オリジナリティにこだわった、西区「cafe nOmado」のハヤシライス。
食べる
2022.06.17
洋食メニューのなかでも人気のあるハヤシライス。ハヤシライスといえば、皆さんはどんな料理を頭に思い浮かべますか? 牛肉や玉ねぎをデミグラスソースで煮込んだ料理を考える人が多いと思います。でも、今年の3月に新潟大学前から黒埼へ移転した「cafe nOmado(カフェ ノマド)」のオーナー・引地さんが作るハヤシライスはちょっと違います。固定概念を覆す、オリジナリティにあふれたものでした。


cafe nOmado
引地 憲明 Noriaki Hikichi
1968年新潟市東区生まれ。特殊車両の製造工場で働いた後、給食食材の会社で営業職を経験。2016年に新潟大学前で「café nOmado」をオープンする。車好きで、いつかはランボルギーニのスポーツカーに乗るのが夢。
他のカフェにはないメニューとして誕生した、独自のハヤシライス。
——店内に車の写真やフィギュアが飾ってあるところを見ると、引地さんって車がお好きなんですか?
引地さん:子どもの頃にスーパーカーブームがあって「サーキットの狼」っていうマンガが流行ったこともあって、車が大好きになりました。だから自動車の整備士を目指していたんですけど、それがどういうわけか特殊車両を作る工場で働くことになったんです(笑)

——じゃあまったく飲食業とは違った仕事をしていたんですね。
引地さん:そうですね。でも3年くらい働いたときに、ずっと屋内で働いていたので今度は屋外で働いてみたいと思うようになって、学校給食の食材を取り扱う会社で営業兼配送として働きはじめたんです。カフェをはじめるまで25年くらい働いていましたね。
——その仕事はけっこう長くやっていたんですね。その後カフェをはじめた、と。
引地さん:はい。いつか喫茶店のマスターになってコーヒーを入れるのが夢だったんです。子ども達が就職したのをきっかけに、これからは自分の好きなことをやろうと思ったんです。でもカフェってたくさんあるじゃないですか。だから他の店とは違った、プラスアルファになるものを考えました。最初はカレーも頭にあったんですけど、カレーを出しているカフェなんて山ほどあるので、ハヤシライスをやってみようかと思ったんです。まわりの人たちからは「なんでカレーじゃないんだ」って不思議がられましたけどね(笑)
——確かにカレーの方が需要ありそうですもんね。引地さんは他のお店との差別化を考えたわけですね。
引地さん:当時はハヤシライスを出しているカフェって、新潟にはそんなになかったんですよ。あと、どうせやるんだったらポピュラーなハヤシライスじゃなくて、独自のハヤシライスを作ろうと思って、かなり試行錯誤を重ねましたね。

前職の知識を生かした、料理のこだわり。
——「独自のハヤシライス」っていうことですけど、他の店とはどんなふうに違うんですか?
引地さん:ポピュラーなハヤシライスはデミグラスソースが多いんですけど、うちはトマトベースのソースなんですよ。具材も牛肉じゃなくて鶏モモ肉を使っているんです。だからトマトソースによく合うし、鶏から出る油でコクも増すんですよ。理想の味に仕上げるまで半年くらい試行錯誤を繰り返しました。
——半年も?
引地さん:コクを出すために入れている隠し味の素が、多過ぎても少な過ぎても美味しくならないんです。その量の調節に苦労しましたね。いろんな知り合いに声を掛けては試食してもらって、ようやく思い通りの味を出すことができました。当時流行りはじめていた雑穀米を合わせてみたら白米よりもソースとの相性が良かったので、うちのハヤシライスには雑穀米を使うことにしたんです。
——いろいろとオリジナリティーを盛り込んだ感じですね。今では人気メニューになっているそうですけど、最初の評判っていかがだったんですか?
引地さん:オープン初日はハヤシライスを食べるお客様の顔を、ずーっと見ていましたね(笑)。でも想像以上に好評だったので安心しました。新潟大学の学生はもちろん、年配のお客様にも「美味しかった」と言っていただけて、自信につながりましたね。
——食材にもこだわっているんでしょうか?
引地さん:もちろんです。ハヤシライスに使っている鶏モモ肉は、国産よりも油が多くてジューシーなブラジル産を使っています。マッシュルームもうま味が凝縮されたものを使っているんですよ。これはすべて給食食材の会社にいたときに学んだことですね。

——前職の経験が生かされているんですね。調理のこだわりはありますか?
引地さん:作ったソースを一度冷凍することで、玉ねぎの繊維が壊れて甘みが出るんです。それを解凍してから煮詰めるようにしています。手間はかかりますけど、その分美味しいソースになるんですよ。
——へ〜、そういう手間を重ねて、人気のあるハヤシライスができるんですね。
引地さん:ただ人気があるからといって、その人気にあぐらをかいて仕事をしちゃいかんと思っています。お客様を飽きさせないように、常に新しいことに挑戦しないとね。
——最近は何か新しいことをはじめたんですか?
引地さん:ハヤシライスの冷凍商品やお子様向けお弁当を作って販売しています。ハヤシライスの冷凍商品は店舗以外に、通販サイトやセレクトショップでも販売していて、ご自宅で食べる他に、県外の知り合いへ送られる方も多いんですよ。

移転の理由と、これからの夢。
——そういえば、新潟大学前から黒埼にお店を移転したばかりなんですよね。
引地さん:前の店舗は狭くて駐車場も少なかったんですよね。最初は歩いてくる近所の大学生が多かったんですけど、クチコミで知名度が上がったら、遠くから自動車で来るお客様が増えたんです。そうしたら席も駐車場もないということで、ご迷惑をお掛けすることが増えて、ネットのクチコミにもそうしたクレームをいただくことが多かったんです。
——人気が出れば出るほど、駐車場の問題が出てくるというのはよく聞く話ですね。
引地さん:さらに追い討ちをかけたのがコロナ禍です。新潟大学でも感染症対策をとってリモート講義に切り替えたので、学生のお客様が激減したんですよね。それで移転する覚悟を決めました。幸いここは近所のダンススクールから駐車場をお借りすることができたので、移転することで席数や駐車場の問題を解決することができました。

——このお店はご自宅の1階を利用しているんですか?
引地さん:はい。でも、この建物って3階建てになっていて、居住スペースは3階にあるんですよ。
——じゃあ2階は?
引地さん:客席のある店舗スペースになっているんですけど、カフェとしては使っていません。現在は婚活パーティーやアロマ講習会の会場といった、レンタルスペースとして活用しています。ゆくゆくは2階スペースを使って、カフェとはまったく別の専門店をはじめてみたいんですよね。まだ何をやるかは具体的に考えてないんですけどね(笑)

cafe nOmado
新潟市西区山田749-14
025-378-3019
11:00-15:00 / 17:30-20:00
水曜、第2・4木曜休
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