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馬とふれあい、馬術を学び、生きる力を育む「あわしま牧場」。

「あわしま牧場」は日本在来馬の一種「北海道和種(通称:道産子)」を中心に飼育する「(おそらく)日本で一番、海に近い牧場」です。乗馬体験のほか、島で暮らす子どもたちの教育とも深い関わりがあります。今回は2023年11月から「あわしま牧場」スタッフとして働く村井さんに、牧場で楽しめるプログラムや教育のこと、着任した経緯などを詳しく教えていただきました。

 

 

あわしま牧場

村井 純麗 Sumire Murai

1998年青森県十和田市生まれ。高校時代に馬術と出会い、卒業後は十和田乗馬倶楽部に就職。スポーツ流鏑⾺のインストラクターとして約6年間勤務する。2023年11月から地域おこし協力隊として粟島浦村に着任。「あわしま牧場」にて体験プログラムの主催・PRや子どもたちへの馬術指導を手がけている。

 

初心者から経験者まで、潮風を感じながら乗馬を楽しめる牧場。

——「あわしま牧場」はどういった施設なのでしょうか?

村井さん:当初は観光向けにつくられた牧場だった、と聞いています。観光客に馬とふれあうアクティビティを提供する場というイメージですね。現在は観光だけでなく「⼦どもたちが学ぶ場」として、離島留学や、粟島浦⼩学校の1~2年生の授業で活用するなど教育的な一面もあります。

 

 

——観光と教育の場になっているんですね。観光向けプログラムにはどんなものが?

村井さん:「ひき馬体験」「レッスン体験」「乗馬レッスン」の3種類です。まったく初めてでしたら「ひき馬体験」。「ひき馬」の経験があって馬が怖くない、これから乗馬を始めたいと思っている方には「レッスン体験」。乗馬の経験者であれば「乗馬レッスン」という形でおすすめしています。

 

——内容としてはどんな違いがありますか?

村井さん:「ひき馬体験」はスタッフがひく馬に乗ってもらって、ゆっくり歩く体験です。「レッスン体験」ではそこに「速歩(はやあし)」が加わります。「乗馬レッスン」は「あわしま牧場」ならではの乗馬を楽しんでいただくプログラムです。「駈歩(かけあし)」に挑戦したり、補助ロープをはずしてひとりで馬に乗ったりと、乗る方の経験に合わせて内容をアレンジできますよ。体験してみますか?

 

——ぜひ! まったく初めてなので「ひき馬体験」をお願いします。

村井さん:では本日は「しおかぜ留学」の留学生が担当してくれるので、ちょっと交代しますね。ヘルメットとプロテクターをつけて少し待っていてください。

 

留学生:これから「ひき馬体験」をはじめますね。まず馬の乗り方ですが、手綱と馬のたてがみを一緒に持つようにして、左足をあぶみにかけます。その後は自転車に乗るときのように右足を馬のお尻側から回してあぶみに乗せます。

 

——こんな感じでしょうか。すごく目線が高くなりました。

村井さん:いい感じですね。深く座って背筋を伸ばしてみましょう。殿様みたいな感じ、と言うとわかりやすいでしょうか。では歩いてみましょう。

 

地元青森から粟島へ。馬との出会いからつながった縁。

——村井さんは「あわしま牧場」で働く前から馬に関わっていたんですか?

村井さん:馬との関わりは高校時代からです。地元青森の農業高校で馬術部に所属していました。卒業後も馬術を続けたいと思って地元の乗馬クラブに就職し、スポーツ流鏑⾺のインストラクターとして勤務する傍らスポーツ流鏑馬選手としても活動していました。勤めていた期間は6年ほどです。

 

村井さん:ところが怪我をして流鏑馬ができなくなってしまって。退職を考え「あわしま牧場」で乗⾺の指導をしている先⽣に会いに、初来島しました。青森でもご指導いただいていた先生なので、退職のご挨拶も兼ねて「あわしま牧場」の見学をさせてもらおうと思ったんです。それが2023年9月のことだったんですけど、先生から「今月いっぱいで今の牧場スタッフが辞めるんだ。今すぐにでも粟島に来ないか」と誘われて(笑)。少し考える時間をいただいてから、これもご縁かなと思い応募しました。

 

 

——そんな経緯で来られたのですね。働いてから島の方との交流はありましたか?

村井さん:交流はいろいろありますが、牧場つながりだと「馬糞を堆肥にしたいから、畑に運んでくれないか」と島のお父さんお母さんに声をかけていただくことがよくあります。中には馬糞を取りに来てお野菜を置いていってくださる⽅も。また「しおかぜ留学」という島外から粟島の小中学校に離島留学する制度があるのですが、特徴のひとつに牧場での活動が含まれるので、教育委員会や学校の先生、寮の管理人さんや島っ子のお父さんお母さんとお話しする機会も多いです。

 

牧場で馬とふれあうこと、馬に乗ることから学ぶ「命の教育」。

——留学生の子どもたちは牧場でどんなことを?

村井さん:子どもたちは、馬のお世話や乗馬のトレーニングをしています。活動を通じて、命の大切さや、生き物への思いやりなどを学ぶことが⽬的です。⾺のお世話は毎朝6時から。⼦どもたちは⾃転⾞で通っています。水やり、餌やり、ブラッシングなど、すべて子どもたちが中心で行っているので、私は見守り担当という感じです。

 

 

村井さん:留学生の中には「将来は競馬のジョッキーになりたい!」という子もいて、障害物を使った本格的な馬術のトレーニングも行っているんですよ。普段は簡単な乗馬をしていますが、⽉に⼀度上級指導員の先⽣が来てくださって、レベルの高いご指導をいただいています。

 

 

村井さん:ちなみに、トレーニングでは障害物に粟島で採れた竹を使っています。正式な器具もあるのですが、竹の方が軽くて扱いやすいので。こういうところも「あわしま牧場」らしさかもしれませんね。

 

——島にあるものを活かしているんですね。最後に、村井さんが好きな粟島スポットを教えてもらってもいいですか?

村井さん:私、どこでも行くんですよ(笑)。いちばんを決めるのが難しいので「のんびり風景を楽しめる場所」をあげると、仏崎や鳥崎にある展望台、「八所神社」や「わっぱ煮会場」ですね。牧場からは本土がよく見えるのですが、展望台からは朝焼けや夕日、島の自然が感じられて、また違った良さがあります。

 

 

あわしま牧場

岩船郡粟島浦村656-1

0254-55-2270/080-8492-5869

※掲載から期間が空いた店舗は移転、閉店している場合があります。ご了承ください。
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