地元の人たちに愛される、憩いのコーヒーショップ「Asu cafe」。
カフェ
2023.04.05
新潟市中央区の関屋にある、カフェを併設したコーヒー専門店「Asu cafe(アスカフェ)」。お年寄りをはじめ、地域の人たちの憩いの場になっています。コーヒーの香りが漂う店内で、オーナーの高木さんからお店やコーヒーのこだわりをお聞きしました。


Asu cafe
高木 祥子 Shoko Takaki
1967年新潟市中央区生まれ。フランス料理店や喫茶店、カフェで働いた後、1998年よりコーヒー専門店でコーヒー豆焙煎販売の経験を積み、2021年に「Asu cafe」をオープン。
新鮮なコーヒーの美味しさに感動して焙煎にハマる。
——こちらのお店はおふたりでやられているんですね。
高木さん:私と娘のふたりでやっています。お店のロゴマークは娘のお友達が作ってくれて、二羽の小鳥が私たち親子を表しているんです。お互いに目を合わせてはいないんですけど、同じ方向を向いているデザインになっています。そう言われると、私たちらしいなと思いますね(笑)

——高木さんは、もともとコーヒーがお好きだったんですか?
高木さん:そうでもありません(笑)。コーヒーを飲むようになったのはフランス料理店で働いていたときからですね。そのお店では毎朝コーヒーを淹れて、スタッフ全員で飲むという習慣があったんです。
——フランス料理店で働いていたんですね。
高木さん:母を早くに亡くしたので、自分で食事を作っているうちに料理が好きになったんです。それで料理関係の仕事をしたいと思ってフランス料理店に勤めたんですが、結婚と出産を機に退職しました。
——そうだったんですね。コーヒー豆に関わるようになったいきさつは?
高木さん:子育てが落ち着いてからは喫茶店やカフェで働いていたんですけど、あるとき知り合いからコーヒー豆の焙煎販売をしている専門店を紹介していただいたんです。喫茶店で働いていた経験者を探しているということだったので、そちらで働くことになったのがコーヒー豆に関わることになったいきさつですね。すっかりコーヒー豆の焙煎に魅了されてしましました。

——コーヒー焙煎のどんなところに魅了されたんでしょうか?
高木さん:焙煎したばかりのコーヒーって、香りも味も全然違うんです。コーヒー豆は日が経つにつれて油分が酸化してしまって、酸味が出て香りはなくなってしまうんですよ。新鮮なコーヒーの美味しさに感動して、そのコーヒー専門店で23年間勤めました。
——23年もやっていたら大ベテランじゃないですか。じゃあ「Asu cafe」をはじめたのは、満を持しての独立だったんですね。
高木さん:本当はそんなに長く働くつもりじゃなかったんです(笑)。そのコーヒー専門店のフランチャイズ店としてすぐに独立しようと思っていたんですけど、タイミングを逃したらなかなか辞められなくなっちゃって……(笑)。気がついたら23年経っていました。
——あれ? でも、このお店ってフランチャイズ店じゃないですよね。
高木さん:どうせ独立するんだったら自分のやりたいようにお店をやってみたいと思ったので、完全に独立して「Asu cafe」をオープンしたんです。

「特別」ではなく「日常」として焙煎コーヒーを楽しんでほしい。
——こちらで扱っているコーヒーは、どんなことにこだわっているんですか?
高木さん:とにかく新鮮さをいちばん大切にしているので、お客様からのオーダーをいただいてから焙煎するようにしています。その際もできるだけお客様の要望に沿って、焙煎するよう心掛けているんですよ。

——おすすめのコーヒーを教えてください。
高木さん:やっぱり「オリジナルブレンド」ですね。ほどよい苦味に、ほのかな酸味や甘みをバランスよくブレンドした、誰でも飲みやすいコーヒーです。他にはグァテマラをベースに、酸味を抑えて苦味と甘みを強くした「ラテンブレンド」も人気があります。

——こちらで焙煎してもらったコーヒーって、どんなふうに飲むと美味しく味わえるんでしょうか。
高木さん:最近は低温で淹れるのが流行っているようですけど、うちの豆は90〜92度くらいの高温で淹れてほしいですね。人間が古いもんだから、昔ながらのコーヒーなんですよ(笑)
——コーヒー豆もカフェメニューも、かなりリーズナブルですよね。
高木さん:焙煎したコーヒーを特別なものだと思わず、日常生活に取り入れていただきたいっていう思いがあるんです。でも、コーヒー豆の価格が高騰しているので、価格を抑えめにするのは大変なんですけどね。
——物価がいろいろ上がっていますもんね……。ところで、お客さんは地元の方が多いんでしょうか。
高木さん:そうですね。コロナ禍にオープンしちゃったので、「ぜひご来店ください!」って告知できないタイミングだったんですよ。だから最初はお客様のいらっしゃらない日々が続きました。

——それは大変でしたね。
高木さん:でもお店の前を通る方が、コーヒーを焙煎する香りで存在に気づいてくださったんです。だから、ご近所さんからクチコミで広がっていったっていう感じですね。お客様から「香りがいちばんの看板」と言われました(笑)
——お客さんにはどういう方が多いんですか?
高木さん:近所にある高齢者施設の利用者だったり、病院帰りに立ち寄ってくださる方だったり……。週の半分くらいはランチを食べに寄ってくださるおばあちゃんや、夕方のひとときに連日通ってくださるおじさんもいるんですよ。ご年配のお客様も多いので、娘を自分の孫のように可愛がってくださいます(笑)
——通いたくなる気持ちもわかる気がします。おふたりの人柄もあって、お店の居心地がいいんでしょうね。
高木さん:ありがとうございます。これからも地元の皆さまのお家みたいなお店であり続けたいと思っています。

Asu cafe
新潟市中央区弥生町3-15
025-378-1640
9:00-18:00
火曜休
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