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「黒鳥枝豆研究所」の本間社長が考える、地元・西区黒鳥の楽しい未来。

  • その他・食べる | 2021.06.30

日が長くなり、蒸し暑くなり、夏の訪れを実感している今日この頃。新潟県民が大好きな夏の味といえば「枝豆」ですよね。今回は、ネーミングに惹かれて、新潟市西区の生産法人「黒鳥枝豆研究所」の本間社長を訪ねたところ、本間さんは他にも複数の事業を展開されていることがわかり、いろいろと面白いお話が。そのすべてに共通していたのは、「地元を活性化したい」「農業の魅力を若者に伝えたい」という想いでした。

 

株式会社本間商事/株式会社黒鳥枝豆研究所/株式会社越信商事

本間 博明 Hiroaki Honma

1967年新潟市西区生まれ。「本間商事」3代目社長。生産法人「黒鳥枝豆研究所」と飲食業を展開する「越信商事」の代表も務める。狩猟免許を持っていて、冬場は趣味と実益を兼ねた鴨猟を楽しむ。本間さんの鴨料理はどれも絶品で、ホームパーティでも大人気だそう。

 

ちょっと変わったネーミング、「黒鳥枝豆研究所」って?

――新潟の夏といえば枝豆。というわけで、「黒鳥枝豆研究所」という名前に惹かれて取材に来ました。今日はよろしくお願いします。

本間さん:よろしくお願いします。「黒鳥枝豆研究所」は4年前に立ち上げた法人で、黒鳥枝豆や茶豆、野菜の生産をやっているんですよ。僕はその他にも、いろんなビジネスをしていて……何を話せばいいかな(笑)

 

――ではまずは、本間社長が経営している会社のことを教えてください。

本間さん:元々の家業は「本間商事」といって、昭和50年代に父がスーパーの加盟店を始めるために立ち上げた会社なんだけど、今はこの地域で採れる黒鳥産の枝豆や地元の農産物の卸業をメインとしています。あとは、妹夫婦が中心になって「ホンマベーカリー」というパン屋もやっているし、毎月第4土曜日には「黒鳥マルシェ」という産直市場も主催しているんですよ。

 

 

――枝豆にパン屋にマルシェ……。とっても幅広いですね。西区の黒鳥でこんないろんなことをやっているなんて、知らなかったです。

本間さん:あと「越信商事」という別会社で、飲食チェーンの加盟店を上越で営んでいます。

 

――飲食店のオーナーさんでもあるんですね。4年前に立ち上げたという「黒鳥枝豆研究所」について教えて欲しいのですが、どんな経緯で始めたんですか?

本間さん:県内の大手スーパーさんとご縁があって、黒鳥産の枝豆を納めるようになったんです。枝豆の最大消費地である下越の店舗数も多くて、需要が増えたんですね。それで、スーパーさんに迷惑をかけないためにも、より安定した供給ができるように、協力農家へ情報提供をするために、「黒鳥枝豆研究所」を立ち上げたんです。

 

地元に愛される「黒鳥マルシェ」と「ホンマベーカリー」。

――Things読者の方が実際に足を運びやすいのは、「黒鳥枝豆研究所」よりも、パン屋さんとマルシェの方かもしれません。「ホンマベーカリー」はどんなパン屋さんですか?

本間さん:月曜日と木曜日だけしか営業していないんだけど、常連さんを中心にご愛顧いただいています。ご近所や得意先に配達もしていて、食パンは配達分で完売するくらい大人気ですよ。去年から小麦の栽培も始めたんだけど、地粉をブレンドして混ぜたら一層味が良くなりましたね。でも、せっかく話をふってもらって申し訳ないんだけど、枝豆の出荷が忙しい7月と8月はお休みしているんです……。

 

――あらら……。それはタイミングが悪かったです。もっと早く取材に来ればよかったですね……。

 

 

――それでは、マルシェについて教えてください。

本間さん:「黒鳥マルシェ」は、毎月第4土曜日の9:00~12:00に開催していて、地元の新鮮な野菜はもちろん、「ホンマベーカリー」のパンやスイーツも販売しています。同じ黒鳥の「A alla Z」さんにも協力してもらっているので、カフェスペースでコーヒーを楽しみながらのんびりしてもらえます。これから夏にかけては、枝豆や桃が大人気ですね。12月には手つき餅もふるまうんですよ。時期が来たら、敷地内で鴨の狩猟もできるので、冬は絶品の鴨料理も用意します。

 

――おお、なんかいろいろ面白そうです。

 

経営者としての心得、「失敗しない準備をする」。

――本間さんは経営者としていろんなビジネスを展開しています。これまでには、どんな経験をされてきたんですか?

