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初心者歓迎のレコード店。沼垂テラス商店街「K.M.ヴィンテージ」。

沼垂テラス商店街に7月にオープンした「K.M.ヴィンテージ」。青春時代に受験勉強そっちのけで音楽に夢中になり、音楽を通じて多くの人と出会ったという黒木さんがはじめたレコードショップです。高校生の頃の思い出や若者に伝えたいメッセージなど、いろいろとお話を聞いてきました。

 

K.M.ヴィンテージ

黒木 寛哲 Tomoaki Kuroki

1980年新潟市生まれ。会社に勤めながらDJとして活動。2024年に西堀ローサで「K.M.ヴィンテージ」をオープン。2025年に沼垂テラス商店街へ移転。

音楽愛あふれる、店主のレコードショップ。

――黒木さんは、ずっとDJとして活動されていたそうですね。

黒木さん:高校1年のときに通いはじめたダンススクールで、DJの存在を知りました。最初はヒップホップを好きになって。社会人になってから、会社は数え切れないくらい転々としたんですけど、ずっとDJを続けていました。

 

――レコードショップをはじめたきっかけを教えてください。

黒木さん:長いことDJをしているから、レコードをいっぱい持っているんですよ。家に遊びに来た友達が「これだけの枚数があるんだから、レコードショップをはじめてみたら」と勧めてくれて。それで、西堀ローサにチャレンジショップをオープンしたんです。西堀ローサの営業終了に伴い、この度、沼垂テラス商店街に移ってきました。

 

――どういうジャンルのレコードを置いているんですか?

黒木さん:ヒップホップ、ダンスミュージック、ハウス、テクノなどなど、洋楽中心です。僕はネットで音楽の情報を得ることが多いんです。気になるアーティストを検索すると、そこからいろいろな音楽をおすすめされるじゃないですか。聴いてみると、どんどんお気に入りの音楽が増えていくんですよね。

 

 

――店内にあるDJブースみたいな機材はなんでしょう?

黒木さん:これは、視聴用の機材ですね。レコードを扱ったことがない方のために、私がここでレコードをかけられるようにしています。レコードを傷つけたり汚したりする心配がないから、安心してもらえるかなと思いまして。

 

――それは、ありがたいですね。

黒木さん:レコード初心者さんや若い方の来店は、もちろん大歓迎。むしろ、それがお店の目的だと思っているくらいです。僕にとって、高校1年生のとき、音楽に夢中になってナイトクラブに通っていた頃の思い出って特別なんですよね。あのときのような盛り上がりを若い世代にも体験してほしいって思いがあるんです。

 

――実際に、レコード初心者さんや若い方の来店は多いんでしょうか?

黒木さん:西堀ローサで営業していた頃と比べると、レコードに初めて触れるという方は増えています。それが、すごく嬉しくて。

 

――いろいろな人が音楽の魅力を知ってくれているってことですもんね。

黒木さん:ヒップホップの歌詞に、「Word is Bond」ってフレーズがよく使われるんです。「言葉がボンドのように人と人をつなげて社会に影響力を与える」みたいな意味なんですけど、まさにそのフレーズ通りで、音楽のまわりにはその音楽を好きな人たちが集まってくるんですよね。うちのお店は、ほとんどが一点ものの「いい音楽」を揃えています。きっと「これいいよね」って、好きな者同士のコミュニティができていくんだろうなと思っています。

 

青春時代、すべてをなげうって夢中になったもの。

――黒木さんにとって音楽の魅力とは?

黒木さん:なんだろうな。みんなでワイワイできる面白さがありますよね。ひとりでお酒を飲むのが好きな方もいらっしゃるけど、やっぱり僕は、ワイワイ騒ぎながらお酒を飲む方が美味しいと思うタイプなんです。

 

――賑やかな青春時代を送っていたんだなって、想像しちゃいました。

黒木さん:当時は、アルバイトの時給が800円くらいでした。新譜レコードもそれくらいの金額だったんじゃないかな。気になるレコードを探しにお店に行くと、どんどん友達が増えていって。よく行くクラブが同じだから、自然とコミュニティができてくるんですよね。僕はそういう人生を歩んできました。ヒップホップの全盛期に、まわりのみんなもそれぞれのやり方で音楽を楽しんでいて。今の若い人には、僕らが過ごしたような時間がないような気がするんですよ。自分も経験があるんですけど、ひとりで部屋にこもってネット三昧している毎日じゃ、おもしろさに欠けるでしょう。外に出て遊ぶことって、めちゃくちゃ大事だと思うんです。

 

 

――音楽との出会いに、そうとうなインパクトがあったんですね。

黒木さん:僕の学生時代って、今よりずっと受験戦争が激しかったんですよ。みんなが塾に通って一生懸命勉強して。自分もそうしなくちゃいけないのに、ヒップホップのかっこよさに夢中になって、音楽の世界に突き進んだわけです。そういう「何かにどうしようもなく夢中になる経験」を若い世代にしてもらいたいって思いがあるんですよね。いろいろな音楽に触れて、「こんなかっこいい世界があったんだ」という衝撃に触れてほしいというか。

 

 

――これからどんなお店にしていこうと思っていますか?

黒木さん:みんなでワイワイできるようなお店を作りたいです。僕個人としては、ただ好きな音楽を聴けていたらいいなと思っています。

 

 

K.M.ヴィンテージ

新潟市中央区沼垂東3-5-18

※掲載から期間が空いた店舗は移転、閉店している場合があります。ご了承ください。
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