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やすらぎの空間で、好みのコーヒーに出会える「喫茶そらや」。

喫茶店でコーヒーを頼むとき、ついつい「今日のおすすめ」に目がいきます。というのも、自分のコーヒーの好みがいまだによく分からないんです。「酸味……苦み……香り……。しかもコーヒーの世界って奥が深くて、なんだか難しそう……」これまでずっとそんな思いを抱いていたのですが、今回、「喫茶そらや」のオーナー 山田さんのお話を聞いて、コーヒーの魅力にはじめて触れることができたような気がします。

 

喫茶そらや

山田 哲男 Tetsuo Yamada

1954年新潟市生まれ。東京の大学を卒業してから、新潟市の事務機器メーカーに35年間勤務。2011年に早期退職し、1年間の準備期間を経て2012年に「喫茶そらや」をはじめる。

 

学生時代からのコーヒー愛好家。35年間の営業職を経て、喫茶店オーナーへ。

——とっても素敵なお店ですね。お店の雰囲気づくりにはどんなこだわりがあるんですか?

山田さん:お客さまが喫茶店に求めることって、さまざまあるでしょうけど、きっと「空間」も大きなポイントになっていると思うんです。この店ではコーヒーやスイーツにももちろんこだわっていますが、それと同じくらい、音楽や照明、家具などいろいろな要素で作りあげる「空間」を大切にしています。そもそもここは住宅街ですし、駐車場の数も限られているので、集客がしやすい場所ではないんですね。だからこそ、お客さまにくつろいでもらえる空間が必要だと思いまして。

 

——いつ頃からお店をやっているんですか。

山田さん:2012年の9月からはじめました。それまでは、新潟市の事務機器メーカーで営業の仕事を35年間やっていたんですよ。

 

——長くお勤めだったんですね。どうして喫茶店をはじめようと?

山田さん:2011年に東日本大震災があり、いろいろと思うことがありました。同じ年に社内の早期退職制度が打ち出されこともあって、会社を退職することにしたんです。でも退職を決めたときは、次に何をするかはまったく決まっていませんでした。

 

 

——じゃあ、いろいろなことが重なって、ひとまず会社を退職される運びになった、と。

山田さん:そうなんです。まだ隠居するつもりはなかったですし、退職してからの1年間で次に進む道を考えるつもりでいました。そしたら、ちょうど家族の住まいを新しく設けることになったんです。そこでいろいろと考えて、建屋の1階を住居にして、2階で喫茶店をはじめることにしました。前から漠然と「定年を迎えたら喫茶店をやりたい」と思っていたんですけど、だんだんと具体的に進んでいった感じでしたね。結果的には、退職からちょうど1年後にお店を持つことができたんです。

 

——以前から喫茶店をやりたいと思っていたということは、やっぱり若い頃からコーヒーがお好きだったんですか?

山田さん:学生の頃、就職活動のためアルバイトを辞めるとき、記念にコーヒーサーバーとドリッパーをもらったんです。それから、好きな豆を選んで買って、下宿先の仲間にコーヒーを振る舞うようになりました。社会に出てからも自分でコーヒーを淹れることが習慣でしたね。

 

酸味と苦味、焙煎度が一目でわかるメニュー表。

——山田さんはどうやってコーヒーの勉強をされたんですか?

山田さん:コーヒーが好きだから、自然と知識を増やしていったように思います。あとは本から学んだことが多いでしょうか。ただコーヒーへの意識が大きく変わったのは、「LUXUOSO(ルシュオーゾ)」のスペシャルティコーヒーを飲んでからです。そのお店のコーヒーは、今まで飲んでいたものとは明らかに違ったんですよ。それからは習慣として飲んでいたコーヒーを嗜好品として楽しむようになりました。

 

——「喫茶そらや」のメニュー表って、とっても親切ですよね。それぞれのコーヒーの違いが分かりやすく記されていて。

山田さん:お客さまから「おすすめはなんですか?」と聞かれることがあるんですけど、やっぱり好みを聞かないとお答えし難いんですよね。それだけコーヒーは味や風味に違いがあるんです。その違いが一目で分かるように、酸味と苦味、焙煎度などを図にして「Coffee Map」を作りました。

 

 

——そういえば、「喫茶そらや」には焙煎所もあるんですよね。

山田さん:通販もしていますが、基本的にはこの店で淹れるためのコーヒーとして焙煎しています。以前は焙煎された豆を仕入れていたんですが、それだと選択肢があまり多くなかったんです。お店で出すコーヒーの幅はどんどん広げたいと思っているので、2年ほど前にエスプレッソマシンも導入しました。

 

——よりお客さんの好みに対応できるように、ということですね。

山田さん:いろいろな種類の中から、お客さまが「美味しい」と思うコーヒーを見つけてもらいたいんです。コーヒーって、偶然と必然が絡み合って生まれるものなんですよ。産地、品種、精製方法、どんなふうに焙煎されるか、そして使われる器具、淹れる人によっても味が変わるんです。もしかしたらコーヒーほど、できあがるまでのプロセスに「人」が関わるものってないかもしれませんね。

 

素朴で家庭的なスイーツが、コーヒーの名脇役。

——お店のもうひとつの看板、シフォンケーキについても教えてください。

山田さん:ここはコーヒー屋なので、コーヒーの邪魔をしないスイーツがいいと思っています。シフォンケーキって主役にはなかなかならない存在だから、コーヒーの名脇役じゃないかな。

 

 

——素材にこだわっているそうで。

山田さん:もともと技術も経験もない、趣味からスタートしたような喫茶店ですから、プロと肩を並べることなんてできるわけありません。なので、素材をちゃんと吟味して素朴で家庭的な美味しさのスイーツを提供したいと思っています。

 

——土日祝日はテイクアウトのみの営業なんですね。

山田さん:コロナ禍の対応として、今のところ、土日祝日はテイクアウトのみとさせてもらっています。テイクアウトに力を入れるようになってから、よりお菓子に注力するようになりました。クッキー、マドレーヌ、ビスコッティなどの焼き菓子に、プリン、チーズケーキなどもご用意しています。最近は、焼きプリンの評判がいいですね。

 

 

——最後に今後取り組みたいことを教えてください。

山田さん:喫茶店よりももっとシンプルに、コーヒーだけを楽しめるお店をやってみたいですね。コーヒースタンドのような。そう思ったのは、コロナ禍でテイクアウト営業をはじめたことがきっかけです。本格的なコーヒーを屋外や自宅で楽しめるって素敵ですよね。そこからもう少し発展して、お気に入りのコーヒー豆を買ってご自分でコーヒーを淹れるのもおもしろいと思います。もっともっと「美味しいコーヒーが身近にある生活」が広がると嬉しいですね。

 

——いいですね。私も好みのコーヒー、探してみます!

山田さん:コンビニのコーヒーと自動販売機のコーヒー、それに喫茶店のコーヒー。同じコーヒーでも、それぞれまったく違います。その違いを楽しみつつコーヒーを飲んでみるのもいいですよ。

 

 

喫茶そらや

新潟市中央区関新3-3-24 2F

営業時間:平日11:00〜17:00 土日祭日:11:00〜18:00

定休日:月曜日、火曜日

※しばらくの間、土日祝祭日はテイクアウト営業のみとなります。

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