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学校町にあるワッフルのテイクアウト専門店「Waffle & Coffee Rico」。

寒い冬の学校帰りに、あったかい鯛焼きや大判焼きなどを買い食いした思い出はありませんか? 今回ご紹介するのは、新潟市の学校町でワッフルやコーヒーがテイクアウトできる「Waffle & Coffee Rico(ワッフルアンドコーヒー・リコ)」。ふわっふわなワッフルを頬張りながら、アクティブな池川さんのお話を聞いてきました。

 

 

Waffle & Coffee Rico

池川 りかこ Rikako Ikekawa

1972年大阪府生まれ。地元の大学卒業後に幼稚園教員、派遣社員として働き、2007年に夫の転勤で新潟へ移住。パン作りの講師を経て2019年に「Waffle & Coffee Rico」をオープン。ジャズダンスの経験があり、東京ディズニーランドのダンサーを目指していたことも。

 

アクティブな女性オーナーが、お店をはじめるまで。

——池川さんには関西弁のイントネーションがあるようですけど、ご出身はどちらなんですか?

池川さん:大阪出身です。すぐにバレちゃうんですよ(笑)

 

——新潟に来る前はどんなことをされていたんですか?

池川さん:小さい頃からの夢だった、幼稚園の先生をやっていました。その後は東京ディズニーランドのダンサーを目指して上京したんです。

 

——幼稚園の先生の次はダンサーを目指したんですか?

池川さん:当時はジャズダンスを習っていて、ダンスに夢中だったんですよ。オーディションを受けるために、東京で派遣社員をしながらダンスを磨きました。でも1年に1回しか行われないオーディションを4年受け続けても合格できなかったので、泣く泣く諦めることにしたんです。

 

——残念でしたね……。それにしても、池川さんってとてもアクティブなんですね。

池川さん:よく言われます(笑)

 

——お菓子作りはどんなきっかけではじめたんですか?

池川さん:お菓子というよりもパン作りなんですけど……バレンタインデーに贈るチョコレートケーキを美味しく作りたくて「ABCクッキングスタジオ」へ教わりに行ったことがきっかけなんです。そこでパン作りのレッスンを受けている人たちを見て、自分でもパンを作ってみたいと思ったんです。

 

 

——ダンスの次はパンですか(笑)

池川さん:初級コースをたったひと月半で終わらせて、マスターコースまで受けて「ABCライセンス」を取得しました。それほどパン作りにハマったんですよね。

 

——「ABCライセンス」って何ですか?

池川さん:「ABCクッキングスタジオ」の指定課程を修了すると取得できる免許で、スタジオのレシピを使ってパン作りを教えることができるようになるんです。新潟に来てからは、そのライセンスを使ってパン作り教室をやったこともありました。

 

——へぇ〜、そんなライセンスがあるんですね。池川さんが新潟に来たのはいつなんですか?

池川さん:今から16年前の2007年に、主人の転勤で新潟にやって来ました。比較的天気の良い土地で暮らしてきたので、来たばかりの頃は「こんなに天気の悪い土地なのか」と驚きましたね(笑)。今までゆかりのなかった土地で知り合いがまったくいなかったので、SNSを使って友達作りに励みました(笑)

 

——さすがにアクティブですね。お友達は増えましたか?

池川さん:おかげさまでママ友を中心にたくさん増えました。そんなママ友たちからのリクエストに応えて、自宅で子連れママのためにパン作り教室も開いていたんです。新発田の料理教室でもパン作りの講師をしていました。

 

たこ焼きよりもワッフルを選んだ理由。

——「Waffle & Coffee Rico」をはじめたいきさつを教えてください。

池川さん:私の母は大阪で喫茶店をやっていました。その姿を見て育ったので私も、いつかはカフェをやってみたいと思っていたんです。でも子どもはまだ小学生だし、主人からも「子どもたちが帰ってきたら家で迎えてあげてほしい」と言われていました。だから家でできることはないかと考えて、土間をリフォームしたテイクアウト専門店をはじめることにしたんです。

 

——いろいろあるなかでワッフルを選んだのはどうしてなんですか?

