴きたいレコードをリクエストしていただいて、それを聴きながらお酒を楽しんでいただける店です。シングル100枚、アルバム1,200枚のレコードをご用意しています。その他にも、まだ洗浄していないレコードが500枚くらい眠っているんですよ(笑)

 

——「洗浄していないレコード」って?

間さん:レコードは中古品ですから、傷みや汚れがあるんです。汚れがあると当然ノイズが入ってしまうので、きれいに洗うことでノイズを無くすようにしているんです。

 

 

——え! レコードって洗えるんですか?

間さん:そうなんですよ。私もレコードについていろいろ調べているうちに知って、独学で洗浄技術を身につけたんです。洗ったレコードは新品よりもいい音が出るんですよ。

 

——ちなみに、どんなふうに洗うんですか?

間さん:まずお湯と中性洗剤を使って、専用のパフでレコードを洗います。外側から内側に向かって、溝に沿うように回しながら洗っていくのがポイントです。洗ったレコードを拭いたら、今度はスプレーで精製水を吹きかけ、同じようにして回しながら洗います。最後に拭き取りをして、45回転のプレーヤーでトレースをして、溝のなかをきれいに仕上げたら完了です。

 

 

——洗ったレコードは洗ってないないものと比べて、かなり音が違ってくるんでしょうか?

間さん:もう、比べ物にならないくらい変わってきます。レコードには埃、スプレークリーナーのカスといった汚れが溜まって、それがノイズの元になっているわけです。ノイズが無くなることで、聴こえにくかった音がぐんと前に出てくるようになるんですよ。汚れがなくなればレコードにかかるストレスもなくなるので、レコードも針も長持ちします。ちょっと聴いてみますか?

 

——なるほど。実際にレコードを聴いてみると、デジタルに比べて音の厚みを感じますね。あとライブ感もすごいような……。

間さん:そうでしょう? 本当にいい音っていうのは聴こえるものじゃないんです。見えるものなんです。どこに誰がいるのか、見えてくるんですよ。いい音って、聴いていて気持ちがいいじゃないですか。だから、私はより気持ちのいい音を追求しているだけなんです。

 

 

——それじゃあ、音響にもこだわっているんですね。

間さん:はい。これは観賞用のスピーカーじゃなくて、作曲するときに使っていたスタジオスピーカーなんです。カメラでピントを合わせるのと同じように、トランスを通して音を合わせることで、安定したクリアな音を聴くことができます。

 

 

——自分の好きな曲を、素敵な音で聴きながらお酒が楽しめるのって最高ですね。最後に、間さんおすすめのレコードがあったら教えてください。

間さん:純粋にレコードとして素晴らしいと思うのは、マイケル・ジャクソンのアルバム「Thriller(スリラー)」と、45回転の「We Are The World(ウィー・アー・ザ・ワールド)」です。今はまん延防止等重点措置で休業しているんですが(※3/2取材時点)、解除されたら営業を再開しますので、ぜひ「いい音」を聴きに来ていただきたいですね。

 

 

Tom’s

西蒲原郡弥彦村弥彦1041-10

0256-94-2720

20:00-1:00

月曜休

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