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秘伝のタレにくぐらせた天ぷらをじっくり味わう「coroKappes」の天丼。

新潟市中央区にある「coroKappes(コロカッペス)」。店主の伊藤さんが、ご両親の営んでいた「天丼屋ひで」を引き継ぎ、店名を変えて昨年リニューアルオープンしました。ご両親から受け継いだタレで作る看板メニューの天丼を求めて、お昼どきには多くのお客さんが訪れます。店主の伊藤さんに、お店を引き継いだ経緯や天丼へのこだわりについて聞いてきました。

 

 

coroKappes

伊藤 勝哉 Katsuya Ito

1984年新潟市生まれ。居酒屋やバーなど、さまざまな飲食店で経験を積む。2023年5月、両親が営んでいた「天丼屋ひで」を引き継ぎ、奥さんと一緒に「coroKappes」としてリニューアルオープン。

 

両親の天丼屋さんを引き継いで「coroKappes」としてリニューアル。

――どうしてこの場所でお店をはじめられることにされたんでしょう?

伊藤さん:両親がここで飲食店を営んでいたんです。いろいろなところを転々としながら店をやっていたんですけど、終の棲家みたいな感じでここでやっていて。去年一昨年と、父と母が他界しまして、場所もあるし道具もあるし、店をはじめることにしました。

 

――ご両親はどんなお店をされていたんですか?

伊藤さん:「天丼屋ひで」っていう名前の店でした。もともと父が天ぷら屋だったんですね。東京にも修業に行っていて、その後は定食屋をやったり、いろいろ鞍替えをしていたんですけど、最終的には天ぷら屋を死ぬまでやりたいと言って「天丼屋ひで」を立ち上げました。16年くらい続きましたかね。

 

 

――伊藤さんもずっと飲食のお仕事をされていたんですか?

伊藤さん:そうですね、ほとんど。父と働いたり、そうじゃない時期もあったりして、駅前の居酒屋とか古町のバーで働いていました。独立はこの店が初めてです。

 

――飲食業をされていたのは、お父さんのお仕事を見ていて影響された部分もあるんでしょうか。

伊藤さん:そうなんですかね。「天ぷら屋には絶対ならない」と思っていたんですけどね(笑)

 

――それでもご両親のお店を引き継いで、天丼や天ぷらを出すお店にされたのは、どんな思いが?

伊藤さん:父が最初に店を出したのが45年ぐらい前で、天神尾のあたりで天ぷら割烹をやったんですね。その頃からずっと絶やさずに使ってきた、天丼のタレがあったんです。私は今年40になるんですけど、私よりは年上かなっていうくらい。

 

――秘伝のタレってやつですね。

伊藤さん:両親がずっと大事に手入れをしてきたものだから、それを絶やしてしまうのはどうなのかなって。それに、他の料理も何となく、それっぽく作ることはできるけれども、ちゃんと勉強したわけじゃないし「よく知っているのは天ぷらだな」と思ったんですね。ずっと父の仕事を見ていたし、上手なものがどういうものかを知っているから「じゃあ天丼でもやるか」って。

 

 

――お父さんから天ぷらや天丼の基本は教わっていたんでしょうか。

伊藤さん:たまに父に言われて作ることはありましたね。でも真髄みたいなことはよく分からないんです。「これって何度くらいで揚げているの」って聞いても、「だいたいこの温度でこの感じ」としか言われなかったから(笑)。「耳で判断しろ」と言っていましたね。

 

――油の音で判断するっていうことですか?

伊藤さん:揚げるときに粉をちょっと入れると浮き上がってくるじゃないですか。「その瞬間で見極めろ」とか「揚がる瞬間にちょっとだけ音が変わるんだ」とか。そんな感じのことです。

 

――ご自身のお店で天ぷらを出すようになって、お父さんの天ぷらに近づいているなって感じることはありますか?

伊藤さん:ぜんぜん近づけもしない(笑)。残っている映像を改めて見ると「親父、やっぱり天ぷらうまいなあ」と思いますし。でもそれがてっぺんだって分かっているから、そこに近づけるようにするしかないですよね。

 

こだわりの油で揚げた天ぷらを、タレにくぐらせてご飯に乗せる。

――こちらの天丼のいちばんの特徴は、やっぱり長年継ぎ足してきたタレですか?

伊藤さん:タレもそうですし、「太白胡麻油」っていう油を使って揚げているのがこだわりですね。それから天丼って天ぷらの上にタレをかけることが多いんですけど、うちはあったかいタレにくぐらせた天ぷらをご飯に乗せているんですね。だからサクッとはしていなくて、どっちかっていうとしなっとしているんです。

 

――タレがよく染み込んで美味しそうですね。

伊藤さん:あと「お米が美味しい」っていうのもお客さんからよく言われますね。父の代から同じ米農家さんから仕入れています。それと、天丼のお米は意識してちょっと固めに炊いていて。天ぷらを乗せるから、ちょっとでもゆるいと残念な感じになっちゃうんですよね。季節によって水の量を調整したり、冷たい水で炊くようにしたり。そのあたりには気をつけています。

 

 

――お店を引き継いで「coroKappes」という店名に変えられたのには、どういう意味が込められているんですか? かわいい響きですよね。

伊藤さん:意味はね、ないんです(笑)。父が「ひであき」っていう名前だったので「天丼屋ひで」だったんですね。でも私は天丼屋になるつもりはなかったし、「ひで」でもないから店名を変えたんです。「コロ」は前に飼っていた犬の名前で「ペス」は今飼っている犬の名前で、私の名前が「かつや」だから間に入れて「coroKappes」。名前の羅列なんですよ。

 

――だから文字に耳が生えているんですね!

伊藤さん:そうそうそう。ペスは舌が長いから文字から舌が出ているし、私はとさかみたいな頭をしているから文字にとさかが付いているし。「何屋かわかんね」って言われることはありますね(笑)

 

 

――前のお店からの常連さんもいらっしゃることはありますか?

伊藤さん:先代のときから引き続き来ていただいている方もいらっしゃいますね。「だんだん似てきたな」って言われたり。「俺の方がいい男だろ」って思うんですけど(笑)

 

――天丼の味じゃなくて顔の話ですか(笑)

伊藤さん:天丼の味も「だいたいいっしょだね」と言っていただきますけどね。厳密に言うと違うんだよなって思いながらね(笑)

 

――お父さんの天丼はまだ先なんですね。最後に、今後の目標を教えてください。

伊藤さん:目標は、1日でも長く続けることじゃないですか。そのために自己研鑽をしなきゃいけないし、神経を尖らせなきゃいけないし。長く、健康に、無理せず、飲み過ぎず、続けていきたいですね。

 

 

 

coroKappes

新潟市中央区堀之内南3-4-20

TEL:070-2011-3501

※掲載から期間が空いた店舗は移転、閉店している場合があります。ご了承ください。

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