池川さん:大阪の友人に相談したら「そりゃー、たこ焼きやろ」と言われたんです。新潟のママ友たちにもリクエストされてしょっちゅう「タコパ」を開いていたので、たこ焼きに自信はありました。でも私はもっと可愛いお店がやりたかった(笑)。せっかく可愛い外観の店舗にしたのに、ソースの匂いをさせてたこ焼きを作るのはイヤだったんですよね(笑)

 

——(笑)。それでワッフルを?

池川さん:ワッフルにはベーキングパウダーで作る「アメリカンワッフル」と、イースト菌を使う「ベルギーワッフル」があるんです。私はパン作りをやってきたので、使い慣れたイースト菌を使う「ベルギーワッフル」だったらイケると思ったんです。

 

——ではお店をはじめるにあたって、意識したことがあったら教えてください。

池川さん:テイクアウトという点も考えて「食べやすいワッフル」を意識しました。だから片手で手軽に食べられるものにしたかったんです。あとは甘さ控えめで軽い食感に仕上げてあるので、ペロリと食べることができる上に、いくらでも食べられちゃうんですよ。

 

——いろんな意味で「食べやすいワッフル」ということですね。

池川さん:もうひとつ「自分の子どもに食べさせたいもの」であることも意識して作っていますね。できるだけ身体に優しい材料を使うようにしていますし、少なくても何が入っているのかわかる材料しか使いません。

 

——お母さんならではの視点で作られているんですね。他のワッフルとは違う特徴ってあるんですか?

池川さん:発酵バターを使っているので風味が豊かに感じられるんです。あとはカリッとしたワッフルではなく、ふわふわした優しい食感のワッフルということも特徴です。生クリームやコーヒーもうちのワッフルに合わせた味わいに作ってあります。

 

——コーヒーといえば、ちょっと変わった風味を感じますね。

池川さん:ハワイで人気のある「ライオンコーヒー」をブレンドしてあるんです。フレーバーコーヒーなので、甘い香りを楽しむことができます。私はコーヒーが飲めなかったんですけど、このコーヒーと出会って飲めるようになったんですよ。

 

アクティブに広げていくワッフルの販路。

——「学校町」だけあって、学生のお客さんが多そうですね。

池川さん:ところがそうでもなくて、ママさんの方が多いんですよ。

 

——車の通行量は多いけど人通りは多くなさそうですね。

池川さん:暑すぎても寒すぎてもお客さんは来ないので、冬に雪が降ったら一生懸命お店の前を雪かきしても、結局誰も来なかったりするんです(笑)。だからいろいろと頑張っているんです。

 

——「いろいろ」と言うと?

池川さん:待っていても仕方ないから、こちらから出て行くことにしようと思って、今はいろんなところで出店しています。イオンやDekky 401、最近では新潟県庁の生協でお世話になっています。それからイベントでも出店していて、その際はお店ではやっていない、季節ごとのフルーツを使った限定ワッフルを提供しています。

 

 

——あちこちで出張販売をしているんですね。

池川さん:先月からはメルカリを使った全国発送にも対応するようになりました。そちらでは5種類のワッフルにラスクをセットした商品をメインにしていて、先日のシュトーレンはたった3時間で売り切れました。

 

——お話を聞いていると、池川さんのバイタリティを感じますね。最後に「Waffle & Coffee Rico」をやっていて喜びを感じるのはどんなときですか?

池川さん:私は人を喜ばせることが好きなんです。だから自分の作ったワッフルを食べて、喜んでくれたお客様を見るのが何より嬉しいんですよ。特に子どもが「おいしー」って喜んでくれて、その後に「おかわりー」って食べ終わったお皿やカップを差し出してくれるとたまりませんね(笑)

 

 

 

 

Waffle & Coffee Rico

新潟市中央区関屋下川原町2-22-3

080-1277-3720

平日13:30-18:30/土日曜11:00-16:00

不定休(お問い合わせください)

※掲載から期間が空いた店舗は移転、閉店している場合があります。ご了承ください。
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