聖籠町で本場のたこ焼きが味わえる。農家が営む「にいがたや 大阪たこ焼き」。
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2024.11.14
聖籠町にある「にいがたや 大阪たこ焼き」。大阪出身のご主人による本場のたこ焼きを味わうことができます。お店を営む宇都宮さんご夫婦は農家の一面も持っていて、「にいがたやファーム」の名で有機・無農薬野菜や果物を栽培しているんだそう。今回はおふたりが聖籠町でたこ焼き屋さんをはじめることになった経緯について、お話を聞いてきました。


にいがたや 大阪たこ焼き
宇都宮 郡二 Gunji Utsunomiya
大阪府出身。3年前に妻・直子さんの地元である聖籠町へ移住。農家として野菜や果物を育てる傍ら、2023年より「にいがたや 大阪たこ焼き」の店名でたこ焼き屋さんを営む。

にいがたや 大阪たこ焼き
宇都宮 直子 Naoko Utsunomiya
聖籠町出身。大学進学を機に大阪へ。夫・郡二さんと知り合い、長年大阪で暮らす。3年前、生まれ育った聖籠町へUターン。郡二さんとともに、農業の傍らたこ焼き屋さんを営む。
大阪生まれのご主人が作る、本場のたこ焼き。
――今日はよろしくお願いします。さっそくたこ焼きを用意していただきましたが、美味しそうですね〜!
郡二さん:どうぞどうぞ、食べながら聞いてくださいね。外側がカリカリのたこ焼きだと時間が経っても丸い形を維持できるんですけど、うちのはそうじゃないから、ほんまはできたてをすぐに食べてほしいんですよ。
――では、できたてのうちにいただきます……美味しい! 中がとろとろで出汁の味がよく感じられます。
郡二さん:大阪のたこ焼きといってもいろんなものがあるから定義はないんですけどね。でも大阪の店はどこもクオリティが高くて美味しいんですよ。コンビニよりもたこ焼き屋が多いからね。

――おふたりとも長年大阪に住んでいらっしゃったんですよね。どういう経緯で聖籠に来られたんですか?
直子さん:私が聖籠の生まれなんです。大学進学で大阪に出てから40年ぶりに新潟に戻ってきました。それが3年前。父母が90代で、兄夫婦と同居しているんですけど、そばにいたら少しでも手伝えるかなと思って戻ることにしました。
――本業は農家さんだと聞きました。聖籠に移住されたタイミングで農業をはじめられたんですか?
郡二さん:こっちに移住することを決めたときから、有機農家をやる準備をしていたんです。
直子さん:うちの実家が専業農家なんです。主人は前から興味があったみたいですし、ふたりとも勤めてやりくりをするよりは農業をやってみたいなって。京都に社会人向けの有機農業の学校があったので、一緒に通っていました。
――そこからたこ焼き屋さんをはじめることになったのには、どんないきさつがあったんでしょう?
直子さん:農業のほかに、私たちが聖籠でできることは何かって考えたときに、大阪出身の主人の発想でたこ焼き屋をやろうってことになりました。ここにおらしてもらっているからには、地域で喜ばれることができたらいいなって思ったんです。
郡二さん:聖籠町にはたこ焼きが1軒もなかったんですよ。だからここでたこ焼き屋をやったらどうかなと。

――やっぱり大阪の方にとって、たこ焼きはかなり身近な食べ物なわけですよね。
直子さん:粉もん文化やからね。みんな、家でたこ焼きをやりますから。
郡二さん:今ね、大阪に行ったら無人販売所でたこ焼きの粉が売っているんですよ。粉と水を混ぜるだけで、美味しい生地ができるんです。
――できあがった状態のたこ焼きじゃなくて、粉が売られているんですね(笑)。こちらで使っているたこ焼きの生地は、おふたりで作られたものなんですか?
郡二さん:知り合いに、大阪でたこ焼き屋をやっていたおばあちゃんがいるんです。その方はたこ焼き屋で生計を立てて、子どもたちを育て上げたんですよ。そのおばあちゃんに「たこ焼き屋をやる」って言うたら、子どもさんと一緒にわざわざここへ来てくれて。生地のレシピとかも教えてくれたんです。
直子さん:うちの生地はその方が教えてくれたレシピを土台に、自分たちで試行錯誤して作り上げていきました。おばあちゃんがお子さんたちを育てはったレシピが、土台になっているんです。
――大阪のお母さんが作り続けてきたレシピがベースなんですね。
直子さん:テレビで取り上げてもらってからは、関西出身でこっちに住んではる方が「懐かしい」って食べにいらっしゃることもありますね。

――たこ焼きのソースは、どんなものを使っているんでしょう?
郡二さん:大阪から取り寄せたソースを使っています。僕の地元で作られているソースで、これがまた美味しいんです。あとは最近、僕が凝っているのは、オリーブオイルと岩塩をかける食べ方ですね。
直子さん:たこ焼きが急におしゃれになりますよ。ちょっといいお塩をかけて食べると美味しいんです。

こだわって育てた野菜を、お店の一角で販売。
――農家さんとしてはどういう農作物を作っているんですか?
郡二さん:果物だとさくらんぼでしょ。あとはイチヂク、キウイフルーツ、柿かな。
直子さん:同じ種類の野菜や果物でもいろんな品種を育てていて、そういうものも数えたら50種類以上は育てているかなと思います。
――すごい数……! お店の前に野菜が並んでいましたが、作った野菜をこちらでも販売されているんですね。
直子さん:B級品が出たら袋に詰めて、ひとつ100円で販売しているんです。無農薬やし、たこ焼きじゃなくて野菜狙いでいらっしゃる方もいます(笑)。毎日置いているわけではないんですけどね。
――B級品とはいえ無農薬の野菜がそれだけお得に買えるって、ありがたいです。
郡二さん:果物はなかなか難しいんやけど、野菜は基本、無農薬で作っています。今のおすすめは「伏見甘長唐辛子」、美味しいですよ。「唐辛子」って名前ですけど、そんなに辛くないんです。ピーマンみたいな感じで、唐辛子の風味を残しつつ少しだけピリッとするっていうか。
直子さん:オリーブオイルで炒めて塩をかけるだけですごく美味しいんですよ。これから積極的に売り出していこうと思っています。

――調理法も教えてもらえると試してみたくなります。これから寒くなると、できたてのたこ焼きがより美味しく感じそうですね。
郡二さん:もうちょっと寒くなったら、つぼ焼き芋もやりますよ。去年からはじめまして、雪が降ったら畑に行けないから、昼からお店を開けて販売しています。
直子さん:甘くなるように主人ががんばって研究をしたんです。私は試食をして「これはあかん」「これやったらいける」って言って。今年も今のうちから「今年はまだ焼き芋ないんですか?」って言う方もいらっしゃって、けっこう好評なんですよ。ぜひ食べに来てください。

にいがたや 大阪たこ焼き
北蒲原郡聖籠町諏訪山2334-1
TEL: 080-8828-5189
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