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ファミリーで楽しめる、がっつり系ラーメンの店「麺豪 織蔵」。

以前紹介した記事のなかに「中華蕎麦 おか部」「横浜家系ラーメン 三条家」のふたつのラーメン店があります。どちらも同じオーナーが経営する姉妹店なのですが、実はいちばん最初にオープンした「麺豪 織蔵(めんごうおりくら)」をまだ紹介していなかったので、せっかくだからコンプしちゃおうということで、オーナーの岡部さんからお話を聞いてきました。

 

 

麺豪 織蔵

岡部 伊織 Iori Okabe

1990年燕市生まれ。高校生のときに燕市内のラーメン店でアルバイトしたことをきっかけに様々なお店で経験を積んだ後、2014年に「麺豪 織蔵」をオープン。その後、2022年に「中華蕎麦 おか部」、2025年に「横浜家系ラーメン 三条家」をオープンする。ミックス犬のムクちゃんといろいろなところへ出かけたくて、キャンピングカーを購入したほどの愛犬家。

「麺豪 織蔵」という店名に隠された秘密。

——「中華蕎麦 おか部」や「横浜家系ラーメン 三条家」の記事ではお世話になりました。それなのに一号店の「麺豪 織蔵」をまだ紹介していなかったので、このたび取材にお邪魔したんですよ(笑)

岡部さん:ありがとうございます(笑)。こちらこそ、よろしくお願いします。

 

——「麺豪 織蔵」って店名が強そうですけど、あまり耳馴染みはないように感じます。どんな意味があるんですか?

岡部さん:剣豪・宮本武蔵の養子が宮本伊織(いおり)という名前で、僕と同名なんですよ。そこで伊織の「織」と武蔵の「蔵」を組み合わせて「麺豪 織蔵」と名付けました。……もっとも、考えてくれたのは僕の師匠でもある「麺の風 祥気」の横山さんなんですけどね(笑)

 

——「麺豪」は「剣豪」をもじっているんですね(笑)。オープンするにあたって、どんなお店にしようと思いました?

岡部さん:僕の発想はすべての店舗に共通していて「まわりにない店」なんですよ(笑)。当時このあたりにはなかった、二郎系がっつりラーメン、鶏清湯(トリチンタン)ラーメン、濃厚つけ麺のなかから、二郎系がっつりラーメンをやることにしました。

 

 

——以前Thingsで紹介した「中華蕎麦 おか部」の記事に、最初の物件の雰囲気に合わせて二郎系がっつりラーメンを選んだとありました。

岡部さん:本当は二郎系がっつりラーメンと一緒に鶏清湯ラーメンもやりたかったけど、当時のレベルでは二種類同時にやるのが難しかったので、鶏清湯ラーメンは泣く泣く諦めました。その数年後にオープンした鶏清湯ラーメンの店が「中華蕎麦 おか部」なんです。

 

——なるほど、そういういきさつがあったんですね。

岡部さん:オープン当初は僕自身の経験が浅かったので、とにかく実績をつくろうと必死でした。ようやく営業実績もできて融資を受けやすくなり、条件に合う土地も見つかったので、一世一代の大勝負に臨む気持ちで移転オープンをすることにしたんです。ところが、その矢先、末期がんが見つかってしまったんです。

 

闘病を乗り越えて得たメンタルの強さ。

——そ、それは大変じゃないですか!

岡部さん:いろいろなことが動きはじめたばかりで即入院することになってしまい、店舗の内装工事にも携わることができなかったので、今でも心残りの部分が多いんですよね……。

 

 

——営業はどうされたんですか。

岡部さん:その頃沖縄にいた高校の同級生に相談して、入院中の自分に代わって店の営業を任せることになりました。それが現在水道町で営業しているラーメン店「KUBO LABO(クボラボ)」店主の久保です。彼には本当に助けてもらいましたね。

 

——頼りになる友人がいてよかったですね……。ところで病気の方は……。

岡部さん:1年近く闘病生活を送っていました。退院して3ヶ月で店に復帰することになり、抗がん剤の副作用で手足が麻痺して動かない状態で厨房に立っていたので、ラーメンづくりがまるでリハビリのようでしたね。まわりのスタッフ達が支えてくれたおかげで、なんとか営業することができたんです。

 

——これからという時期に、大変な経験をされたんですね。

岡部さん:その経験を乗り越えたおかげでメンタルが鍛えられて、今はもう怖いものがなくなりましたね。それこそ、死ぬこと以外はかすり傷だと思えるようになりました。もちろん、命が助かったからこそ言えることなんですけどね……。

 

ファミリーで楽しめる、がっつりラーメンの店。

——苦難を乗り越えた甲斐があって、10年以上営業を続けてくることができたわけですね。こちらのお店では、どんなラーメンをつくっているんでしょうか?

岡部さん:僕の経営する店舗で共通しているのは、ガラを惜しみなく使っている、っていうことなんです。この「麺豪 織蔵」ではげんこつを大量に使ってスープをつくっているんですよ。かえしの醤油には、僕の大好きな燕系背脂醤油ラーメンの名店と同じものを使わせてもらっています。二郎系ラーメンは甘さで食べさせるものが多いんですけど、うちの店は地元の好みに合わせてしょっぱさで食べてもらう味付けになっているんです。

 

 

——二郎系がっつりラーメンということは、男性客がターゲットなんでしょうね。

岡部さん:そういうイメージが強いかもしれませんが「誰もが入りやすいがっつり系ラーメンの店」として、ファミリー層にアピールしてきたんです。ジュースやお菓子がついて300円で食べられる「お子様ラーメン」や、シニアにも食べやすい「鶏塩背油ラーメン」などメニューの幅を広げてきました。

 

——てっきり男性客がメインターゲットなのかと思っていました。「麺豪 織蔵」「中華蕎麦 おか部」「横浜家系ラーメン 三条家」を展開してきた岡部さんが、今後やってみたいことってあるんでしょうか?

岡部さん:海外出店やフランチャイズ展開というように、いろいろな夢を思い描いてはいます。考えるだけならタダですから(笑)。まずは最初にやりたかった濃厚つけ麺の店をオープンしたいですね。あとは愛犬を連れてあちこち出かけたいですね(笑)

 

 

 

麺豪 織蔵

燕市井土巻 2-235

0256-55-6742

11:00-14:30/17:30-21:00(金土曜は24:00まで)

無休

※掲載から期間が空いた店舗は移転、閉店している場合があります。ご了承ください。
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