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お花とドリンクを通じて、人と人がつながる場所「ibuki」。

「人と人がつながる野遊びのある街」をコンセプトに、新潟市西蒲区の岩室に新しく生まれる「野きろの杜」。今月末、ついにグランドオープンを迎えます。住宅が立ち並ぶなか、昨年12月に一足早くオープンしたのが、お花とチャイ、コーヒーのお店「ibuki」です。店主の土田さんに、お花だけでなくコーヒーやチャイなどのドリンクを置いている理由や、これから目指したいお店の在り方についてお話を聞いてきました。

 

 

お花とチャイ、コーヒーibuki

土田 香織 Kaori Tsuchida

「atelier lilas(アトリエ リラ)」という名前でフラワーアレンジ教室やワークショップを主催するなど、3年前よりフローリストとしての活動をはじめる。2022年12月に岩室の「野きろの杜」内で「ibuki」をオープン。いちばん好きな花はライラック。

きっかけは、岩室の地域おこしの力になりたいという思い。

——土田さんはフラワーアレンジメントの講師としても活動されているんですよね。

土田さん:3年前から「atelier lilas」という名前で、燕三条エリアを中心にフラワーアレンジメント教室を開講しています。以前は燕市にアトリエを構えていて、オーダーを受けて作ったものを配達する業務と、教室で使うためのお花の管理をしていたんですけど、お花の販売はしていなかったんです。

 

——店舗としての場所ではなかったんですね。それがどうしてこの場所でお店をはじめることに?

土田さん:私が活動していた三条市や燕市には地域おこし協力隊の方がいて、「地域の人たちと一緒に町を盛り上げよう」という動きが盛んだったんです。そういう方たちとお仕事で一緒になることもあって、私は長い間岩室に住んでいたので「岩室でも地域おこしができればいいな」と思っていました。そのタイミングで、建物の事情で燕市のアトリエを出て行かなければいけなくなって、新しく制作場所を探すことになったんです。

 

——新しいことをはじめるにはいいタイミングだったんですね。

土田さん:せっかくならお店を構えて、お客さまにお花を買ってもらったり、お花にゆかりがない方には美味しい飲みものを飲んでもらったり、ゆったり過ごしてもらえる場所を岩室に作れたらいいなと思っていました。そんなときに、岩室に「野きろの杜」が作られることを知って、話を聞きに行ったんです。

 

——聞いてみていかがでしたか?

土田さん:ここはもともと岩室出身の不動産会社の社長さんが、「人と人がつながる町を地元に作りたい」という思いで作った場所なんですよね。私も同じようなことを考えていましたし、お花と飲みものをツールにして人が集まる場所を作ろうと思いました。

 

誰でもここに来て、ホッと一息つけるような場所に。

——「ibuki」というお店の名前にはどんな意味が?

土田さん:意味はふたつあって。花言葉みたいに木にも言葉があるんですけど、「イブキ」という木の言葉が「あなたを守ります」なんです。どんなことがあってもここに来てホッと一息ついてもらえる場所になりたいなっていう思いを込めています。

 

——木にも花言葉みたいなものがあるなんて知らなかったです。もうひとつのは?

土田さん:「春の息吹」のように、新しいものや素敵なものとの出会いがここからはじまったらいいなっていう意味を持たせました。ロゴマークのリースにも意味があって、リースって輪になっているものなので、「ibuki」を通じて縁をつなぐというか、人と人がつながるように、という思いを込めてデザインしてもらいました。

 

 

——店内を見ていて思ったんですけど、花束やアレンジはお店で置いていないんですか?

土田さん:アトリエで活動していた頃から「お花を一緒に選んで花束にしてもらいたい」と言われることも多かったので、それができたらいいなと思っていました。だから今もできあがっている花束とかは置いていなくて、お店に来てもらってから一緒にお花を選んで、その場で作っています。オーダーをいただいたら、もちろん作ってご用意もできますが、その場合もご希望をいろいろお聞きして、その方だけのオーダーメイドでお作りしています。

 

——へ~、それはお客さんも楽しそうですね。

土田さん:あとは、選んでもらったお花を一緒にアレンジにしたり、スワッグにしたり、リースにしたりできるワークショップも予約不要でやっていて、お子さまと一緒に来てくださる方も多いです。

 

——お店に置くお花はどういうふうに選んでいるんですか?

