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身体も心もスッキリ。気軽に薬膳を楽しめる「漢方カフェ めぐり」。

本格的に「新潟らしい」冬がやってきました。毎朝寒くて、お布団から出るのもひと苦労。でも私は朝が苦手なので、冬でなくてもなかなか起きられないんですよね……。こんな私の悩みに共感してくださる方、けっこういらっしゃるのでは。朝すっきり目覚められないだけでなく、手足やお腹が冷える、皮膚がカサカサするなど、日々の生活で「なんとなく調子がよくない」と感じることってありますよね。今回は、「なんとなく調子がよくない」ときに気軽に身体のケアができるカフェのお話です。日々の食事や漢方、薬膳について、「漢方カフェ めぐり」の長澤さんにお話を聞いてきました。

 

漢方カフェ めぐり

長澤 奈恵 Nae Nagasawa

1986年山形生まれ。薬剤師。薬膳コーディネーター。新潟薬科大学卒業後、加茂本社の「笹菊薬品株式会社」に入社。25歳のときに同社の代表取締役社長・長澤吉明さんと結婚。子育てをしながら薬剤師として働く。2018年に「漢方カフェ めぐり」をオープン。子育てが一段落したら、漢方認定薬剤師の資格取得を計画中。

 

聞いたことがあるけど、よくわからない。「漢方」「薬膳」「生薬」ってなんだろう。

——「漢方カフェ めぐり」は、どんなお店ですか?

長澤さん:身体の不調や変化に合わせて、薬膳入りのスイーツと飲み物を提供しています。お客さまのご要望に応えて、週2回はランチ営業もしているんですよ。このカフェをはじめるときに考えたことは、「漢方の敷居を低くして、気軽に楽しんでもらえるお店にしたい」ってことでした。だから、薬膳料理みたいなかしこまったメニューではなくて、スイーツと飲み物をメインにしたお店にしたんです。

 

——あの、薬膳ってどんなものなんですか? 漢方とは違うのでしょうか?

長澤さん:薬膳は、中国の「中医学」という学問に沿った食事のことなんです。「食事療法」をイメージしてもらうとわかりやすいと思います。それから漢方は、自然のもので作られたお薬のことです。薬膳にも漢方にも「病気になる前から予防をしよう」という考えが基本にあります。なので、治療ではなく予防のためのものなんですよ。

 

 

——ふむふむ。それがメニューに反映されているんですね。例えば、どんなメニューがあるんですか?

長澤さん:身体を温める「温巡茶」、気持ちをリフレッシュできる「果巡茶」や「爽巡茶」、良い眠りに導く「眠巡茶」などですね。あとは体質に合わせてお茶を調合してお出しすることもできます。よもぎや果物の一種である「龍眼肉」などを入れたマフィンもあります。

 

——龍眼肉ってはじめて知りました。いろいろな食材が使われているんですね。

長澤さん:薬膳には、「生薬」といって薬効を持つ自然のものが使われているんです。龍眼肉だけじゃなくて、一般的には知られていない食材もたくさんあります。鹿のツノ、ロバのコラーゲン、動物の胆嚢や植物の根っこ、化石なども「生薬」なんです。

 

——へえ〜。そんなものにも薬効があるんですか。

長澤さん:東洋医学って、あまり知られていないですよね。だから、生薬や漢方、薬膳のことを伝える取り組みとして、定期的に勉強会やセミナーをしているんです。四季に合わせた養生法や、病気を防ぐためのアドバイスなどもしています。

 

気軽に漢方を楽しめるカフェで、身体をケアし、気分も晴れ晴れ。

——どんな悩みを持っているお客さんが多いですか?

長澤さん:「冷え」に困っている方が多いですかね。手足が冷えたり、お腹が冷えたり。あとは、お腹の調子が良くないとか、更年期とか。朝スッキリ起きられないという方も。

 

——ああ、自分のことのようです(笑)。調子がよくなった方の事例を教えてください。

長澤さん:出産してから気分が優れないという方に、リラックスできる「爽巡茶」をおすすめしたら、「なんとなく調子がよくなった」と喜ばれたこともありました。治療ではなく予防なので、「なんとなく」という言葉から効果があったことを感じて嬉しかったですね。あ、でも、お客さまが一番スッキリするのは、ここでおしゃべりすることかもしれませんね(笑)。みなさん、お茶を飲みながらたくさんお話しして、スッキリして帰っていかれます。

 

 

——お客さんにアドバイスをすることもあるんですか?

長澤さん:お客さまがどんな体質なのかを把握するチェックシートを見て、お茶を調合したり、食事のアドバイスをしたりすることもありますよ。私は薬剤師ですから、できる限りお客様のご相談には乗るようにしています。

 

——これだけ知識がある長澤さんですが、ご自身が普段の食事で気をつけていることはありますか?

長澤さん:ジャガイモやキャベツなどエネルギーを補う食材を必ず取り入れるようにしています。身体のちょっとした不調は、遺伝や体質が原因と思われがちですが、実は食べ物が影響していることもあるんですよ。水分、血液、エネルギー、すべて食べ物から生まれているので、何を食べるかはとても大切です。私たち日本人は、お米を食べることで気を補うことができるんです。だから、やる気、元気、勇気などの「気」を作るためにはお米も大事ですね。

 

 

——食事の他にも、身体によいことってありますか?

長澤さん:食事だけでなく、運動と睡眠も大切ですよ。「身心一如」と言って、身体と心は一体ですから。気分が沈んでいるときは、気持ちを紛らわすためにも運動するといいですね。呼吸や家事も運動ですし、目を閉じてリラックスすることで睡眠の代わりになります。目標を高くし過ぎず、続けられることを習慣にしていただくとよいと思います。それと、人間も自然の一部なので、季節の移り変わりに合わせて調節することが必要なんです。そのためにも、旬の食材を楽しみたいですね。

 

——最後に、これから取り組もうと思っていることを教えてください。

長澤さん:実は今、「生薬」が不足している現状があるんです。それで生薬が足りないから、「もっと山にある自然を大切にしないといけないんだ」という考えに至りました。山にはたくさん野草が生えています。昔は医者に行けないときは、野草に頼っていたんですよね。それで「山を大切にしたい」という思いから、加茂市七谷地区の農家さんと出会い、一緒に「加茂茶」と「笹菊茶」を開発しました。お茶だけでなく、「MACHITOKI」の渡辺幸治さんが主体となり「七谷山荘」というグループを作って、七谷地区の畑で蕎麦粉も作っています。今は蕎麦粉を使ったスイーツを試作しているところなんですよ。蕎麦にも薬膳としての働きがあるんです。これからは山を大切にして、身近な野草で病気の予防をしたいと考えているんです。それから、薬膳茶をもっともっとたくさんの人に届けたいので、販売できるスポットを増やしたいですね。

 

 

漢方カフェ めぐり

新潟市中央区米山5-14-13

TEL: 025-250-1118

営業:月・火・水・金・土  9:00 – 17:30(L.O.17:00)

定休:木・日・祝

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