カリフォルニアのような西海岸リゾートを感じさせる、明るくて広々とした開放的なレストランが胎内市にあります。「Y.O.L.O. CALIFORNIA STYLE KITCHEN」。胎内市のど真ん中になぜアメリカンテイストのお店が誕生したのか。そのお店ではどんな料理を味わえるのか。オーナーシェフの森田さんからお話を聞いてきました。
Y.O.L.O. CALIFORNIA STYLE KITCHEN
森田 譲 Yuzuru Morita
1986年胎内市生まれ。新潟市の調理師専門学校卒業後、イタリアンレストラン、道の駅、ファミリーレストラン、ラーメン店などで料理経験を積む。2018年胎内市で「Y.O.L.O. CALIFORNIA STYLE KITCHEN」をオープン。全米プロバスケットボールリーグNBAのロサンゼルス・レイカーズの影響でアメリカ西海岸に憧れる。趣味はバスケットボールのほか、スノーボード、釣りなどアクティブ。
——今日はよろしくお願いします。明るくて広い、開放的なお店ですね。サーファーがいそうな…。
森田さん:ありがとうございます。自分はバスケットボールが好きで、NBAのロサンゼルス・レイカーズのファンなんです。その影響で昔からレイカーズの本拠地があるカリフォルニアの雰囲気に憧れていたんですよ。それで白とミントグリーンを基調に、内装をアメリカ西海岸のイメージにしました。でも一番気に入っているのは実はトイレで、レイカーズのチームカラーの紫と黄色を使っているんです(笑)
——個人的な趣味だったんですね(笑)。お客さんはどんな人が来るんですか?
森田さん:いろんなお客様がいらっしゃいます。時間に余裕がありそうな40代〜50代の女性のお客様が、ゆったり過ごしていかれることが多いような気がしますね。
——居心地良さそうですもんね。
森田さん:でも、難しいなって思うのは集客ですね。どうやったら店のことを多くの人に知ってもらえて、地元の人たちに受け入れてもらえるのか、いつも考えています。その活動の一つとして、地元で開催されるイベントには積極的に参加するようにしています。出店ブースでタコスやドリンクの販売をして、来場者に店のことを知ってもらえるようにアピールしてるんです。
——森田さんはどんないきさつで料理の道に進んだんですか?
森田さん:高校卒業後の進路を考えていた頃に、テレビで「男子ごはん」っていう番組を放送していて、「料理男子」が流行り始めたんです。料理ができる男はモテるっていう風潮があったので、女の子にモテたい不純な動機から調理師専門学校に入りました(笑)。でも学校で料理を学ぶうちに料理っていうのは自分が思っていた以上に繊細で奥深いってことを知ったんです。いろんな料理にそれぞれのストーリーがあることも学んで、面白くなっていきました。学生時代はフランス料理とかの洋食を作るのが好きでしたね。
——不純な動機から真面目な学生に(笑)。その後はどこで経験を積んだんですか?
森田さん:専門学生のときにインターンで働いたイタリアンレストランに就職しました。でも朝早くから夜遅くまで働くので自分の時間なんてなかったし、給料が少なかったのでお金もなくて、当時は若かったから料理の道をあきらめようと思ったんです。そこでレストランを辞めて料理以外の仕事を探したんですけど、不景気でなかなか仕事が見つからなかったんですよね。
——そうなってくると未経験の仕事より、経験のある仕事の方が探しやすいですよね。
森田さん:そうなんです。それで道の駅やファミリーレストランの厨房で働くことになって。自分で飲食店を開きたいと思うようになっていたので、その後は独立のための修行としていろんな料理店で働きました。そのおかげで料理の幅が広がったのはもちろん、いろんな仕入業者とも知り合うことができました。
——胎内市でお店をやることにこだわりはあったんですか?
森田さん:特に理由はないんですけど、自分が生まれ育った胎内市で店をやりたいっていう気持ちは強かったですね。せっかく地元で店をやるんだから、地場の食材を使うことにはこだわりたいって思います。胎内市って新発田市と村上市に挟まれていて、けっこう存在が霞んじゃうんです。だから、食を通して少しでも胎内市の魅力を発信していきたいんですよ。
——このお店では胎内市のどんな食材を使っているんですか?
森田さん:胎内市産の豚肉「豚一番」をいろんな肉料理に使っています。まだあんまり有名なブランド豚じゃないんですけどね。そのほかにも、ピルスナーをメインに「胎内高原ビール」、「胎内高原ワイン」を置いてます。コーヒーは、「珈琲舎ぐれ」で焙煎してもらった豆を使って淹れています。ただ食材や製品は胎内産にこだわってますけど、料理は胎内市の他の店が出してないものをお出しするようにしています。
——他のお店で出していないものっていうと、例えばどんな料理ですか?
森田さん:うちの店で人気があるのは「エンチラーダ」ですね。トルティーヤにひき肉とかの具を入れ、チーズを巻いてオーブンで焼き上げた料理です。ピリ辛なので胎内高原ビールとの相性もいいですよ。それから「Y.O.L.O.バーガー」もよく注文をいただきますね。牛肉を100%使ったパティとたっぷりの野菜が入ったハンバーガーです。お店の雰囲気にもぴったりなメニューだと思います。
——ああ、美味しそう。確かに雰囲気にぴったりですね。これからはどんな挑戦をしていきたいですか?
森田さん:まだ全然実現できるかどうかもわからないんですけど、キッチンカーを使って移動販売をしてみたいですね。イベントはもちろん、いろんなところに出かけて行って料理を提供してみたいんです。店名の「Y.O.L.O.」は「You Only Live Once」っていう英語のスラングで「人生は一度きりしかないのだから思い切り楽しもう」っていう意味なんです。自分もその言葉のように楽しみながら店をやっていきたいですね。
女の子にモテたいという動機で始めたものの、料理の繊細さや奥深さの魅力にハマってしまい、ついには地元でお店をオープンしてしまった森田さん。地元の食材を使って料理を作り、地ビールや地ワインを置いて胎内市の魅力を発信しています。憧れの西海岸をイメージしたという店内はとっても居心地がよく、快適。みなさんも西海岸のリゾート気分と一緒に、胎内食材を使った料理を味わってみてはいかがでしょうか。
Y.O.L.O. CALIFORNIA STYLE KITCHEN
〒959-2629 新潟県胎内市中条3113
0254-28-9656
11:00-15:00/18:00-22:00
水曜休