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朝から楽しめる「らーめん幸」のあご出汁ラーメンやマーボー麺。

新潟北高等学校のそばに、黄色と黒の看板が目立つ「らーめん幸(こう)」というお店があります。新潟県内でも人気店の多い「あご出汁」を使ったラーメンを味わうことができるお店です。いったいどんなお店なのか、オーナーの高橋さんからお話を聞いてきました。

 

 

らーめん幸

高橋 幸 Kou Takahashi

1972年新潟市西区(旧黒埼町)生まれ。自動車ディーラーで働いた後、独立して生花店を創業。2012年に新潟市東区で「らーめん幸」をオープンする。どちらかというと思いつきで行動するタイプ。趣味はバイクで、阿賀町を抜けて国道459号線を福島の裏磐梯まで走るのがお気に入りのルート。

 

オーナーのはずがラーメンを作ることに……。

——今日はよろしくお願いします。

高橋さん:自分のことを話すのが苦手なんですけど、僕なんかで大丈夫ですか?

 

——私が聞いたことにお答えいただければ大丈夫です(笑)

高橋さん:それを聞いて安心しました(笑)

 

——じゃあ、早速聞いていきます。高橋さんは最初から飲食業に関わってきたんでしょうか?

高橋さん:最初は自動車ディーラーで営業をやっていたんです。まだ若かったし、自分でも何をやりたいのかよく分からなかったんですよ。

 

——勤めてみていかがでした?

高橋さん:自分にはサラリーマンが合わないということがわかりました。子どもの頃から自分で店や会社をやりたいと思っていたので、25歳で脱サラして店をはじめることにしたんです。

 

——いきなりお店をはじめたんですか。そこから飲食業を?

高橋さん:生花店をはじめました。

 

——どうして生花店を? お花に興味があったとか?

高橋さん:ひらめきです(笑)。僕は思いついたら、とりあえずはじめてみるタイプなんですよ。

 

 

——な、なるほど……。お花の勉強はどこで?

高橋さん:フラワーショップで働きながら学びましたし、東京まで行ってフラワーデザインの勉強もしてきました。

 

——生花店はどのくらいやっていたんですか?

高橋さん:10年くらいです。「らーめん幸」をオープンしてからも、しばらくは続けていました。

 

——ということは、生花店をやりながら「らーめん幸」をオープンしたんですね。どうしてラーメン店もやろうと思ったんでしょう?

高橋さん:ひらめきなんですよねぇ(笑)

 

——(笑)。でも、生花店とラーメン店を一緒にやるのって大変じゃないですか?

高橋さん:だから「らーめん幸」はプロの料理人を雇って、僕はオーナーとして経営しようと思っていたんです。

 

 

——えっ、じゃあ、こちらのラーメンって、高橋さんが作っているんじゃないんですか?

高橋さん:ところが結局、僕が作ることになっちゃったんです(笑)。最初にラーメン作りをお願いしたのは、本格的な中華料理店で働いてきた料理人だったんですけど、オープンしてすぐに辞めてしまったんです。そこで次に町中華のお店をやっていた方にお願いしたんですけど、病気で倒れてしまいまして……。

 

——それでオーナーの高橋さんが作ることになったんですね。

高橋さん:そうなんです。調理を間近で見てはいたものの自分で作ったことはなかったので、実際に作ってみると思っていたラーメンにならないんですよ。あと身体がきつかったですね。でも、やっているうちに身体も慣れて、納得のいくラーメンを作れるようになりました。

 

スポーツみたいな感覚のラーメン作り。

——「らーめん幸」さんといえば、あご出汁を使ったラーメンが看板メニューですよね。

高橋さん:あご出汁で取ったスープの他に、鶏や豚骨、海産物で取ったスープも作って合わせています。塩ラーメンのタレには、角がなくまろやかな口当たりのヒマラヤ岩塩を使っているんです。藻塩を使ったスープも美味しかったけど、コスト面で難しかったんですよね。

 

 

——あご出汁ラーメンの他に人気メニューはありますか?

高橋さん:マーボー麺ですね。あご出汁ラーメンは美味しいんですけど、あっさりしている分インパクトが弱いんですよ。そこで代わりになるラーメンをいろいろ試行錯誤しているうちに、マーボー麺が完成して人気が出ました。自家製の甜麺醤(てんめんじゃん)を使っているので、辛さのなかに甘さがあって誰にでも食べやすいのが特徴なんです。

 

——マーボー麺といえば、汁なしマーボー麺っていうメニューが他に比べて安くないですか?

高橋さん:これはフリーペーパーの企画のなかで、ワンコインメニューとして作ったものなんです。とにかく人気があったのでそのまま残しているんですけど、さすがにワンコインのままでは厳しいので少し値上げしています(笑)。4人で来店して、全員で汁なしマーボー麺を食べていくファミリーまでいるほどの人気メニューです。

 

——他にラーメンを作るときのこだわりはありますか?

高橋さん:お客様をお待たせしないよう、早く提供することには強いこだわりを持っていますね。入って来たお客様がセルフサービスのお水をとって、席についたタイミングで提供できるのが理想です(笑)

 

——それはすごいスピードですね(笑)

高橋さん:だから僕にとってラーメン作りって、もうスポーツなんですよ。まるでお客様からいっぱい飛んでくるボールを投げ返しているような感覚(笑)。そのくらい身体を動かして作っています。

 

——それで体型もスリムなんですね(笑)。ところで、8時から14時半までの昼営業だけなのはどうしてなんですか?

高橋さん:近所にある大きなパン屋さんへよく買い物に行くんですけど、朝からすごく混んでいるんですよ。それを見てラーメン店でも朝からお客様が来てくれるんじゃないかと思って、試しに8時からやってみたんです。

 

 

——やってみて、どうでした?

高橋さん:最初は全然ダメでしたけど、続けているうちに口コミが広まって少しずつお客様が増えていったんです。この辺には工場も多いので夜勤明けのお客様が多くて。今では休日のイベントとして朝ラーメンを食べに来るご家族もいますね。

 

——高橋さんはご自分でラーメンを作ることになってから10年以上経ちますけど、今までやってきていかがですか?

高橋さん:スピーディーにラーメンを作って提供するリズムが、思っていたよりも自分に合っているみたいですね(笑)。ここ数年でラーメン職人としての自覚もでてきて、ラーメン作りに向き合うようになってきました。今は仕事が楽しいですね。

 

 

 

らーめん幸

新潟市東区柳ヶ丘5-19

025-383-6998

8:00-14:30

木曜休

※掲載から期間が空いた店舗は移転、閉店している場合があります。ご了承ください。
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