ピッツァのキッチンカー「ピッツェリア・カラバッジオ通り53番地」

真っ赤なキッチンカーはナポリピッツァ専門店?

街角の駐車場に止まっている、どこから見ても目立つ真っ赤なキッチンカー。南イタリアをイメージしたというカラーリングのこの車は、本場のナポリピッツァを目の前で作ってくれる専門店なんです。その名も「ピッツェリア・カラバッジオ通り53番地」。今回はオーナーの柄澤さんに、ナポリピッツァやキッチンカーについてお話を聞いてきました。

 

 

ピッツェリア・カラバッジオ通り53番地

柄澤 利衛 Toshiei Karasawa

1956年阿賀野市生まれ。定年退職するまで公務員として勤務。その後イタリアの「PIZZARIA LA NOTIZIA」で修行しPizzaiolo(ピッツァイオーロ)に認定される。2019年に「ピッツェリア・カラバッジオ通り53番地」としてキッチンカーでの移動販売を始める。芝居やミュージカルなどの舞台鑑賞が趣味だったが、今は仕事に専念している。

 

やたらと長い住所みたいな店名の秘密。

——お店の名前がとっても長いですね。キッチンカーでの移動販売なのに店名が住所なのも不思議で面白いですよね。

柄澤さん:これは私がナポリピッツァの修行をした、イタリアの「PIZZARIA LA NOTIZIA」という店の住所なんですよ。自分の名前が「からさわ」だから、名前と地名を引っ掛けて「カラバッジオ」っていう店名にしようと思っていたんですけど、師匠からは「この場所がお前のピッツァ職人としてのスタート地点になるんだから、初心を忘れないように番地までしっかり入れるべきだ」ってアドバイスを受けて。店名がやたら長くなるからどうしようと思ったんですけどね(笑)

 

——わざわざイタリアまで行ってピッツァ修行をされたんですね。

柄澤さん:もちろん日本国内でも修行することはできたと思うんです。でも、どうせ教わるんだったらナポリピッツァの本場イタリアの名店で教わりたいと思いました。作り方はもちろん、そこで暮らす人たちの人情とか、街の空気とか、そういったものを感じながら覚えたかったんです。

 

——ピッツァの文化を生んだイタリアそのものを知りたかったんですね。修行はいかがでしたか?

柄澤さん:イタリア語はわからないので、厨房では英語でやりとりしてましたね。でも、やっぱり大変でした。ゆっくり話してもらえればなんとか聞き取れるんですが、ナチュラルスピードになると7割くらいしか聞き取れないんです(笑)

 

——言葉の壁のほかに大変だったことってありましたか?

柄澤さん:重労働なので体力面でハードでした。ピッツァの生地を40分くらい休みなくこねなければならないんです。それを2〜3回ぶっ続けでやるんですよ。いろいろ大変でしたけど、おかげで本場ナポリピッツァの技術や味を身につけることができました。

 

イタリア製の石窯を積んで走る赤いキッチンカー。

——ところでそもそもピッツァのお店をやろうと思ったきっかけはなんだったんですか?

柄澤さん:30代のときにイタリア旅行をして、本場のナポリピッツァを食べたんです。それまでピザといえば喫茶店のピザしか食べたことがなかったので、初めて出会ったナポリピッツァに衝撃を受けたんです。それ以来、ナポリピッツァが大好きになってしまい、その美味しさをみんなにも知ってほしいと思ったんですよ。あと、ずっと安定した公務員を続けてきたので、まったく新しいことに挑戦してみたかったんですね。

 

——なるほど。でも、なんで店舗営業じゃなくてキッチンカーでの移動販売を選んだんですか?

柄澤さん:自分の年齢を考えてみると、店舗を構えてもいつまで続けられるかわからないと思ったんです。あと、本格的なピッツァを食べれる店って、結局イタリアンレストランになってくるんですよ。でも、そういうお店ってなかなか子どもは入りにくいですよね。あと、若い女性はたくさん行きますけど、私みたいなおじさん一人ではなかなか行けないです。そういう人たちにも気軽にピッツァを味わってほしかったんです。とくに小さい子どもに食べてほしいと思いました。子どもがピッツァを買いに来たときには、車の後ろから石窯の中を見せてあげてるんですよ。

 

——車の中にこんな立派な石窯があることが驚きですよね。これはどんな窯なんですか?

柄澤さん:ナポリで100年以上の歴史を持っている「マリオアクント社」の石窯なんです。この窯を使って470度以上の熱でピッツァを一気に焼き上げます。ふわふわもちもちした生地の食感は、この窯の炎の対流、ドーム型天井の輻射熱、炉床の伝導熱、薪火の遠赤外線によって生み出すされるものです。反面、窯が温まるまでに1時間は必要なので、準備に時間がかかってしまうという不便さも多少ありますね。

 

 

——最近はどんなところで定期販売してるんですか?

柄澤さん:月曜と木曜の夕方からは新潟市西区の「フレンチライス」の駐車場で、日曜の昼は西蒲区にある上堰潟公園前の「taibow coffee & gelato soft」の駐車場で販売しています。詳しい出店情報についてはInstagramで告知してます。その他、「にいがた食の陣」や「三条マルシェ」といったイベントに出店したり、幼稚園や保育園のバザーにも出張しますよ。

 

——じゃあ柄澤さんのピッツァを食べたいときはそこへ行けばいいんですね。店舗営業と違う、キッチンカーならではの苦労ってあるんでしょうか?

柄澤さん:屋外での営業ですから、天候にはどうしても左右されますよね。今年の夏から始めたので、まだ冬を経験してませんが、大雪とか降ったら営業するのは厳しいですよね。

 

本場ナポリピッツァをできるだけそのままお届けしたい。

——こちらのキッチンカーでは、どんなピッツァを作ってもらえるんですか?

柄澤さん:ハーブとニンニクの香りが食欲をそそる元祖ナポリピッツァ「マリナーラ」、トマトの赤、モッツァレラの白、バジルの緑がイタリア国旗のトリコロールカラーになっている「マルゲリータ」、ゴルゴンゾーラはじめ4種類のチーズの風味がクセになる「クワトロフォルマッジ」を提供しています。

 

——そういったピッツァの材料にはこだわっているんですか?

柄澤さん:生地を作るための小麦粉は、ナポリピッツァでは必ずといっていいほど使われているカプート社製の「サッコロッソ小麦粉」を使っています。その他、トマトソース、チーズ、オリーブオイルも本場イタリア産を使っています。あとは本場ナポリピッツァの味を、できるだけそのままに作りたいと思っています。そのためにも、ひとつひとつの作業を丁寧にやるよう心がけてますね。

 

——今後はどのようにキッチンカーを続けていきたいですか?

柄澤さん:幼稚園や小学校に出向いて、作りたてのピッツァを子ども達に食べてほしいですね。以前、小学校のバザーに呼ばれたことがあって、そのとき子ども達にとっても喜ばれたんですよ。これからも機会があったら、どんどん出かけていきたいと思っています。

 

 

取材中もいろいろなお客さんがピッツァを買いにキッチンカーを訪れていました。中には親子連れもいて、子どもが興味深げにキッチンカーの中の石窯を覗き込んでいました。そのたびに、嬉しそうに子どもに話しかけている柄澤さん。本当に子ども達にナポリピッツァを食べてほしいんだなと感じる光景でした。この冬は本場のあったかナポリピッツァを作ってもらいに、赤いキッチンカーを探してみてはいかがでしょうか?

 

ピッツェリア・カラバッジオ通り53番地


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