本間さん:酒屋をやったこともあったし、食品加工業をしたこともありました。でもコンビニエンスストアが酒類を扱うようになったら酒屋は厳しいと思っていたし、食品加工の仕事は中国にシフトするようになって、価格競争が厳しく撤退したかたちでしたね。それで、家業で農作物の卸はしていたけど、自分でも新しいビジネスを始めたくて、飲食チェーンに加盟しました。安定した採算が取れるようになったので、10年ほど前に「越信商事」として分社化したんですよ。

 

――飲食チェーンはずっと順調なんですか?

本間さん:もちろん苦しい時期もありますよ。思ったように売り上げが伸びなくて赤字が続いたときは苦しかったですね。4、5年厳しい状況が続いて、心身ともにかなり疲弊しました。

 

――どうやって脱却したんですか?

本間さん:アルバイトの高校生が、店からだいぶ遠いところから通ってくれていたんです。「遠くて大変じゃないか」と聞いたら、「この辺りだったら普通の感覚だ」と言うんですよ。それで、「もしかして上越の商圏って想定しているより広いんじゃないか」と広告範囲をグンと広げたら、どんどんお客様のご来店が増えたんです。

 

――へ~、アルバイトの高校生がきっかけなんて、意外なところにヒントがあるものですね。

本間さん:僕より地元の高校生の方が上越をよく知っていましたね(笑)。あの経験は苦しかったけど、勉強になりました。

 

――経営者として、大事に考えていることってありますか?

本間さん:以前、お世話になった社長さんから、「成功するための準備じゃなくて、失敗しないための準備をしなさい」って言われたことがあって、本当にその通りだと思いました。今では、未来を想像するときに、失敗しないための準備を自然に考えられるようになりましたよ。

 

今夏、黒鳥を満喫できるハイカラなお店をオープン。

――夏には新しいことを考えているそうですね。

本間さん:そうなんです。今、敷地内に新しく店舗を作っていて、ファームキッチンを始める予定です。

 

――ファームキッチン? どんなお店なんですか?

本間さん:地元のおじいちゃん、おばあちゃんたちにも気軽に本格的なコーヒーを楽しんでもらえるハイカラな場所です(笑)。「ホンマベーカリー」や「黒鳥ファーム」も融合させて、美味しいパンや新鮮な農作物を買うこともできるし、冬になったら鴨料理を楽しんでもらえるようなお店にしたいな。

 

――なんだかワクワクしますね。以前から構想があったんですか?

本間さん:この数年間、断片的なアイディアはあったけど、なかなかカタチにできずにいて。コロナ禍が落ち着いたらきっといろんなものが取り合いになるだろうし、「やるなら今だ!」と思ったんです。考えていたことをみんなに話したら、いろんな意見が出てきて、点が面になったような感覚でした。

 

――あえて今だからこそチャレンジするんですね。これからも黒鳥が盛り上がりそうです。最後に、本間さんの志を教えてください。

本間さん:農業は高齢化が問題となっているから、若手の生産意欲を高めたいし、これからの世代に農業は素晴らしい仕事だと伝えたいですね。ありがたいことに息子は農業とカフェの準備を手伝ってくれているから、「親父がやっている仕事はかっこいい」と感じてもらえているかな(笑)。経営者として、働く人とお客様が楽しいと思えて、その結果として商売につながる仕掛けと仕組みをどんどん考えたいですね。

 

 

本間商事

新潟県新潟市西区黒鳥2106

TEL 025-377-7546

 

黒鳥枝豆研究所

新潟県新潟市西区黒鳥739

 

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