団子やパン、麺類など米粉を使った食品はたくさんあるなかで、今回紹介したいのは米粉を使ったシフォンケーキです。三条市下田エリアにオープンした「はなまるシフォン」では、減農薬栽培された棚田米の米粉を使ったふわふわ食感のシフォンケーキを販売しています。自宅を改装した店舗に店主の味田さんを訪ねて、シフォンケーキのこだわりを教えていただきました。
はなまるシフォン
味田 奈津子 Natsuko Ajita
長岡市(旧栃尾市)生まれ。医療短大卒業後、新潟県公衆衛生看護学校を経て、旧下田村役場に就職し33年間勤務。2023年より「はなまるシフォン」を自宅でオープンする。ご主人と共に健康体操の教室「NPO法人生命の貯蓄体操」も開催している。
——味田さんは「はなまるシフォン」をオープンする前は、どんなお仕事をされてきたんですか?
味田さん:三条市役所下田庁舎で主に保健師として働いていました。私は中学生のときに小児難病を患ったので、その経験を生かして人の力になれる仕事に就きたいと思ったんです。保健師をやりながら、主人と一緒にNPOの健康体操の教室もはじめて、病気や介護状態を予防する健康な生活の提案もしてきました。
——「はなまるシフォン」をはじめたのはどうしてなんですか?
味田さん:家庭の事情などもあって役所を早期退職して、これから何をしようかと考えているときに、「シフォンケーキのお店をやってみたい」というかつての夢を思い出したんです。不安もありましたが、主人の応援に背中を押されてオープンすることができました。
——シフォンケーキは以前から作っていたんですか?
味田さん:物心ついたときにはお菓子作りが好きだったんです。そのうちふわふわに膨らむシフォンケーキに魅力を感じて、シフォンケーキしか作らないようになっちゃいました。もう30年くらいシフォンケーキを作り続けているんですよ。
——「はなまるシフォン」のシフォンケーキは、どんなところにこだわって作っているのでしょうか。
味田さん:私が保健師の仕事をしてきたこともあって、安心して食べることができる原料を使うようにしています。食品添加物はできるだけ使わないようにして、きび砂糖や米油を使っているんです。なかでも米粉や卵には特にこだわっています。
——それぞれ詳しく教えてください。
味田さん:米粉は長岡市栃尾の棚田で減農薬栽培されたコシヒカリの米粉を使っています。グルテンフリーなので、アレルギーの方にもお楽しみいただけると思います。それから、玄米を配合した餌で飼育された阿武隈高原産の鶏卵も使っています。
——作り方の面ではどうでしょう?
味田さん:原料それぞれの特性に合わせながら、ふわふわした食感に仕上がるよう工夫しています。とにかく食感を大切にしているんですよ。
——そういったこだわりで作っているシフォンケーキのなかで、イチ推しがあったら教えてください。
味田さん:人気があるのはプレーンのシフォンケーキですね。最近は生クリームを使ったシフォンサンドやロールケーキも人気です。私自身は現在、生米から作るノンオイルのシフォンケーキを学んでいるので、これからは「生米シフォン」に力を入れていきたいと思っています。
——お店をはじめてみて難しいと感じることはありますか?
味田さん:勤めていた頃と違って安定した収入があるわけではないので、自分の力で売上げを上げるために頑張っています。ただ、お客様の求めるニーズと自分がやってみたいことの差に悩むこともあります。できるだけお客様の声に耳を傾けて、ご期待に添えるよう心掛けていきたいです。
——なるほど。ではお店をはじめてみて良かったと思うことは?
味田さん:それはやっぱりお客様から「美味しかった」といっていただけることです。常連様の他に遠くから買いに来てくれるお客様がいたり、こちらへ来たついでに必ず立ち寄ってくれるお客様もいるんですよ。本当にありがたいし、もっと美味しいシフォンケーキを作ろうと思いますね。
——そうしたお客さんが増えていくといいですね。今後はどんなことにチャレンジしてみたいですか?
味田さん:10月に地元の小学校で開催されるバザーに参加する予定なんです。いろいろなイベントへ参加して、新潟の美味しいお米や米粉で作ったシフォンケーキの魅力を伝えていきたいですね。それからシフォンケーキ作りの教室を開きたいです。まだお店をはじめたばかりですので、お客様の声を聞きながら美味しいシフォンケーキを作って、皆様に喜んでいただけたら嬉しいですね。
はなまるシフォン
三条市桑切434-1
0256-46-3500
11:00-18:00
金曜・第2、4日曜営業