本格的なコーヒーの美味しさを伝える
「LINDBERGH COFFEE ROASTERY」。
カフェ
2025.11.17
「コーヒーの美味しさがよくわからない」。そんな方はJR岩船町駅前にオープンした「LINDBERGH COFFEE ROASTERY(リンドバーグコーヒーロースタリー)」を訪ねてみてください。常時10種類以上用意されているコーヒーの中から、あなたに合ったオススメの一杯を提案してくれます。お洒落なジャズとコーヒーの香りが流れる店内で、オーナーの平山さんからお店をオープンしたいきさつやコーヒーのこだわりを聞いてきました。
平山 友弥
Tomoya Hirayama(LINDBERGH COFFEE ROASTERY)
1977年村上市(旧神林村)生まれ。専門学校卒業後、地元の金融機関に30年近く勤め、2025年にJR岩船町駅前で「LINDBERGH COFFEE ROASTERY」をオープンする。スポーツカーが好き。
大好きなコーヒーを飲み続けるため
業務用焙煎機を購入。
——お店をオープンする前は、平山さんはどんなお仕事をされていたんですか?
平山さん:地元の金融機関に27年間勤めて、その大半を営業として過ごしてきました。いつかは独立したいという気持ちを抱えていましたが、その一歩を踏み出せずにいたんです。
——もともとコーヒーがお好きだったんでしょうか?
平山さん:よく飲んではいましたけど、インスタントコーヒーで満足していて、本格的なコーヒーにこだわるタイプではありませんでした。でも10年ほど前に地元のコーヒーショップで深煎りのマンデリンを飲んだとき、あまりの美味しさに感動して、すっかりそのお店のファンになってしまったんです。それからは、そこで買ったコーヒー豆を自分で淹れて楽しむようになりました。
——自分で焙煎まではじめるようになったのは?
平山さん:そのお店で使っていた焙煎機が故障して、しばらくの間コーヒー豆が買えなくなってしまったんですよ。1〜2ヶ月で焙煎機の修理が終わって、また以前のようにコーヒー豆を買えるようになったんですけど、その“事件”をきっかけに不安な気持ちが大きくなって……。
——不安な気持ちというと?
平山さん:すっかりコーヒー中毒みたいになって、しばらく飲まないと禁断症状が出るほどだったんです(笑)。いつか行きつけの店が閉店したら大好きなコーヒーが飲めなくなると思ったので、それならば自分でコーヒー豆の焙煎をはじめようと考えて、2019年にその店と同じタイプの業務用焙煎機を購入したんです。
——おお、すごい行動力ですね。「他の店でコーヒー豆を買う」という選択肢はなかったんでしょうか?
平山さん:地元にコーヒー豆を販売している店は少なかったですし、私もあまりコーヒー豆の店について詳しく知らなかったんですよ。
——焙煎の勉強はどこで?
平山さん:焙煎機の購入先から、基本的な使い方と焙煎方法を数時間教わりました。あとは試行錯誤しながら独学で身につけていきました。ただ、一度に焙煎するのがひとりで飲みきれる量ではなかったので、周囲の人たちにお裾分けをしていたんです。その人たちからの感想をヒントにしながら改善を重ねていきました。
——そのうちネット通販をはじめたんですね。
平山さん:自分の焙煎したコーヒーを喜んでくれる姿を見て、もっと多くの人たちに楽しんでもらいたいと思うようになったんです。コーヒーのクオリティーも高い水準が出せるようになったので、2021年からネット販売をはじめてみました。そうしたら、おかげさまでコーヒー豆を買ってくださる方が、少しづつ増えていったんです。

