内野にオープンした、カフェと雑貨と服が集まったお店「FU&DUN.C(フーアンドダン)」。入口の扉を開くと、松田さん親子が出迎えてくれます。ふたりでお店をはじめたキッカケなど、松田さん親子にお話を聞いてきました。
FU&DUN.C
松田 莉緒 Rio Matsuda
1999年新潟市生まれ。高校卒業後、アパレルショップで2年間、カフェで1年間勤務した後、2021年に母と共に「FU&DUN.C」をオープン。趣味はランニング。
FU&DUN.C
松田 英絵 Hanae Matsuda
1971年東京都生まれ。アパレル接客業、介護施設管理者などを経験して、娘と共に「FU&DUN.C」を立ち上げる。ドライブが好きで、弥彦付近がお気に入りスポット。
――アパレルやアクセサリーなど、いろんな物がたくさん並んでいますね。「FU&DUN.C」って、いったい何屋さんなんですか?
莉緒さん:「FU&DUN.C」は、テイクアウト専門のカフェとアパレル雑貨がメインのお店で、私たち親子で営んでいます。
――ってことは、お隣にいるのは……。
英絵さん:はい、私が母です(笑)
――親子で一緒にお店をやっているなんて、仲良しなんですね。カフェとアパレル雑貨は、それぞれが別々に担当しているんですか?
英絵さん:いえいえ、どれも一緒に考えて、一緒に決めて、一緒にやっているんですよ。
――なおさら仲良しじゃないですか。じゃあ、お店について詳しくお話を聞いていきますね。まずはカフェについて教えてください。
莉緒さん:カフェはテイクアウト専門で、4種類のコーヒー豆から選んでもらって、ハンドドリップで丁寧に淹れて提供しています。
英絵さん:あと、コーヒーが苦手な人向けに、スムージーもあるんですよ。
――ふむふむ。本格的なんですね。アパレル雑貨についても教えてください。
莉緒さん:アパレルはレディース、メンズ、キッズがあります。レディースは昭和20~30年代のレトロな雰囲気がメインで、メンズはシンプルで現代のファッションと合わせやすいスタイルを重視していて、キッズは……。
英絵さん:キッズは私が担当していて、飾ってあるだけで癒されるようなもの、流行よりは定番のものをセレクトするようにしています。あと、子どもっぽくなり過ぎないカラーラインに気をつけるようにしていますね。
莉緒さん:ちなみに雑貨は、ハンドメイドのアクセサリーが多くて、一部は私が制作しているんですよ。
――え? 莉緒さんが?
莉緒さん:「FU&DUN.C」をはじめる前からちょこちょこと作っていて、ネットショップなどで取り扱っていました。だからその経験を生かして、今ではお店で販売をしています。
――ところで、代々続いてきた家業を継ぐとかだと親子で働くイメージができるんですけど、それとは違うじゃないですか。どんなキッカケがあって、親子でお店をスタートすることになったんですか?
莉緒さん:私はファッションが好きで、「いずれは自分の店を持ちたい」と思っていて、それでアパレル関係の仕事に就いていたんですけど、数年前、母に癌が見つかって……。
英絵さん:命に別状はないし、今は元気だから重くとらえないでくださいね。当時、私は介護施設で働いていたんですけど、その病気があって、1年間休むことにしたんです。だんだん体調は良くなってはきたんですけど、無理は禁物と思って、仕事には戻らない方向で考えていたんです。そのタイミングで、私から「これを機に、莉緒の夢だったお店をやろうか」と提案してみたんですよ。
――そうか、一緒に働けば安心だし、莉緒さんの夢も叶えられると考えたんですね。
英絵さん:はい。それに、私もいつかお店をやりたいと胸に秘めていた部分があったので。
――じゃあ親子の夢が叶ったってことですね。素敵なお話じゃないですか。でも、莉緒さんは、お母さんから「一緒にお店をやろう」と言われたときって、どんな気持ちだったんですか?
莉緒さん:アクセサリーを作って、オンラインショップで販売をはじめた時期でもあったので、いいタイミングだと感じました。正直、経験が少なくて心配がいろいろあったんですけど、チャレンジしたいという気持ちの方が大きくて、「じゃ、やってみよう」と、スタートを切りました。
――お店の準備をはじめたり、実際に営業をスタートしたり、親子でやってよかった点って、どんなところですか?
英絵さん:それぞれが既に持っていたつながりに加えて、「FU&DUN.C」からのつながりを親子で共有できる点ですかね。
莉緒さん:私は……、家族だから言いたいことを言える分、とことん話し合える点ですね。あとは、母は今でこそ黒を主体としてシックにまとめていますけど、昔は奇抜なファッションをしていたので、その母のセンスを共有できるところが楽しいです。
――それでは最後に、お互いに一言あればお願いします。
莉緒さん:え、えー(笑)。恥ずかしいな……。
英絵さん:じゃ、私から。そうですね……、まだまだ遠慮している部分があるかもしれないけれど、ドンとぶつかってきて欲しいのが本音です。そうやってお互いに成長していきたいな。
――莉緒さんは?
莉緒さん:母がいることで、幅広い年代の人たちがお店に来やすくなっているし、温かい空間が作れていると感じています。母のチカラがなかったら、「FU&DUN.C」はできていなかったし……感謝しています。これからも一緒に頑張りましょう。
FU&DUN.C
新潟県新潟市西区内野山手2-17-1