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紅葉はもちろん、四季の景観が楽しめる「阿賀野川ライン舟下り」。

新潟県の人気紅葉スポットにも選ばれる「阿賀野川ライン舟下り」。

新潟県には多くの紅葉スポットがあります。清津峡、弥彦公園もみじ谷、越路もみじ園、美人林、八海山、荒川橋もみじライン…。今回紹介する「阿賀野川ライン舟下り」も人気紅葉スポットのひとつ。山々の紅葉が水面に映る雄大な阿賀野川をのんびりと遊覧船で舟下り。そんな舟下りに花を添えるのが、船頭さんによるガイドです。今回は「阿賀野川ライン舟下り」の船頭さんに、舟下りについてのいろいろなお話を聞いてきました。

 

カモシカも見られる?1年中楽しめる四季折々の川下りコース。

——今日はよろしくお願いします。これから遊覧船に乗せていただくんですが、いくつかコースがあるんですか?

船頭さん:はい。現在は2コース運行しています。ひとつは温泉街の風情が楽しめる「咲花温泉巡りコース」。もうひとつはジェット船で巡る新コース「五十島巡りコース」です。「咲花温泉巡りコース」は取上橋の手前まで川を上ったあと、咲花温泉の方に下って帰ってくる所要40分のコースで、「五十島巡りコース」は取上橋を越えて五十島渡船場跡付近まで川を上ってから下ってくる所要50分のコースです。どちらも当日の天候や阿賀野川の状況で変更になることがあります。今回は「五十島巡りコース」をお楽しみいただきます。

 

——やはりこれからの紅葉シーズンは人気があるんでしょうか?

船頭さん:そうですね。色とりどりに紅葉した木々が川面に映ってたいへんきれいですね。あとゴールデンウィークからの半月間は新緑がさわやかで気持ちいいです。意外と人気なのが冬だったりするんですよ。雪が積もって晴れた日には雪見船を楽しむお客さんが多いんです。水墨画のような風景を見ることができます。1年中運行している遊覧船ってそんなにないんですよ。

 

——1年中楽しめるんですね!川下りの見所などを教えてください。

船頭さん:川鵜やサギなどの野鳥も多く見られますけど、運がよければサルやカモシカといった野生動物を見ることもできます。先日は船の前をカモシカが泳いでいたらしいんです。ただ、泳ぎはあまりうまくないらしく、おぼれているような泳ぎ方だったそうですが(笑)。あと、阿賀野川沿いのJR磐越西線を「SLばんえつ物語号」が通るんですが、たまたま鉄橋を通るタイミングに出会ったお客さんからは歓声が起こりますね。

 

新登場の高速ジェット船で浅瀬も進める!

——「阿賀野川ライン舟下り」に使われている遊覧船は全部で何艘あるんですか?

船頭さん:「第一阿賀の里丸」「第五阿賀の里丸」「イザベラ・バード」の3艘が運行しています。「第五阿賀の里丸」はお座敷船、「第一阿賀の里丸」はイスタイプの船になっています。「イザベラ・バード」は今年4月に新登場した高速ジェット船です。

 

——おお、ハイテクな感じがしますが「イザベラ・バード」は他の船とどこがちがうんでしょうか?

船頭さん:ウォータージェットエンジン方式を採用した高速ジェット船で、近県で採用されているのはここだけです。特徴としては、30ノットの高速運航ができること、水中に沈んでいるエンジン部分が少ないため今までの遊覧船が入れなかった浅瀬も進むことができること、があります。あと設備も充実していて、エアコン、トイレ完備なので快適な舟下りを楽しむことができますね。ただ、高速運航するため水が入ってくるのと、お子さんが川に落ちたりするのを防ぐため、窓を開けることはできないようになっているんです。どなたにも快適に楽しんでいただけるよう、今後はバリアフリーも検討されています。

 

いろいろなタイプの船頭さんが阿賀野川をガイド。

——船頭さんにはどんな方がいらっしゃるんですか?

船頭さん:船頭といっても、船を操縦する「船長」と、お客さんに川下りの案内をする「ガイド」に分かれているんです。現在は船長が3名、ガイドが4名でやっています。ガイドにはいろんなタイプの人がいますね。自然に詳しいガイド、歴史や文化に詳しいガイド、歌は上手くないけどお笑い担当のガイドなど。それぞれの持ち味を生かしてお客さんに楽しんでいただいてます。ちなみに、私は船長とガイドの両方をこなします。

 

——船長さんもやっているんですね!船の操縦で難しいポイントとかはあるんでしょうか?

船頭さん:その日の天候や風向き、川の状況で変わってきますね。取上橋の下にできる渦には巻き込まれないよう気をつけなければなりません。あと、咲花温泉のところでターンをして折り返すわけですが、ターンする時っていうのは川の流れに対して船の側面を向けるんですね。船っていうのは側面が弱点なんですよ。だからターンの時には気をつけて操縦しています。

 

——船頭さんとして大変なことはありますか?

船頭さん:大雨で阿賀野川が増水したときは大変です。船着場が流されないよう、数名で陸に引き上げなければならないんです。洪水警報が解除されるまでは休むことができません。今年の6月には普段の10倍も増水して大変でしたね(笑)

 

——なるほど。ではガイドとして大変なことはありますか?

船頭さん:自分のトークがお客さんにウケた日の晩酌はうまいけど、すべった晩はヤケ酒ですね(笑)。やはりお金をもらってる分は楽しんでほしいと思ってやってますから。以前乗船していただいたお客さんから、後日指名していただけたりしたら、もう最高ですね。逆に「この前のガイドさんじゃないの?」っていわれると、かなりのプレッシャーでつらいです。中には前回のガイドじゃないという理由で、乗らないまま帰っちゃうお客さんもいますからね(笑)

 

秋の行楽シーズンにおすすめの阿賀町観光スポット。

——もうすぐ秋の行楽シーズンということで、阿賀の里周辺のおすすめ観光スポットを教えてください。

船頭さん:まず、すぐ近くに「平等寺薬師堂」があります。1517年に建てられた新潟県内では最古の木造建築です。中の壁や柱には戦国から江戸時代にかけての落書きが残されてるんですよ。その奥には「将軍杉」と呼ばれる日本一の大木があります。樹齢1,400年で幹の太さは19.31m、高さは38mもあって圧巻です。これからの季節は「三川観光きのこ園」もおすすめですよ。シイタケはもちろん、ナメコやシメジなどのきのこ狩りができ、食堂ではバーベキューも楽しむことができます。ぜひ秋の行楽シーズンは、阿賀町に遊びに来ていただきたいですね。

 

 

今年の4月から新しく運行を始めた高速ジェット船「イザベラ・バード」も加わり、ますます充実した「阿賀野川ライン川下り」。運がよければサルやカモシカなどの野生動物や、SLばんえつ物語号に出会うことができるかもしれません。この秋は紅葉に染まった阿賀野川を、船頭ガイドさんの解説に耳を傾けながら舟下りしてみてはいかがでしょうか。

 

 

 

道の駅 阿賀の里

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