国上山の麓、秘密基地みたいな会員制のキャンプ場「FREE ART FIELD」。
その他
2020.10.11
燕市にある国上山の麓に、山にひっそりと隠れている小さなキャンプ場があります。会費を払うことで利用することができる会員制のキャンプ場「FREE ART FIELD(フリーアートフィールド)」。その場所は、会員にしか知らされていません。敷地にはユニークな「作品」がアートのように建ち並び、まるで絵本の中の世界のよう。いったい、ここはどんなキャンプ場なのでしょうか。オーナーの五十嵐さんにこの独特なキャンプ場についてお話を聞いてきました。


FREE ART FIELD
五十嵐 貴博 Takahiro Ikarashi
1978年長岡市生まれ。新潟工業高等学校の土木科を卒業後、23歳のときに整体院で働き始める。27歳で独立してリラクゼーションサロン「ゆいま〜る」を開業し3店舗まで拡大したものの、2018年にすべての店舗を譲渡して、サブスクリプション型キャンプ場「FREE ART FIELD」を立ち上げる。趣味はアウトドア、DIY、焚き火。学生時代はプロ選手を目指してサッカーをやっていた。
仲間と一緒に開拓していく、会員制のキャンプ場。
——こんなところにキャンプ場があったなんて!全然知りませんでした。
五十嵐さん:新潟県では初めてのサブスクリプション制のキャンプ場です。毎月定額の会費をお支払いいただくことで、好きなときに好きなだけキャンプ場をご利用いただけます。日帰りで遊んで帰ってもいいし、フィールドにテントを張って何泊してもらってもOKです。あと会員様にはこのキャンプ場を一緒に開拓できる特典があるんです。
——一緒に開拓する、って具体的にどういうことですか?
五十嵐さん:このキャンプ場はまだ未完成だから、これからどんどんいろんな設備を増やしていく予定なんです。それを一緒に造り上げていくことでDIYのスキルアップもできるし、体験するよろこびや心の豊かさを仲間たちと共有することができるんですよ。キャンプ場っていうよりは、五感を開放して遊べる場所だと思ってます。

——キャンプをするだけじゃなくて、キャンプ場を造ることができるんですね。これまではどんなものを造ってきたんですか?
五十嵐さん:ここにあるものはみんな「アート作品」です。廃材だけで造ったものは倉庫として使ってるし、「アースバッグ工法」で造った作品はキッズルームや焚き火スペースになっています。「アースバッグ工法」っていうのは土を使った技術で、震度6でも壊れない丈夫なものが造れるんです。だから災害用シェルターに使われるんですよ。
——焚き火スペースは火を囲んで座れるようになってるんですね。ここはどんなふうに使われてるんですか?
五十嵐さん:キャンプ場の中に人が集まるスペースが欲しかったんですよ。毎月交流会も開催して、会員様たちと焚き火を囲んだりモノ造りをしています。それで火を囲みながらこれからの生き方を語り合ったりしてるんです。

キャンプ場のオーナーは元整体師。
——そもそも、こういうキャンプ場を始めようと思ったのはどうしてなんですか?
五十嵐さん:僕はずっと整体師をやってきたんです。27歳のときに「ゆいま〜る」っていう店を開業して3店舗まで展開しました。でも2018年にすべての店舗を譲渡して「FREE ART FIELD」を立ち上げたんです。
——何かきっかけがあったんですか。
五十嵐さん:整体店として地域で一番になろうと頑張ってきたんですけど、あるとき、競争社会に疲れ果ててしまったんですよね。現代社会では「便利」「快適」「スピード」を追い求めることで競争が生じるので、結局無理して疲れてしまうんだと思うんです。それで、もっと自然の中に身を置いて、日常生活のストレスから解放されたくてキャンプ場を造ろうと決心しました。

——なるほど。それでこの場所を見つけたんですね。
五十嵐さん:はい。もともと宅地だったそうですけど、僕が見つけたときは建物が壊されて更地になっていたんです。すぐに購入してFacebookで開拓仲間を募りました。そしたら大工さんや庭師さんをはじめ、頼れる仲間たちが集まってくれたんです。最初はプライベートキャンプ場として、自分と仲間たちの遊び場として使っていたんですよ。
——それをサブスクリプション制のキャンプ場にしたのはどうしてなんですか?
五十嵐さん:新型ウイルス感染症の影響で遊ぶ場所がなくて困っている親子とか、ステイホームでストレスを感じている人がまわりにたくさんいることがわかったんです。そこで会員制キャンプ場を造って会員様に開放しようと思ったんです。

自然の中でのいろいろな経験を通じて子どもは成長する。
——「FREE ART FIELD」の会員にはどんな人がいるんですか?
五十嵐さん:コアなソロキャンパーもいますが、これからキャンプを始めようと思っている初心者が多いような気がしますね。私もこのキャンプ場はどっちかっていうとファミリー向けだと思ってます。宮城県からはるばる来てくれる会員様もいてうれしいです。
——ファミリー向けっていうことは子ども連れの会員さんが多いんでしょうか?
五十嵐さん:そうですね。この近くには綺麗な沢があってサンショウウオや沢ガニがいるんです。そこへ子どもたちを連れて行くと大よろこびで遊んでいますね。親御さんからは、「子どもをここに連れてくると普段とは別人みたいだ」って言われることが多いんですよ。いつもはおとなしい子どもが、ここへ来ると生き生きと元気に遊んでいるそうなんです。そう言ってもらえると僕もめちゃめちゃうれしいですね。
——子どもが遊ぶ環境としては最適ってことですよね。
五十嵐さん:そうかもしれないですね。最初は火を怖がっていた子どもも、だんだん積極的に焚き火へ薪をくべてくれるようになるんです。火は危ないからって触らせないんじゃなくて、大人が見守りながら子どもにもやらせてみることが大事だと思うんです。自然の中でのいろいろな経験を通じて、子どもって成長していくんですよ。

この場所を通して生き方のヒントを見つけてほしい。
——今後やってみたいことってありますか?
五十嵐さん:今はサウナが流行ってるから、アースバッグ工法のサウナを自然の中に造ってみたいですね。そのほかにも沢から水を引いて畑で作物を育てて自給自足したり、木の上にツリーハウスを造ったり、会員様たちと一緒にいろんなものを造り上げていきたいです。日本一狭いキャンプ場だけれど、造り上げていくロマンを感じてもらえたらうれしいですね。
——最後に「FREE ART FIELD」をどんな場所にしていきたいですか?
五十嵐さん:新潟って、東京や大阪に比べれば都会じゃないけれど、それでもストレスを感じながら生きてる人って多いと思うし、自然の中に身を置く機会っていうのも意外とないと思うんですよ。「FREE ART FIELD」がそんな人たちの第2の実家とか、住まいとかになってくれたらいいなって思いますね。そして、この場所を通して生き方のヒントを見つけてもらえたらうれしいです。

「FREE ART FIELD」にたどり着いた瞬間、思わずテンションが上がってしまいました。大人の私でもワクワクするんだから、子どもたちにとってはどれだけ楽しい空間でしょう。大人もまた、自然の中で焚き火をじっと見つめながら、生き方を見直してみたり。そんな楽しみ方もいいんじゃないでしょうか。
FREE ART FIELD
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