南魚沼産の野菜やお肉を中心に、無添加のピザやベーグル、フォカッチャなどを展開する薪窯を積んだキッチンカー「WAYS(ウェイズ)」。新潟県内のいろんなイベントに出没する同店がちょうど湯沢町に出店しているとの情報をキャッチして、さっそく行ってきました。オーナーの木村さんに地場産&無添加にこだわる理由をインタビュー。
WAYS
木村 真悟 Shingo Kimura
1986年南魚沼市生まれ。飲食業にはじまりアパレルや米農家まで様々な経験を経て、2018年「WAYS」をスタートさせる。特技はキッズとすぐに仲良くなれること(6歳まで)。
――今日はよろしくお願いします。どんなキッカケでキッチンカーをはじめようと考えたんですか?
木村さん:20代後半のあるとき、海で友達とお酒を飲んで騒いでいました。友達は酔っ払った勢いでジャンプ台からスケボーで海へ飛び込んだりして遊んでいたんだけど、僕は怖くて見ているただけで。でも、酔いが回るにつれてなんだか自分も飛べる気がしたんです。それでチャレンジしてみたら…、海がない。
――えっ?
木村さん:飛び込んだ時間は深夜2時で。そう、潮が引いてしまって、砂地になっていたんです。もちろん大怪我です(笑)。身体にプレートやボルトを入れて大変でした。でもおかしなことに、怪我をしていない背中に腫れが出たんですね。この腫れがキッチンカーをはじめたキッカケです。
――背中の腫れがキッカケ? どういうことですか(笑)
木村さん:まだ続きがあるんですよ(笑)。その腫れが気になったので、病院で造影剤を飲んで検査をしました。そうしたら、腎臓のひとつが花みたいな形になっていて。調べたらなんと、腎臓癌でした。
――ええっ。腎臓癌… 大丈夫だったんですか?
木村さん:早期発見だったから大丈夫でした。ちなみに検査の翌日、背中の腫れはなくなっていたんです。もしかしてご先祖様が教えてくれたのかな…。そんなこんなで、身体のことをちゃんと考えようと思って無添加の食事を意識しはじめたら、地元の南魚沼産の野菜やお肉の美味しさを改めて感じて。それで、これをどうにかたくさんの人たちにも伝えたいなと思ってキッチンカーをはじめたんです。
――ようやくキッチンカーにたどり着きました。ところでそれまで飲食店での経験はあったんですか?
木村さん:以前、レストランなどの飲食店で働いていた経験があったし、自分でお店をやってみたいという気持ちも前からありました。でも、店舗で料理を作っていると、作った料理はウエイターが運んで説明するじゃないですか。僕は自分で説明したいタイプなんです。だからお客さんとの距離感を考えると、キッチンカーのスタイルがピッタリだったんですよね。
――なるほど。それではキッチンカーについてのお話を聞かせてください。どんなメニュー内容なんですか?
木村さん:「WAYS」では南魚沼産の野菜やお肉をメインに、化学調味料を使わずに素材の美味しさを生かした調理を心掛けたピザやベーグル、フォカッチャを提供しています。ちなみにベーグルとフォカッチャには、炊いた「南魚沼しおざわ産コシヒカリ」をお米のまま生地に練り込んで甘みとモチモチした触感をプラスしています。
――へー、ベーグルにお米を加えているんですね。新しい発想だ。気になっていたんですけど、キッチンカーの中にあるのは薪窯ですか?
木村さん:そう、薪窯です。地元で採れるナラ薪を使って、北海道産100%の全粒粉小麦生地のピザを焼き上げています。美味しい食材を食べてもらうだけではなくて、ナラ薪の熱や香りも「WAYS」ならではのエッセンスなんですよ。それぞれの特徴が最大限に味わえる「季節野菜のピザ」は大人気です。
――おお。使用している食材は、どんなものがありますか?
木村さん:春は山菜、秋はきのことか。なるべく南魚沼の野菜を使っています。この地域にはいろんな野菜を育てている農家さんがたくさんいるから、いずれは完全オーガニックの野菜も使っていきたいですね。
――南魚沼は食材の宝庫ですね。ちなみにお肉にもこだわりが?
木村さん:もちろん。「越後もち豚」という甘みのある脂身が特徴のブランド豚を使っています。この豚肉は外国産と違ってホルモン剤を使って飼育されていないから安心安全だし、とにかく美味しい豚肉なんです。だから自家製ハムにしてフォカッチャサンドとして提供しています。
――地場産&無添加にこだわったメニューはどれも美味しそうなんですけど…どこで食べられるんですか?
木村さん:この冬期間は湯沢町にあるリゾートホテル「エンゼルグランディア越後中里」で出店していました。あとは「やひこマルシェ」「潟マルシェ」「万代グランマルシェ」「夜市(沼垂テラス商店街)」「三条マルシェ」などにこれからの時期は参加予定です。出店情報はインスタグラムで発信しているから、ぜひチェクしてみてください。
WAYS