鳥が大好きなんだけど、まわりに鳥好きの人がいなくて話ができない、なんて人はいませんか? そんな人は新潟市のJR寺尾駅そばにある「バードカフェとりん家」に行ってみてはいかがでしょう。鳥好きな人たちが集う新潟初の鳥カフェなんです。賑やかな鳥たちに囲まれながら、オーナーの塩谷さんに鳥の魅力やカフェについてのお話を聞いてきました。
バードカフェ とりん家
塩谷 友美 Tomomi Shioya
1974年新潟市中央区生まれ。デザイン会社やアパレルショップ、グッズショップなどで働き、2016年に「バードカフェとりん家」をオープン。大の鳥好き。昼寝が趣味。
——ずいぶんたくさんの鳥がいて賑やかですね(笑)。塩谷さんはもともと鳥がお好きだったんでしょうか?
塩谷さん:私の家では文鳥やセキセイインコを飼っていたんです。その影響もあったのか私も鳥が大好きで、小学4年生のときに初めて自分のお金でサクラブンチョウを買ったんですよ。それ以来、ずっと鳥を飼い続けてきました。
——きっかけがあったというよりは、自然と鳥が好きになっていたという感じなんですね。「バードカフェとりん家」をオープンしたのはどうしてなんですか?
塩谷さん:30代の頃、静岡県にある「掛川花鳥園」というテーマパークへ遊びに行ったんです。花や鳥に囲まれた幸せな空間に感動して「帰りたくない」と思ったほどだったんですよ。まあ、おうちで鳥たちが待っているので仕方なく帰りましたけどね(笑)
——じゃあ、「掛川花鳥園」が、鳥カフェをはじめるきっかけになったんですね。
塩谷さん:新潟にもあんな施設があればいいのにと思ったんですけど、多分誰も作ってくれないだろうから、だったらいつか自分の手で作ってみようと思ったのがきっかけです。当時は全国で鳥カフェがオープンしはじめて話題になっていたので、私も新潟で鳥カフェをやろうと思ったんです。参考にするため、いろいろな鳥カフェに足を運んで見学しましたね。
——確か「バードカフェとりん家」さんは新潟初の鳥カフェだったと思うんですけど、前例がない分、オープンまでにはご苦労もあったんじゃないですか?
塩谷さん:何をどうしたらいいのかわからなかったので、「新潟県動物愛護センター」さんにはいろいろと教えていただきました。「第1種動物取扱業」や「食品衛生管理者」などの資格を取得しなければならず、オープンまでに5年の月日がかかってしまいました。
——店舗デザインでは、どんなところにこだわったんでしょうか。
塩谷さん:いちばんこだわったのは外からも中からも見える、ガラス張りのショールームですね。お客様にも好評で、これから家を新築する予定のお客様は参考にしてくださっています。
——「バードカフェとりん家」には何種類の鳥たちがいるんですか?
塩谷さん:ショールームにはオカメインコやセキセイインコなど5種類、ふれあいスペースにはウロコインコ、コガネメキシコインコの2種類がいるんです。最近では販売用の鳥たちもいますし、ときどき私がプライベートで飼っているハトも連れてきています。
——それだけ多くの鳥がいると、お世話するのも大変ですね。
塩谷さん:ひとりで営業していますから大変ですね(笑)。毎日鳥のコンディションをチェックしたり、環境を清潔に保ったりするよう気をつけています。
——鳥に負けないくらい、販売しているグッズの数も多いですね。
塩谷さん:グッズ好きな女性は多いですからね。自分が飼っている鳥のグッズがあればつい買っちゃいますし(笑)。お店をオープンする前に各地で開催されている鳥フェスに足を運んでは、出店している作家さんに、作品をお店に置かせてもらえないかと交渉していました。今では作家さんから売り込みに来てくださることもあるんですよ。
——オススメのグッズを教えてもらえますか。
塩谷さん:今の季節だったらTシャツですね。鳥が使うオモチャやテントも人気があるんですよ。
——実用的なものの方が人気なんですね。では、カフェメニューのオススメも教えてください。
塩谷さん:「カレーランチ」はライスが鳥のデザインになっていて可愛いんです。白米は文鳥、ターメリックライスはオカメインコのデザインになっています。「ケーキセット」は3種類のケーキとドリンクメニューから、お好みのものをお選びいただけます。プレートに鳥のイラストとメッセージを描かせていただいていて、記念日のメッセージなどはできる範囲でリクエストにも対応しています。
——どちらのメニューもインスタ映え間違いなしですね(笑)。お客さんにはどんなふうに過ごしてほしいと思っていますか?
塩谷さん:犬を飼っている方は散歩やドッグランでお友達ができたりしますけど、鳥を飼っている方にはそういう機会がないんですよね。だから、鳥好きが集まってお友達ができるスペースを作りたいと思ったんです。鳥と触れ合いながらまったり過ごしていただくのもいいですし、愛鳥を連れてきてお客様同士で見せ合いっこをしたり、飼育についての悩みを相談したりしてもらえたら嬉しいですね。
——塩谷さんにとって、鳥の魅力ってどんなところですか?
塩谷さん:鳥を飼ったことがない方は驚くかもしれないんですけど、ありえないような動きを見せてくれたり、べたべた甘えてくれたりするんですよ。特にコガネメキシコインコやウロコインコなど中型の鳥は、じゃれてきてくれますね。セキセイインコなど小型の鳥は肩にちょこんと乗ったりして、飼い主と一緒にいるのが好きなんです。飼うときには、自分に合った鳥を選ぶことが大切だと思います。
——では鳥を飼うときに気をつけてほしいことは?
塩谷さん:エサや水は毎日取り替えて清潔な環境を保つようにして、1時間くらいは一緒に遊んであげてほしいです。ケガをしないように気を配って、もしも異変を感じたらすぐお医者さんに連れて行ってください。鳥はなんでも食べちゃうんだけど、人間の食べ物は絶対に与えないようにしてほしいですね。
——「鳥を飼ってみたいけど、ちゃんと飼えるか心配」という人もいそうですよね。
塩谷さん:鳥の飼育についての悩みごと相談にも乗っていますので、何か心配や困りごとがあったらお気軽にお越しいただきたいですね。鳥と飼い主が幸せに暮らせるよう、何かしらのお手伝いができたらいいなと思っています。
——それは心強いですね。
塩谷さん:正直言ってカフェでお料理を作っているよりも、お客様と鳥の話をしている方が楽しいんですよ(笑)。「バードカフェとりん家」が鳥好きな皆さんのコミュニティになってくれたら嬉しいです。
バードカフェ とりん家
新潟市西区寺尾上3-2-2
080-9995-4907
11:30-17:00
不定休