土田さん:まずは私が「こういうお花がお花屋さんにあったら嬉しいな」と思うものをピックアップしているんですけど、そうするとあんまり見たことないお花とか、すごく一瞬で時期が終わっちゃうお花とかに自然と寄っているような気がします。でも、好きなものを好きなように置いていますかね(笑)

 

 

——きっとその方がお店をやっていて楽しいですよね。

土田さん:自分の好きな花を置いていると、このお花はどういうお花で、こういう花言葉があって、こういうふうに管理してあげるといいんですよって伝えやすいですし、やっぱり好きなものを相手に伝えたいですよね。それと、ロスフラワーってご存知ですか……?

 

——まだまだ綺麗なのに廃棄になってしまうお花のことですか?

土田さん:そうですそうです。近所の花農家さんがお客さんとしていらっしゃったときに、チューリップとか、数センチ足りないだけで出荷できなくなって、すごくたくさん捨てることになってしまうので、こういうお花を使って何かできませんかねって相談を受けたんです。私も「ロスフラワー」という言葉は知っていたんですけど、こんなに身近でたくさんのお花が捨てられているんだと思ったんですね。

 

——もったいないですね……。

土田さん:その花農家の方は後日実際にチューリップを持ってきてくださったので、それをレッスンに使わせていただいたんです。今後どういうふうに使っていくかは考えているところなんですけど、そういうお花も扱っていきたいと思っています。

 

 

——お花屋さんで飲みものも出しているところってなかなかないですよね。

土田さん:特別な日にお花を予約して受け取ってすぐに帰るっていうよりは、のんびり滞在してもらえるような仕組みを作りたくて、飲みものも一緒にはじめました。ご近所の方はコーヒーだけ飲んでいかれる方もいらっしゃいますよ。

 

——じゃあ、コーヒーはこだわったものを出しているんでしょうか。

土田さん:女池の「Days Coffee Roaster」さんに作ってもらった「ibuki」オリジナルブレンドを出しています。花とマリアージュするようなフローラルな香りで、毎日飲めるコーヒーがいいよねっていうお話をして、エチオピアの豆を3種類ブレンドして仕上げてもらいました。男性の方が「あんまり飲んだことがないコーヒーだ」と言って、コーヒーを飲んだついでにお花を買っていかれることもありますね。

 

——チャイも出しているんですね。

土田さん:私、チャイがすっごく好きで(笑)。こだわって作ったチャイをお花と一緒に楽しんでもらいたくて、メニューに入れました。寒かったらジンジャーをちょっと多めにするとか、その日によって変えていて、今日はほうじ茶のチャイを出そうと思っています。

 

ふらっと立ち寄れる、日常に溶け込むお店になりたい。

——土田さんがお花に関わる仕事をされていて嬉しいのはどんなときですか?

土田さん:私はお花に触れているだけで楽しいんですよ。それで私がお花をお渡しした方が、今度は大切な人にお花を渡して「こういう人にお花を渡したらこんなふうに喜んでくれました、今度は一緒にお店に行きます」って、インスタのDMとかで教えてくださるんですよね。そういうエピソードを知れることが、すべての励みになっています。

 

——お花がどんなふうに人から人へ渡っていったのか知れるっていうのは嬉しいですね。

土田さん:ワークショップを受けた方が、1カ月後とかに「こんなに綺麗なドライのリースになりました、また新しいものを作りに行きます」って写真と一緒に送ってくれることもありました。それがずっと続いていくっていうのはお花がつなげてくれたご縁だなって思いますし、大事にしたいですね。

 

——これからたくさんの人たちが野きろの杜で暮らすようになると思いますが、その中で「ibuki」はどんな場所になっていきたいですか?

土田さん:もともと、特別な日に特別なお花を買いに来るお店じゃなくて、お家に飾るお花を休みの日にふらっと買いに来るとか、お仕事帰りにコーヒーを飲みに来るとか、スーパーに毎日行くのと同じ感覚で、日常に溶け込むお店にしたいと考えていました。前に子どもがおこづかいを持って、ひとりでお花を買いに来たことがあったんです。「1000円でお花、作ってもらえますか」って。それがすごく嬉しかったですね。お家ができたら、そういう役割の場所になれたらいいなと思います。

 

 

 

お花とチャイ、コーヒーibuki

新潟市西蒲区和納1358-3 野きろの杜 Mall Site野きろ内

13:00-17:00

不定休

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