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鮮度や品揃えにこだわっている
焙煎コーヒー豆。
——お店をオープンすることになったいきさつを教えてください。
平山さん:この物件は私の通っている美容室があったんですけど、昨年いっぱいで閉店することになったので、その後に入らせていただくことにしたんです。私の生まれ育った土地なので、愛着もありましたし。
——駅前で立地もよく、とても綺麗な建物ですね。立派なオーディオがありますけど、あれって真空管アンプじゃないですか?
平山さん:もともとオーディオに興味があったので、お店をはじめることになってすぐにスピーカーと真空管アンプを購入しました。店内のレイアウトも、まず最初にオーディオの位置を決めてから、それに合わせて決めていったんです(笑)
——平山さんって、凝り性なところがあるようにお見受けします(笑)
平山さん:そうかもしれませんね(笑)。焙煎機にもこだわっていますから。1978年式の直火(ちょっか)式焙煎機を使っているんですけど、この焙煎機じゃなければうちのコーヒーの味は出せないと思っています。
——どんな焙煎機か詳しく教えてもらえますか?
平山さん:豆の入ったドラムが回転しながら焙煎するんですけど、ドラムに開いた小さな穴のおかげで火が豆に直接当たるんです。この直火式という構造によって、しっかりとした香ばしさを感じるコーヒー豆が生まれます。うちのような中深煎りのコーヒーにはぴったりの焙煎機だと思いますね。
——他にもこだわっていることがあったら教えてください。
平山さん:コーヒー豆の鮮度には気を使っています。選別機を導入し、焙煎、選別後すぐに、できるだけ人の手や空気に触れないうちに、密閉ビンで保管するようにしているんですよ。
——とても繊細なんですね。豆の種類もたくさんありそうです。
平山さん:日常生活のなかで気軽に飲めるコーヒーを提供したいので、クオリティの高い豆をお求めやすい価格でご用意しています。好きだった豆が無くなってがっかりされないように、なるべく同じ銘柄をご用意するように心掛けているんです。

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自分に合ったコーヒーと出会える
憩いの場。
——お店をはじめるにあたって特に心掛けたことがあったら教えてください。
平山さん:地元にはコーヒーを楽しみながらゆっくり過ごせる店が少ないので、皆さまの憩いの場になったらいいなと思っているんです。そのため、コーヒーに合うよう厳選したスイーツもご用意しています。
——やっぱりコーヒーに詳しいお客さんが多いんでしょうか?
平山さん:そんなことはありません。どんなコーヒーが自分に合うかわからなければ、気軽に聞いてください。ヒアリングをしてオススメのコーヒーをご提案いたしますので、安心してお立ち寄りいただきたいですね。
——それは心強いですね。こちらのコーヒーは、香ばしさの他にも特徴がありますか?
平山さん:苦味やコクを求めるお客様に向いている味わいだと思います。お店で淹れるときはお湯が落ちやすいよう粗めに豆を挽くことで、スッキリした味わいのコーヒーを提供しています。
——サーバーに入った、お替わりのコーヒーまでついてくるんですね。
平山さん:ネットでお買い上げいただいたお客様から「冷めても美味しい」と評判だったので、おまけ程度ではありますがサーバーに入ったコーヒーをサービスして、温度による味の変化もお楽しみいただいているんです。
——コーヒーについて、ちょっと詳しくなれそうなお店ですね。
平山さん:お気に入りの一杯が見つかったら、ぜひ豆を買って帰って、ご自宅でも日常的に楽しんでいただきたいですね。

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知らないのはもったいない、
本格的なコーヒーの美味しさ。
——村上まで足を運ばないと、平山さんのコーヒーが買えないのは残念です。
平山さん:いえ、実は新潟県庁内にある生協の売店で、コーヒーの試飲と販売をしているんですよ。お客様と直接お話ができて、目の前で反応を見ることができるので、やってみてよかったと思っています。
——新潟県庁の生協売店ではいつ営業しているんですか?
平山さん:基本的には第2、第4火曜の11:30~13:30にお邪魔しているんですけど、売店のご都合もありますので営業日は当店のインスタグラムでご確認いただければと思います。
——平山さんのコーヒーがいろんなところに広がるといいですね。
平山さん:以前の私がそうだったように、本格的なコーヒーの美味しさを知らないのはもったいないと思うんです。だから、少しでも多くの方々にコーヒーの美味しさを知ってもらえるよう、これからも伝えていけたらと思っています。

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